※記事公開日:2017年9月11日
手土産を渡すとき、「つまらないものですが」なんて絶対に言いたくない。うまいのかかわいいのかオモロイのか……とにかく、つまらなくない、心に残る品を差し出したいものである。
そんなニーズに応えてくれるのが、新橋から御成門方面に向かう途中にある「新正堂(しんしょうどう)」さんだ。
かつてフリーペーパー「R25」が一世を風靡していたころに「R25 お詫びの品ランキング」で1位を獲得。大正元年創業のこちらのお店は多くの人に愛され続けており、私が訪れた日も取材が入っていた。
サラリーマンのためにある和菓子店と言っても過言ではない
新正堂さんの和菓子にはどれも「うんちく」がつきまとう。
人気の営業セット(写真参照)がなぜ「営業セット」という名称なのかといえば、その箱にスポリとおさまっているのが「切腹最中」と「景気上昇最中」だからだ。
切腹最中を食べてみた
自分用に初めて「切腹最中」(ひとつ200円)を買ってみた。プラケースをぐるりと覆う「うんちく帯」がすごい。
なにゆえ切腹か、という話がとうとうと語られている。それによれば新正堂さんは「忠臣蔵」の田村右京太夫屋敷跡=浅野内匠頭の切腹場所に所在しており、それをご縁に「切腹最中」が生まれたことがわかる。
最中からはみ出すたっぷりのあんこ。割腹して飛び出す内蔵を思わせる……なんて書いていいんだろうか。
刀の鍔を思わせる形がかわいい。
ガブリと食らいつけば、真ん中に求肥!これは、腹の脂肪を表現しているんだろうか……。
サクッ、シトッ、モチッ、という3種類の食感が楽しい。求肥のおかげか、餡はそれなりに甘いのにむしゃむしゃいただけてしまう。
景気上昇最中を食べてみた
「営業セット」という箱のなかで「切腹最中」の相方を務めているのが「景気上昇最中」(1個165円)だ。
こちらにも、うんちくシート。
これによれば、
日本経済を応援するべく縁起の良い「小判型」をしており、このなかにぎっしり詰められたこしあんには黒糖が含まれているのだという。なぜ黒糖かって、”黒”字化を願っているから……。
こちらは私には少々甘すぎるように感じたので、
牛乳に入れた。
牛乳が冷たいまま入れてしまったので、ふやけ具合に不満足。ホットミルクにするべきだった。しかし甘さが中和されてほどよいお味に。ちなみに甘党の父に与えてみたら、「おやじ(彼の一人称である)が好きな甘さのあんこだったな!」とのことでした。
桜シーズン限定!「桜切腹最中」を食べてみた(2018年3月20日追記)
3月から4月上旬ごろまでの「桜シーズン」限定で、桜の塩漬けをまとった「桜切腹最中(230円)」を発売中。
商品ラベルには桜の花びらのプリントが。桜のピンクが鮮やかで、シンプルな切腹最中がグッと華やかに。卒業・入学・新生活のちょっとしたネタにぴったり。
あんぱんの桜の塩漬けがどうにも苦手だったけれど、モナカと、あんこと、求肥と、桜を一緒に食べたらとてもおいしかった。この甘じょっぱさを「ウマイ」と思えてしまったということは、味覚がババアに大人になったということだろうか。
通常の切腹最中よりも生産個数が少ないとのことで、確実に購入したいという方は事前予約がおすすめ。終売日も明確には決まっておらず「桜が咲いているうちは販売しています」とのことだった。
新正堂さん、実は2月のバレンタインシーズンには「接吻最中」*1を発売したりとアグレッシブ。今後もシーズンごとに装いを変える切腹最中が楽しみです。
受け取ると微笑んでしまうお菓子(お店情報)
うんちく好きな新橋サラリーマンおじさんたちに差し上げたくなる「切腹最中」に「景気上昇最中」。いずれも賞味期限は1週間ほど。ほかにも新正堂さんには「出世の階段」「義士ようかん」など、心くすぐられる和菓子がずらりと揃えられている。
でも本当にやらかしてしまったときのお詫びの品は、切腹最中ではないものを選ぶだろうな……と思ったりもする。
- 店舗名:新正堂(しんしょうどう)
- 住所: 東京都港区新橋4-27-2
- 電話番号:03-3431-2512
- 営業時間:月~金 9:00~19:00/ 土 9:00~17:00(日祝定休 ※8月は土曜も休業)
- 公式サイト: http://www.shinshodoh.co.jp/
- 食べログ:https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130103/13019962/
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