※2017年11月9日の記事を再編集したものです※
こんばんは、ベローチェの時間です。
大学生時代はほとんどキャンパス内におらず、すぐ近くにあるベローチェに籠っていたものです。シャノアール系列のお手頃価格の喫茶店なわけですが、当時私は第2外国語としてフランス語を学んでおり、店内でシャノアールと書かれた紙ナフキンを見るたびに「黒猫(chat noir)」と心の中で思っていました。
フランス語を学んでよかったことの1つは、いつでも「ムッシュ」と書けるようになったことです。monsieurです。もしもお会いする機会があったら、私に抜き打ちテストをしてやってください。間違いなく書けます。なぜなら書くとき、頭の中で「モンスィエウアー」と唱えているからです。もうこんな呪文は唱えたくないのですが、書けるようになるためにローマ字読みを開発したら忘れられなくなってしまいました。政治家のように記憶を適宜消すことができたらいいのにと思います。モンスィエウアー。シじゃなくてスィにしていることがポイントです。
メニューが一新されたベローチェはもう、俺たちのカフェではないのか?
久々に訪問したベローチェに、ふと違和感を抱いたのです。レジ上のメニュー、こんな感じだったっけ?黒くてスタイリッシュです。
昔は無駄にドリンクの写真が載っていて、その近くにイタリック体だったか、ともかくクラシカルなフォントで「プリモカフェ」なんて商品名が書き記されていた気がします。
プリモ。それはベローチェ語でした。ソフトクリームのことを指しているようで、プリモカフェはコーヒーフロート、プリモオーレはカフェオレフロートとして、ドリンクの上にキュイッとソフトクリームが鎮座していたのです。
ほかのプリモもあった気がしますが、もう覚えていません。モンスィエウアーのことは覚えているのに、皮肉なものです。
せっかくベローチェに来たのだから、ここはプリモ関連をオーダーせねば。
メニューを見やれば
プリモのフロート化という革命が起こっていたのです。
プリモ革命はいつ行われたのでしょうか。
レジ前での
「プリモカフェってなんですか」
「コーヒーフロートのことです」
「そうですか」
というやりとりはもう発生しないことになります。まことに、さみしい。
よく見てみると、フードメニューもおしゃれ極まりないのです。ホットドッグなんて「粗挽きオールポーク・ドック」が本名です。庶民の財布に寄り添う喫茶店だったはずなのに、ホットドッグが340円だなんて……いまやドトールのジャーマンドッグのほうが安いのではないでしょうか。
一気に突き放された気がしました。会いに行けるアイドルが一気にスターダムを駆け上がり、会えない存在になってしまったかのような……
いや。ベローチェはやっぱり私たちにとって身近な存在でした。上記メニューの最上部をご覧ください。「粗挽きオールポーク・ドック」とあります。「ドック」でいいんでしょうか。人間ドックの「ドック」でいいんでしょうか。このツメの甘さに私は破顔しました。ああ、まだ遠くに行っていなかった!
視線を冷蔵ケースに移せば、ぺらっぺらのピーナツバターサンドといちごジャムサンドが売られていました。1切れ100円ちょっとのやつです。これをつまんでレジに差し出すおじさんの姿を見ると、私の心はとたんに浄化されるのでした。たとえその手に競馬新聞が握られていようとも!
ちなみにベローチェのコーヒーゼリーは世界一おいしいと思っていました(最近食べていないので、過去形です)。
ベローチェで飲むならアメリカンよりブレンドを
この日は結局、ホットコーヒーを飲みました。ブレンドもアメリカンも、ともにMサイズ200円。他のチェーンよりマグカップが大きいのがうれしいのです。(ドトールのSサイズはほぼ一気飲みしてしまう)
アメリカンをオーダーしたのですが、
- アメリカンはお湯で薄める分、量が多い(ドトールの場合、そうです)
- 喉も乾いたし味の濃さより水分量を優先させたい
というのが選択理由です。人って瞬時にいろんなことを考える生き物なのだなと感心します。
そして出てきたアメリカンコーヒー。その隣には、私の直後にいらしたお客さんのブレンドコーヒーが並んでいました。
マグカップの大きさも、中の量も同じだ……!
と、なると、私は損したということじゃあないか!うおお、しまった!なにが水分多めにだ!そんな、多少のcc違いで何が変わると言うんだ!なぜ素直にブレンドと!ひとことブレンドと言えなかったんだァァァ!!!
今後ベローチェでは確実にブレンドを注文していこう、そう心に決めたのでした。というかこんな小さいことで損した得したと騒いで、私は本当にドラマチックないい人生を送っています。
ところでお気づきでしょうか。私は店頭のメニューの写真しか貼り付けておりません。ブロガーたるもの、本来ならばここでアメリカンコーヒーの写真やホットドック、ピーナツバターサンドなどの写真を載せるべきなのです。でも、食べない、載せない、それでいいと思うのです。気が向いたらまたの機会にオーダーして、撮影して、追記でもなんでもすればいい。パーフェクトなブロガーさんが多すぎる今、ブロガーレベルのインフレ化が進む今、私は低レベルにマイペースに、でも楽しくやっていきたいと思うのです。