銀座コリドー街にある焼き鳥屋さん、「鳥よし」。
大行列が出来ている「美登利寿司」に目を奪われるが、鳥よしさんはその数軒右隣にある大人なお店。本店は中目黒だ。
口コミサイトには「寿司屋のように焼き鳥を出してくれる店」というコメントが寄せられていた。
お店に入るとなるほど、中央に構えられた白木の大きなコの字カウンター席が印象的。
お寿司屋さんのような清潔感のある落ち着いた店内は、大人なお客さんたちの心地よい賑やかさがあった。
まかせて、いいのか?
この日は会社の、いや、人生の先輩方との訪問。
4名での訪問だったので、カウンターではなく、その脇にあるテーブル席へ。
メニューを開くと、食べ物の値段が一切書かれていないことにびっくりしてしまう。
これ・・・高いやつだ・・・。
「お店の采配で串焼きを出してもらい、食べきれなくなったらストップ宣言」のスタイル、すなわち「おまかせ」を勧められたのだが、本当にまかせていいのか。「おまえのオールをまかせるな」とTOKIOの長瀬くんも言っていたじゃないか(宙船)。そろばんをはじきながらこちらでセレクトしたほうがよいのではないか。
うーん・・・と悩みつつも、最終的には「おまかせ」をオーダー。「値段が書かれていない=時価」なんじゃないかと焦ったが、あとあと調べてみれば、串は1本200円~400円ほどだった。
「おまかせ」には臓物も含まれるので、苦手な方がいる場合は「おこのみ」で好きなものをお願いしたほうがよいだろう。そして己の欲求のままに、別途「出汁巻き玉子」「手羽元唐揚げ」をお願いしたことも記しておく。
勝手に「目を見張るおいしさだったで賞 」発表
と、その前にお通しの漬物と大根おろしをご紹介したい。
お通しの漬物といえば、醤油皿サイズの小皿にちんまりと乗せられているイメージ。それはそれで好ましい佇まいだが、こちらのお店では立派な器に盛られたお漬物がいただける。うれしい。さらに大根おろしまで。卵の黄身(うずらだろうか?小さかった気がする)が落とされていた。大好物。
▲ちょっと混ぜちゃったし食べちゃったけど、こんな感じです
テンションが上がっておかしくないはずだが、「これで、いくらなんだろう」というケチマインドが邪魔して手放しに喜べないのが悔しい・・・。いや、おいしいもののためにはケチケチしないぞ!
※食べログを見たら700円でした。もっと味わえばよかった。
さて、全部おいしかったのだが、そのなかでも忘れられない品々を「目を見張るおいしさだったで賞」としてご紹介。
黄金色の出汁巻き卵
▲食べかけ
調子に乗って注文してしまったが、後ほど調べてみたところ、な、なんと、1,000円であった(ぐるなび情報)。対面している際には価格など露知らず。
それでも、ふわっふわで熱々なやさしい黄色、いや、黄金色の卵焼きが降臨したときには神々しさを感じたものである。絶妙な「神」感を演出する湯気に、幼少時に観た紅白出演演歌歌手のドライアイスを想うのだった。(あの姿に神様感を感じていたなァ)
そういうわけで色々と心奪われ、撮影する余裕などなかったのである。とにかく食べたい。その一心で、「みんな平等」と唱えながらピースフルな4等分カットに勤しんだ。
やや私の分け前を多くしつつ、それを悟られないようにするというのは大変な技術を要する。手先・口先・箸さばき。トークで客の意識を別のところに集中させつつ、手先に魔法をかける・・・ これがハンドパワーです。
金の粒、ぎんなん
▲食べかけです
柔らかくて、香りがよくて、なにしろ甘い!その三重奏に感激するとともに、このぎんなんが節分豆と等価だったらよかったのに、と憂いてしまう。
そうしたら、この「美味の金の粒」をポリポリとたくさん食べられたのになあ。少なくとも年齢分(30粒)くらい。しかし食べ過ぎると中毒症状になるそうなので、あまり安すぎてもいけないのだろう。鬼は外、病も外。
軟骨に骨抜き
軟骨(かっぱ)といえば、「ま、骨だからね・・・」と思いながら、口の中でボリボリ、ゴリゴリと咀嚼音を響かせていただくもの。しかし、こちらでいただいた軟骨のジューシーさといったら!
身が多めについているのがいいのか? とにかく、肉汁を感じる。
黄色い実はじけた!名物「ちょうちん」
ちょうちんとは、
「コブクロ(子宮)を焼いた串の先に半熟のキンカン(鶏の腹卵)がちょうちんのようにぶらさがっている一品」
(出典:鳥よし|さとなおのおいしい店リスト)
キンカンを噛むと、プチッと皮が破れて中身がとろり。うまくないわけがない。
1串400円。コップのフチ子さん2人分。それでもいただきたくなる気持ちがわかる、「目を見張るおいしさだったで賞」グランプリ串だった。
その他画像特集
何も言わず、ご覧ください。
※砂肝となにか(かしわ?)
※なにか(ぼんじり?)
※うす造り(鶏の胸肉を塩とお酢でしめたもの)
※お店のお姉さんは「しめ鯖の鶏バージョン」的な紹介をしてくれた。なるほど
※手羽元のから揚げ
※軟骨までぼりぼりといただきました。ししとうも含めておいしかった
「おいしかった」以外の記憶がない
とにかくおいしかったのだが、大好きな先輩方に久々に会えたこと、いろんなことが話せたことがうれしくて、いかにおいしかったか、という細かな記憶が薄いのだ。会話の内容は胸に深く刻み込まれているのに、どうしてこう、雑に味わってしまったんだ!もったいない!と、ちょっと後悔。(酔っぱらっていたので、会話の内容の記憶なるものの正確性も怪しいが)
でも本当は、「おいしかった」しか覚えていられないような食事会ができることが、いちばんの幸せなのかもしれないなあ。
そして、鳥よしさんがおいしく素敵なお店だからこそ、幸せな時間を生む「縁の下の力持ち」になってくれたのだろう。
とはいえ、いかにおいしかったか、お店の雰囲気も含めてじっくりと味わい直したい。
1人で、もしくは会話がなくても焦らないような仲の知人と、改めてお邪魔したい限りである。
お店情報
7時までの入店でないと予約ができないので、ご注意を。