「孤独のグルメ」がSeason4として7月9日(水)より再開!
これを機に、同作の主人公・井之頭五郎(松重豊)が訪れた数少ないエスニック料理店の1つである、東中野のアフガニスタン料理店「パオ・キャラヴァンサライ」を訪問中。
店は大変異様なムードに包まれていたのだった。果たして、食べ物やいかに。
※前回記事
■家族で行こう、アフガニスタン
靴を脱ぎ、ペルシャ絨毯の上に座るスタイルの席に案内される。
店内は広く、天井が高い。
全体的に茶色く、「民芸品のおたま」っぽいものがたくさんぶら下げられている。
遊牧民の移動式住居「パオ」の内装もこんな雰囲気だった気がする。
休日の早めの時間帯に訪れたが、客席は6~7割ほど埋まっていたように思う。
そして驚くべきは、ファミリー客の多さであった。
どこもかしこも、幼児連れ。
独特なムードに触発されてか、血湧き肉躍る地団太を披露するキッズもちらほら。
ここから察するに、アフガニスタン料理は「辛くない」。
寿司はいまだにサビ抜きのほうが嬉しい私にしてみれば、大・大・朗報である。
■アフガニスタン流ドリンク?で乾杯
食べ物のメニュー数はそれほど多くないが、酒の種類は豊富。
しかも、見たことのないものが多くてわくわくしてしまう。
「孤独のグルメ」本編では、下戸の主人公・五郎は「ドーグ(ヨーグルトにスパイスが入ったもの)」というソフトドリンクを飲んでいた。
アルコールが欲しい気分だったので、近しいかな、と思い「乳酒」なるものを注文。
「乳酒(にゅうしゅ):シルクロードの味 牛乳を発酵させてつくったお酒」とのこと。
真下に「マッコリ」の名があることから、マッコリ系の酒であることが予想される。
ポット小で1450円とは、ややお高めな印象。
その下の「どんぐりリキュール」も大変気になるが、まずは乳酒、ご覧いただこう。
※余談となるが、「にゅうしゅ」と素直に入力すると当然ながら「乳首」と変換されるので、この記事をUPする前に文字校正には本気を出さなければならないと思った
さあお待ちかね!
乳酒とは・・・
こんな感じだァ!
・・・興奮のあまり「ふなっしーカメラ」での撮影となってしまったことを非常に後悔している。
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不思議な小さなポットに入っており、お猪口でいただくスタイル。
やはりマッコリ風の風味で、変な発酵臭は一切ない。
しょっぱいおつまみとの相性も良さそうだ。
ちなみに、上述した「どんぐりリキュール」も牛乳割で注文。
トトロのカンタを思い出させるような、香ばしく懐かしい味わいを期待したが、牛乳の量が多かったのか、カルアミルクのような味しかしなかった。
しっかり味わうためにも、せっかくならショットで頼めばよかった、と少々悔いている。
■俺の胃袋がさすらっている(井之頭五郎・談)
さて、本題の食事へ移りたい。
中東料理といえば、やはり「羊肉」。
この店ももちろん「羊・オン・ステージ」といった様相を呈しており、めくるめく羊肉ワールドが広がっていた。
赤く囲っているものは、注文したもの。
このページ以外にも、色々と面白いメニューがあるのでぜひ訪問していただきたい。
以降、注文した料理を順にご紹介。
カバブ(五郎オーダー)
言わずとしれた、羊肉の串焼き。
メニューでは「羊肉の鉄串炭火焼アフガニー」と紹介されており、カバブの認知度が高まりつつある今、解説によって混乱が生じている感がある。
アフガニーってなんだろうか、と思っていたのだが
オーソドックスなカバブそのものであった。うまい。
そして「オニオンスライス」を敷くセンスに脱帽である。
串焼きは串のまま食べたい派閥に属して早30年弱だが、こればかりは、肉を串から外してオニオンスライスと同時に口に運ぶことをおすすめしたい。
ムルグ/コフタ(五郎オーダー)
カバブがおいしかったので、残る2種の串も注文。
角ばっているのが、鶏肉の串焼きである「ムルグ」。
丸いのが「コフタ」で、羊肉のつくねのようなものだ。
コフタはカバブに比べて羊感(要は匂い)が強い。
いずれもとてもおいしいが、写真で見るほどは大ぶりではないので、たくさん食べたい方は1人1本で注文してみてもよいだろう。
アフガンマントウ(手作り皮の羊肉蒸し餃子)
代々木のアフリカ料理店「ひつじや」でも「羊肉の水餃子」を食べたことを思い出す。
初台のウイグル料理店「シルクロード・タリム」でも肉まんなどがあった。
羊肉文化圏は、羊と粉モンを一緒に食べることが好きなのだろう。
素朴な、現地スタイル(かどうかは不明)の皿に乗せられてやってきたアフガンマントウ。
モチモチで食べごたえのある皮に大満足!
