『グッドバイブス ご機嫌な仕事』は2019年2月に出版された倉園佳三さんのご著書です。
1年の多くの時間を主婦として過ごしている私はすぐに「私は働いていない、ただの穀潰しだ」なんてことを思っていじけてしまうのですが、本書を読むと「仕事」という概念の枠が広がります。
そして、なんの仕事をしているかなんかよりも、
「不機嫌ではない状態」でいることが、人生においていかに大切か!
……を、あらためて感じました。
要点を図解してみましたので、もしご興味を持たれたら、実際に書籍を手にとってみてください。電子書籍版、Audible版もあります。
- 「グッドバイブス」が意味するものとは?
- 不機嫌の原因は「事象」ではなく自分自身の「負の妄想」
- 負の妄想から逃れるための第一歩は「不機嫌な自分に気付く」こと
- 「グッドバイブス」とは「not バッドバイブス」のこと
- 『グッドバイブス ご機嫌な仕事』書籍情報
「グッドバイブス」が意味するものとは?
グッドバイブスとは「いい感じ」の自分によって発せられる波です。
音叉で音が広がっていくかのように、自分が「いい感じ」だと周囲も「いい感じ」になると説かれています。
「いい感じ」の人が集まると、つまらない打ち合わせもそれほど嫌ではなくなった記憶があります。
かつての職場でいつも「いい感じ」の方がいらっしゃり、その人と同じチームになったときの案件は、打ち合わせが毎度楽しみなくらいでした。予算は全然ないのに、不思議とおもしろいアイデアが浮かんだものです。
ではその「いい感じ」とは具体的にはどういうことを指すのでしょう?
「超ご機嫌」な状態を「いい感じ」と呼ぶのではない、というのがポイントです。
ご機嫌なのはいいことですが、それは「舞い上がっている」「浮かれている」とも称することができるでしょう。
「いい感じ」を正しく表現すると「不機嫌ではない状態」です。上の図では「フラットな状態」と呼んでみました。
倉園さんは書籍のなかで「不機嫌」を「恐れや不安がある状態」と書かれていました。
恐れや不安の原因を取り除けば、不機嫌から解放されるということになります。
不機嫌の原因は「事象」ではなく自分自身の「負の妄想」
では「不機嫌になるとき」の例として、「大事な予定があるのに電車が止まってしまったシーン」を考えてみましょう。
大事な予定が控えているのです。そのためにちゃんと路線情報を確認して、的確な時間に家を出てきました。なのに電車が止まるなんて!
イライラすること間違いなしです。
この不機嫌の原因は「電車が止まった」という事象ではありません。
「大事な予定があるのに電車が止まってしまった、どうしよう」という不安と恐れからくる「ネガティブな妄想」すなわち「意味づけ」が原因なのです。
「大遅刻してしまうんじゃないか?」「怒られるんじゃないか?」それを想像して不機嫌になる。走り出したら止まらない憂鬱スパイラルです。
しかしその憂鬱を引き起こす事象は、実はまだ起こっていません。
もしかしたら間に合ってしまうかもしれないし、先方も予定がパツパツで「リスケ大歓迎」状態かもしれません。憂鬱になるだけ損というものです。
負の妄想から逃れるための第一歩は「不機嫌な自分に気付く」こと
そんな「意味づけ」をしてしまう自分から卒業するための第一歩は、「不機嫌になったら、まずはそのことに気づくようにする」ことです。
自分がどういう意味づけをして不機嫌(恐れ・不安)の状態に陥ってしまったのかを考えましょう。
本当にその不機嫌を手放したいなら、「自分がいま抱えている意味づけは間違っている!」と認め、自覚します。
そしてそれまで抱えていた負の意味付けを手放す代わりに、目の前にある現象(不機嫌のきっかけになった出来事や対人関係など)には本当はどんな意味があるのかを考え始めます。
大事なのは目の前の現象に本当はどんな意味があるのかを「考え始める」こと。答えはどうでもいいのです。
意味を見つけるために、現象に興味を持つ。そこに恐れや不安はありません。すなわち、考え始めるだけで「いい感じ」は達成されているのです。
すぐに「不機嫌になりがちな自分」から卒業できるはずもありませんので、筋トレのように、上記サイクルを日々繰り返して練習していくしかありません。
「グッドバイブス」とは「not バッドバイブス」のこと
「いい感じ」という言葉にはポジティブなイメージが伴いますが、実は本書で書かれている「グッドバイブス」とは、「not バッドバイブス」、つまり「よくなくない感じ」ということなのだと思います。
恐れ、不安にとらわれなければ、「よくなくない感じ」でいられる。
敵は「恐れと不安」だけなのです。無理に元気いっぱいでいる必要なんてありません。ポジティブシンキングを自分に強いる必要もありません。
それがわかっていても、私がまさにそうですが、恐れや不安、不機嫌な状態にすぐに陥ってしまいます。
人は、なんの得もないことを率先してやるような生き物ではないはずです。不機嫌な状態にメリットがあるのです。
例えば……
- 不機嫌にしていれば、話しかけられない。だから時間が奪われない。
- 不機嫌にしていれば、相手への不満を声に出さずに示せる。
- 不機嫌にしていれば、相手を怒鳴って、大声を出してスッキリできる。
- 不機嫌にしていれば、相手に気を遣ってもらえる。
どれも「本当にその狙いどおりになるか、わからなくない?」とツッコミたくなることばかりですが、きっとこのメリットを享受したい瞬間というのがあるのです。だから不機嫌でいることをやめられない。
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「いい感じ」でいるためにいちばん必要なのは、「不機嫌でいることのメリットを手放すこと」だと思いました。
前述のトレーニング、最初のステップは「不機嫌な自分に気付く」でした。最初かつ最大の難所なのではないでしょうか。
負の感情が湧いてきたら、自分が何を求めているかを自問するクセをつけられるといいのかもしれません。
「どうしてイライラしているの? 本当はどうしたいの?」
「みんなにプロジェクトに協力してほしいの。協力しなきゃって思ってほしいの」
「イライラしていたら察してくれるだろうと思ったんだね。でも、察してもらうよりも、具体的に何をしてほしいか伝えたほうが早くない?」
なんてやりとりが、自分の中でできるようになったらいいなあ。
『グッドバイブス ご機嫌な仕事』書籍情報
Kindle版も発売されているので、PCやスマホでも読めます。
聞く読書「Audible」版もありますよ!
いずれも上記のAmazonリンクからご覧ください。
▼こちらにKindle版の読み方をまとめています
著者の倉園佳三さんは、心理学ジャーナリストの佐々木正悟さんといっしょに「グッドバイブスファクトリー」というオンラインコミュニティも運営されています。
コミュニティ会員は24時間365日、Facebookグループを通じて倉園さん佐々木さんに公開質問をしほうだい!
信じられないくらい丁寧なアドバイスをいただけて、会員限定の動画コンテンツが毎週配信されて、月1回オンライン相談会に参加できて、その他各種特典あって月2,000円はコスパ抜群です(笑)
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下記動画で紹介しているお悩みは「気にくわない人は嫌いなままにしておきたいと思う自分がいます。この感情をどう扱えばいいでしょうか?」です。相談主は私じゃありませんよ!!
個人的には『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』の併読もおすすめします。自分とうまくコミュニケーションが取れれば、他人とも円滑に対話できるようになるに違いない。