言いたいことやまやまです

仕事をやめ、誇りを持って主婦として生きることにした1985年生まれ。金儲け臭ゼロのブログで生きざまを書き綴っています。お金はいつでもほしい。

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悩みなんてOver The Rainbow!「キンプリ」応援上映のヒーリング効果がやばかった

「キンプリはいいぞ」。

「キンプリ」とは、今年1月から5月7日現在に至るまでロングラン上映されつづけている劇場版アニメ『KING OF PRISM by PrettyRhythm』のこと。

SNSでの盛り上がりはWEBニュースに取り上げられ、さらに大きなムーブメントになってTVでも紹介され…当初は興収3,000万と見込まれていたものの、3月時点で3億円を突破してしまった、レジェンド映画なのである。

ファンの声に応えて応えて応えて、のロングラン上映もさすがにそろそろ終了するのだろうか。上映館はずいぶん少なくなったようである。(6月にはブルーレイ&DVDも発売されるのだから、当然か)

kinpri.com

 「キンプリ」は2013年4月から1年間放送された女児向けTVアニメーション『プリティーリズム・レインボーライブ』のスピンオフ作品である。「プリティーリズム」は女の子のアイドルたちの成長を描く物語だが、サブキャラクターとして男性アイドルキャラも登場する。彼らにスポットを当てたのが「キンプリ」なのだ。

大きな話題となったきっかけは、本来であれば「お静かに」な場所である映画館において、声出しOK、サイリウム振り回しOK、コスプレOKと、アイドルコンサートのライブビューイングのような形で作品を鑑賞できる「応援上映」なる上映スタイル。

これに魅了された人々がTwitter等で発信した言葉こそが「キンプリはいいぞ」だ。
コンサートのライブビューイングが映画館で行われるようになって久しい今、この「応援上映」だけがここまで盛り上がっているのはなぜなのだろう。

事前知識ゼロで乗り込んできた

そんなにすごいんだったら、ちょっと観てみようか。
そう思い立ったのは遅ればせながら3月末のこと。
公開されてから2か月も経っているからと気楽に構えていたら、あまりの人気ぶりに新宿バルト9のチケットが取れないという事態に…。

仕方なく、少し遠方の会場に足を運ぶことにした。
ここまでして鑑賞するなら、声を出して参加しないと勿体ない。
サイリウムをぶんぶん振り回さないと味気ない。
コンサートのサビのところで、演者さんが客席にマイクを向けたとたんニヤニヤして照れるようではダメなのだ!我を忘れろ!郷に入っては郷に従え!瞳のレーザービーム!それもまた「郷」!

…というわけで、気合いを入れるべく、駅前の王将で準備運動。餃子とハイボールを投入だ。それじゃ口臭的に声を出さないほうがいいような気がするが、もう知らん。元気いっぱい。おかまいなしだ。100円ショップで簡易サイリウムも入手し、準備万端でデビュー戦に臨んだのである。

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※何色がいいのかわからなかったので、カラ松ブルーと十四松イエロー(おそ松さん)。

バカバカしさが突き抜けている

上映されるやいなや「週替わりメッセージ」という画面になり、作中の男性アイドルのひとりが映し出された。
なにしろこちらは事前知識ゼロなのだ。はじめましてである。
しかしそんな私をよそに、会場全体は「キャー!」。

こ、これが噂の「プリズムの煌めき」なのか?そうなのか?アウェイ戦の洗礼を受けつつ、そのままオープニングソングへ。

男性アイドルたちがもりもり登場し、人間とは思えぬスピンやジャンプを決めながら歌って踊り、隙あらば投げキッス。果ては分身の術。最初からクライマックス。
このコンサートに観客として来ていた主人公(シンくん)は、その魅力に圧倒されるあまり服が透けてすっぽんぽんに…おおお、いま私、洗礼受け続けてる…。

笑いがこらえきれないやら、戸惑いを隠せないやら、この気持ちをどう表現したらいいのだ。どういう顔をしたらいいかわからないときは、笑えばいいと思うよと育てられてきた世代なんだ。だから笑っておく。

そこにダメ押しのように映し出されたのは、なんと字幕である。
これがもう唐突で、男性アイドルと顔が真っ黒の女性が自転車の2人乗りをしている場面でのひとコマなのである。
顔が真っ黒なのは「ここにあなたの顔を(脳内で)入れてください」ということであり、字幕は男性アイドルとのデート(?)中という想定での言葉。
カラオケのように文字色が変わるでもないのに、みんな息を合わせて字幕をなぞって声をあげる。

「「「はい、ソフトクリーム!」」」

ええいままよと、餃子のニンニクパワーに乗せて私も会場一同とともに発声する。あれ、意外と楽しいぞ。いま乗り越えたのが、かの有名な「バカの壁」だったのでは…(違う)。

こんなのは全然序の口といったところで、そのあともダンスバトル中に突然天から剣が出てきたり、それを強靭な腹筋(シックスパック)で受け止めたり、アイドルグループの解散がライブ中に発表されたかと思うと銀河鉄道999ばりの列車がお迎えに参上したり(彼は機械の身体になったのだろうか)、芸能事務所の社長が仮面をつけてビル屋上の露天風呂に浸かりながら新人アイドルをうっとり眺めたり、もっと列記したいけれど言い切れない!!

誰も彼もあまりにも真面目にバカをやるので、もはや気持ち良くなってきてしまう。日常生活での悩みが吹っ飛んでいく。己の小ささを実感するぜ!

すごい、すごいぞ「キンプリ」!