中に入っている羊の挽肉もおいしい。
上述の「コフタ」がややパワフルな香りを発していたので、同じ挽き羊肉系として心配だったが、まったく気にならない。
アフガニスタン料理には外せないヨーグルトソースが効いているのかもしれない。
※ご参考:過去に訪れた羊肉提供店
ラグマン(五郎オーダー)
大食漢の五郎が、散々食べたあとで〆にオーダーしていたのがこれ。
羊挽肉とトマトとシシトウの胡麻タレ和え麺、と紹介されている。
もちもちと弾力のある太めの麺に、スパイス(辛さはない)が効いたソース、そしてパクチーが混ざり合って、食べごたえ抜群。
トマトの切り方がごろっと大きいこともうれしい。
あまりにもこのタレがおいしいので・・・
ナン(五郎オーダー)
ナンをオーダー。
ラグマンのソースに浸して食べてやる!
メニューに「草履型の平パン」と紹介されている通り、一般的に思い起こされる「ナン像」とは一線を画す。
あんなにふわふわしていないし、バターもかかっていない。そしてなによりも、固くて、
立つ。
全粒粉で作られているようで、そのまま食べてもほんのりと甘く、とてもおいしい。
いろいろ食べたが、ナンが1番おいしかったと断言したいほど、おいしい。(おかわりした)
五郎もドラマ内で気に入っており、
「立つ、ナン」
「ナンにでも、ナン。オールマイティ」
と胸中で叫んでいたので、そのオールマイティぶりを体感したく、ラグマンのソースだけではなく
麺も、ナンとともに食べてみた。
・・・オールマイティではないな、と思う。
※「焼きそばパンは、焼きそばとパン各々のおいしさを味わいたい派閥」にも所属中
カラヒィ・羊(五郎オーダー)
この店のメインディッシュは「孤独のグルメ」内で五郎も食べていた「カラヒィ」。
メニューの解説によれば
アフガニスタン、パキスタンにまたがる地域で使われる丸い鉄鍋をカラヒィと呼び、この鍋で炒めたり、煮たり、蒸したり、揚げたりと自在に調理します。
とのこと。
調理器具がメニュー名になるのか。
日本でいうところの「お鍋」系ネーミングスタイル。
せっかくなので、大変気に入ったナンのおかわりとともに、五郎が注文した羊肉のカラヒィを頼んだ。
おいしい!
五郎が(心の中で)
「俺の口は、世界を股にかける遊牧民だ」
「俺の胃袋がさすらっている」
と感激していたのもわか・・・らなくもない感じだ。
なんだ、口が遊牧民って。どういうことだ。
■旅のおわり
その後も自家製しょうがシロップサワーなどを嗜み、心地よい時間を過ごした。
心地よく、酒が進む席に「おトイレ」は外せない。
例に漏れず、尿も漏れず、ゆったりとトイレに入ると、そこらじゅうに貼り紙が掲出されていた。
「パオ・キャラバンサライ」だけではなく、同じビルの中にバーやペルシャ絨毯屋、ギャラリーまで開いている「PAOグループ」だが、なんと旅行代理店まで営んでいる。
しかも、大変オーソドックスな人気エリアばっかり・・・PAOグループなら秘境へ誘ってくれそうなものだが、商売に大事なのは「需要と供給」。さすがである。
それにしても、春夏号と標榜しておきながら期間が「4月~9月」とは。
席に戻ると、外にある屋台を切り盛りしている店主のおじさんが、店内のスタッフに向けて「グレープフルーツサワー!」とオーダーしていた。
丸い部分の外が、ちょうど屋台になっているのだ。
外でドリンクのオーダーを受けると、中のスタッフに伝言し、持ってきてもらうオペレーション。
店は、外も中も活気づいていた。
五郎はこの店を堪能し終えたときに、心の中でこう呟いた。
「たのしかった」と。
おいしかった、ではない。
異国料理はおいしいが、それだけではない魅力がある。
さらに続けて、五郎は一言つぶやく。
私もその言葉を引用し、この度のレポートを終えたい。
「さすらい、終了」。
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キャラヴァンサライ包 (キャラヴァンサライパオ) - 東中野/西アジア料理(その他) [食べログ]
■余談
外の屋台と中がつながっているということは上述の通り。
外でオーダーがあるたびに、スパーン!と小さな窓が開くさまを眺めていると、「ごっつええ感じ」の「しょうた」を思い出してしまい、ひとり愉快な気持ちに・・・。
(あのコントほど、スパーン!とはならないが)
ごっつのDVDはいろいろ出ているものの、「しょうた」は下記の巻にしか収録されていない模様。
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