秋葉原駅の昭和通り口が最寄り、昭和通り沿いの地下にある小さな焼き鳥居酒屋さん。「九」と書いて「いちじく」と読む。「春夏冬」と書いて「あきない」と読ませるのと同じパターン。こういうの、好きです。
ランチタイムも営業しているので、訪問当日の日中に電話して予約をした。
焼き場・調理場の向かいにあるカウンター席と、小さなテーブル席のみの小さなお店は常連さんたちで満員。予約をしておいてよかった。
飲み物は中生600円、ホッピーセット650円などいろいろ。手書きのお品書きには大きく「お通し 400円」と記載されていて安心感を抱いた。
ホッピーセットで乾杯。
お通しは大根おろしと、薬味がめいっぱい乗った冷奴。見た目だけで涼やか。夏だなあ。
写真を撮ってブログに書いてもいいですか、と尋ねると
「いいけど、あんまりきれいな見た目じゃないよ」
とご主人。旨いもんはたいてい茶色いと教わりながら、32年間生きてまいりました。もはやご主人の返答は安心と信頼のコメントでしかない。
とか言いつつ、前菜代わりにお願いした「パクチーだれ蒸し鶏(580円)」の鮮やかなグリーンと鶏の淡いピンクにグッとくる。シャッターチャンス!
エスニック料理な見た目に反して、焼き鳥居酒屋さんの安定した味わい。
焼き鳥の盛り合わせは5種で780円。
手前から、ねぎま、つくね、レバー、砂肝、いちばん奥はももだったかな。すべて塩味でいただいた。女2人での訪問だったが、ともに食を愛する者同士「串に刺さった状態のまま、食べましょう」とパクパク。レバーとつくねをいただいた。
創業何年なのだろう。それなりの歴史が刻まれていることを感じさせる店内を、ご主人と(おそらく)奥様、そしてお嬢さんが、和やかに手際よく切り盛りされていた。この雰囲気に包まれていただく焼き鳥は、じっくりと味わいたくなる。雑にバクバク、空腹を満たすために食べてしまうのはもったいない。
やさしさが外観に滲み出ている「仙台麩の玉子とじ(600円)」。麩×玉子×みつば、アキバの地で輝く癒し系アイドルユニット。
仙台麩、すなわち「あぶら麩」。油で揚げられたことで外側は茶色く固くなっている。これが水分を吸ったときの食感がよいのだ。まんなかの白いところはふわふわと、外側の茶色いところはシギシギと。仙台麩、家でも食べたいなと思った。
テーブル席では常連のおじさまたちが穏やかに宴会を開いており、21時前には「また来るね」と口々にしながら店を出ていった。見送るお店の皆さんの表情はやさしく、初めて来た私にも「ああ、いいお店なのだな」ということがしみじみと伝わってきた。
お酒を2人で2杯ずつ飲み、ひとり2,600円くらい。
平日のみの営業だが、日中のランチメニューもいつかいただいてみたい。