 

あらゆる言動に声援をかける「応援マインド」

作品もすごいが、やはり「応援上映」という仕組みがすごい。
曲に合わせてサイリウムを振る程度のことだろうと想定していたのだが、そんな生ぬるいものではなかったのだ。ダンスシーン以外でも、いやむしろ本編が始まっていなくても、映画館に入ったときから「応援」は始まっている。

本編上映前に流れるCMひとつひとつにサイリウムを振り、セブンイレブンがドーナツを紹介しようものなら「おいしそう!」「食べたいよ!」と声が上がる。
いよいよ上映、ということで製作委員会各社のロゴが画面に現れると、会場に響き渡るのは「ありがとう~!」の声。

おお、これ、もしかして、すごく楽しいんじゃないか?

主人公が先輩アイドルメンバーに名を名乗ろうものなら「いい名前!」、ハイッと威勢のいい返事をすれば「いい返事!」、涙を流すキャラクターがいれば「泣かないで!」、自分はだめだと悩みを吐露するキャラには「そんなことないよ!」。

「応援」というフィルタをかけて目と耳を研ぎ澄ませ、応援できそうな隙があらば、すかさず声をあげる。

前述の宣伝CMも然りだ。(恐縮ながら)ちょっと鬱陶しくも感じる上映前CMも、「応援できるツッコミポイントを探す」という姿勢で臨んだ途端、おもしろくなる不思議。

そんなこんなで鑑賞しつづけ、最後のエンドロールまで応援マインドに溢れているのだが、最後に監督の名前が映し出されたときはグッと来てしまった。
映った瞬間、会場が「ありがとう!!」の声で満たされるのだ。

通常の映画上映というと、エンドロールになると席を立つ人がちらほら。海外では席を立つ人の方が多いとも聞いたことがある。
だが、ひとときの幸せな時間を創り出してくれた製作スタッフさんたちへの感謝の気持ちを持ちながらエンドロールを見るというのもいいものだ。

監督をはじめ、スタッフの皆さん本当にありがとう、である。
その気持ちが声になって実体化するって、とてもいい。

プリズムは現場で煌めいている!みんなで作り上げる一体感

「ニコニコ動画」をはじめ、みんなでツッコミを入れながらコンテンツを楽しむ、というスタイルはすでに定着しており、目新しいことではない。
応援上映の違うところは、映画館という小さな箱のなかにみんなが集まり、サイリウムや声で創り上げていくライブ感なのだ。

その上映回を生かすも殺すも、そこにいるメンバー次第。

既に4ヶ月ほど上映しているわけで、応援の言葉や、合いの手をかけるタイミングが決まってきてしまったものもある。当然ながら初回は声を合わせることができなかったのだが、秀逸な応援ワードも数多く、「私もみんなと一緒に言いたい!」という悔しさがこみ上げたほど。

そして、統率力のとれた掛け声だけがすべてではない、というのもおもしろい。
自分自身が「ここを応援したい」と思えば、好きに声をかけていいのだ。

私が参加した上映会では、公園のようなところで先輩アイドルたちが主人公を出迎えるシーンで、近くにいた女性が「靴下履いてー!」とひとりで声をあげていた。会場はどっと笑い、これはさぞかし発言主も心地よかろうなと羨ましくなってしまった。

和を乱した参加者を敵視するどころか、笑い声で称賛。すごくいい空間だ。

悩む暇があるくらいなら、とりあえず「キンプリ」しとけ

バカになる。
すべてを「応援しよう」という視線で追いかける。
会場の一体感に身を委ねる。

初見だったにもかかわらず、1時間ちょっとの上映後、私の心は高揚していた。公私の悩みなんてすっかり忘れていた。

1時間ほどの映画に1,600円とは少々高い気もしていたが、このそこはかとないエネルギーを分けてもらえるのだと思うと、もはや高いとも思わぬ。プライスレス。
なかでもとりわけすばらしいと感じたのは「応援できる隙を能動的に探して声をかける」こと。すなわち応援マインド。

この視点をすべての人が有していれば、世の中はもっとよくなるんじゃないか…なんて、大それたことまで考えてしまった。

いや、だって、例えば道を歩いていて、前を行く人たちがGメンよろしく横に広がってチンタラ歩いていてイライラ、なんてことはよくある(私だけか?)と思うのだが、応援マインドで見てみればどうだ。
前方を行く人のカバンに目をやり「そのカバンかわいいね!」とか、減りきった靴底を見て「ミスターミニット行った方がいいよ!」とか、思えてきそうである(これは応援なのか?)。ほらイライラしなくなってくる。

世の中にというか、私に足りないのは応援マインドだったんだな…。

嫌なことがあったとき、とにかく悲しいとき、なにかネガティブなオーラに包まれていると感じたら、駆け込み寺だと思ってキンプリ応援上映に行ってみてほしい。人によっては、カウンセリングルームや心療内科以上に効果を発揮する場所かもしれない。

けど、都内では新宿のバルト9くらいしか上映していなさそう…しかも深夜か早朝。

https://www.instagram.com/p/BFFzPLehyiW/

キンプリ応援上映が早朝だったもんで、サイリウムが用意できず、とりあえず家にあった振り回せそうな手頃な棒を持って行きました。

というわけでこれは、ブルーレイかDVDを買うしかないでしょう。初回生産特装版だって12,960円!Amazonなら9,638円(5月7日現在)!安いもんだぜ!

劇場版KING OF PRISM by PrettyRhythm 初回生産特装版Blu-ray Disc

劇場版KING OF PRISM by PrettyRhythm 初回生産特装版Blu-ray Disc

 

この作品をタツノコプロさんが制作しているんだから、すごいよなァ。かっこいい。
うーん、ブルーレイ買っちゃおうかな~(これだけ勧めおきながらいまだ予約していないことを白状します)。

※あ、100円ショップのサイリウムでは飽き足らず、ついに「キンブレ(的なもの)」買いました。1,600円と激安でしたよ。