今月アタマ、はてなブックマークで人気になっていた下記リンクの記事(いまだにナチュラルに”ホッテントリ”と書けないし言えないのが悩み。そりゃもう”忖度”ばりに…)。
「いつも傷つく…」行動パターンを分析して悪習慣を断とう - ココロクエスト~レベルアップ心理学~
自意識過剰、勝手に傷ついて悲劇のヒロインになる傾向がある私、タイトルで心つかまれて拝読するに至る。「いつも傷つく」の見出しにグッときた。
「これをやっちゃう」と「いつも失敗する」ということを認識するのです。
(中略)
いつもの行動パターンになりそうなときは、いつもと違う行動パターンを意識的に取るようにしましょう。それが悪習慣を断つ方法です。
例えば「ストレスを感じたら、暴飲暴食になってしまう」という行動パターンを断ちたいなら「ストレスを感じたら、お風呂に入って気分転換をする」など、違う行動パターンにすることです。
よくない状態に陥ったときは、その状態の原因になったものや、「こうしておけば回避できる」というアイデアをメモしておくとよいそう。ほうほう。
記事を拝読した日も、ちょっと傷つきやすい状態になっていた。原因はメールである。情けないことに、淡々としたメール文体に相対すると胸騒ぎがしてしまうのだ。
やまま 様
お世話になっております。
そうですか。
引き続きよろしくお願いします
みたいな返信とか。ここでのこわいよポイントは「そうですか。」で、句点がなかったら、もっとこわい。
若いころはこうした言葉を受け取るたびに、そりゃもうドキドキした。嫌われている、避けられている、バカだと思われている、ああああ怖いよ~、という気持ちを落ち着けるのに労力がかかった。
いまやアラサー後期。送り主に他意はないこともわかってくる。私が送った内容に対し、「そうなんだ~」と相槌を打つ感覚で「そうですか。」に至っているんだろうナ、と。
(いや、私のことが大嫌いで、返信を打つ間は私のことを考えなくてはならないからその時間がひどく嫌で、時間短縮のために敢えてそっけなくしている可能性もおおいにある。”忖度る”べきなのかもしれぬ、が、この考えは一旦脇に置いておく)
でも習慣というのは怖いもので、「他意なし」とわかっていても、その人とのメールのやりとりは通常の1.2倍くらいの時間がかかってしまう。「”そうなんだ~”って思ってるだけだから気にすんな」と心のどこかで自分に言い聞かせている。視覚では「そうですか。」という文字列をキャッチしており、そこから脊髄反射で「私のことが嫌いなのではバカだと思っているのでは」という思考が目覚めてしまっているからだ。書き出してみると、この思考回路になっていること自体がバカ丸出しだな…
視覚情報を上書きすればいい
「そうですか。」に胸騒ぎがして作業スピードが停滞する、という習慣がわかっているのであれば、そうならない方法を考えればよい。
思いついたのは、視覚情報を上書きする、という方法である。「そうですか。」という文字列を、「そうなんだ~!」と上書きする。
…というところまで考えて、「教科書上書き勉強法」に挑んでいた高校生時代を思い出した(以前からこのブログをご覧いただいている方には毎度おなじみのエピソードとなり恐縮です)。
歴史に関心がないもので、日本史も世界史も苦手だった。「流れ」が頭に入ってこないのだ。ただの暗記もの。年号は語呂合わせもあるが、人の名前や地名の暗記は地獄である。そんな私に、教科書は淡々と歴史を語ってくるのだ…うう、見下されている心地。夜中に勉強しているときに見る歴史上の人物の写真は、もれなく怖かったなあ。
この恐怖やネガティブな気持ちを上書きするために、高校生の私が冒頭の記事を読まずして辿り着いたのが「教科書上書き勉強法」である。
パソコンを立ち上げ、パソコンラックのマウスを置くところに教科書を挟み、Word(当時からWindows派)を開いてスタート。あとはひたすら、教科書に書いてあることをWordに書き写すのみ。
ただし、語尾はフレンドリーに。
たとえば
皇極天皇4年6月12日(645年7月10日)、中大兄皇子は中臣鎌足らと謀り、皇極天皇の御前で蘇我入鹿を暗殺するクーデターを起こす(乙巳の変)。
※引用元:天智天皇 - Wikipedia
という文があったならば、私が打ち込むのは
皇極天皇4年6月12日(645年7月10日)、中大兄皇子は中臣鎌足らと謀り、皇極天皇の御前で蘇我入鹿を暗殺するクーデターを起こしたんです!(乙巳の変といいます)。
といった具合。ほうら、これっぽっちでフレンドリー仕様。私に寄り沿って教えてくれている感がある。
この勉強法の効能は
・単純に、打ち込むことで覚えられる
・打ち込んでいるときに無の境地に至り、デトックスできる(タイピング・ハイ)
・作成したWordデータにわずかな需要がうまれる(とくに男子から)
あたりでしょうか。せっかく共学に通っていたのに男子恐怖症を患っていたもんだから、ノートのコピーを要請されても「パフェおごってよ~」とか、チャーミングな対価要請ができなかったんだよな…いや、パフェおごってとかいつの時代だよってかんじなのか?当時は何を求めれば勝ち組入りできたのだ?とりあえず、男性陣から「こいつ緊張してやがるな」と思われるのが恥だから、「ほらよ」みたいな、うーん、この雰囲気を書き文字で表現するのがとても難しいのだけど、姉御肌風というの?そういうかんじの言葉と声色でプリントを提供するのが精いっぱいだった。中高生時代には二度と戻りたくない。
……という話を、思い出したのでした。この要領で「淡々メール」も上書きすればよいのだろうが、さすがにもう若くはない。時間を持て余していないのでね。心の目を見開いて、Google翻訳アプリのごとく、淡々メールの語尾をハートフルに変換して読んでいきたいと思います。
Google翻訳で目の前のキーボードを撮影。「入力します」、この心意気で!