「豚足弁当」で辛い想いをした過去も、時間が経ってみればいい思い出。秋の到来とともに「豚弁当」が恋しくなり、毎度お世話になっている「肉のハナマサ」で新たな豚素材を入手したので弁当として会社に持ち込んでみた。
その名も「とんぴ」。豚の尾である。
既にボイルされているのでそのままいただくこともできる(”唐辛子味噌”なる調味料がパックに内包されている)が、豚足然り、温めることによって豚のプルルンコラーゲンぶりが全力で発揮されるのだ。
会社に用意されている環境は「電子レンジ」「お湯」のみ。
弁当箱代わりに持ってきた大きめのジップロックコンテナにお湯を注いでいく。パックごと湯せんにかけてやろうという魂胆である。
わかっていたけれど、パックが入らない。
左側がある程度温まったところで、パックの右側を湯に浸す。
全体がほんわり温まり、冷蔵庫から取り出した当初はバキバキの板状態だったパックが柔らかくなってきた。よし、この勢いでぎゅっと曲げて湯に浸しきってしまおう!
ぎゅ!
机がビッシャビシャに。
ジップロックコンテナから湯があふれ出てしまったのだ。会議室、貸し切りにしておいてよかった。大慌てで拭き掃除。虚しさが込み上げてくるのは、きっと気のせい。
拭き掃除をする傍らで、とんぴにはこの態勢でお湯に浸かっていただいた。
「おい、やまろう!」
なんですか、とんぴの父さん。やままは拭き掃除でいっぱいいっぱいです。
拭き掃除も無事完了、すがすがしい気持ちで十分に温まったとんぴパックを開封。
豚の尻尾を輪切りにすると、こんな断面になるのか……。豚の脂がキラキラと輝いている。必死に温めた甲斐があったというもの!
付属の唐辛子味噌をジップロックコンテナの蓋にあけて、いただきます。味噌の袋が脂でヌルンヌルンで全く開けられず、この写真の裏では秘かな苦労があったことを書き記さずにはいられない。
真ん中は骨なので食べられないが、その間際の小さな丸が並んでいるところまでは食べられる。とにかくヌルっとしているので、割り箸必須。プラスチック製の、すべり止めがない箸だと「手先が器用選手権」状態になるので注意してほしい。
噛むとこんな。味わいは豚足とほぼ同じで、筋がなく、骨の入り方が均一なので食べやすいという魅力もある。
結論、「とんぴ弁当、とてもいい」。
これは第2回、3回もありそうだなあ。ただ、骨を終始プッププップとスイカの種を吹き出すようにし続けなければならないので、ひとりぼっち会議室メシとしてしか食べられそうにないけれど……。