言いたいことやまやまです

2022年2月に出産した1985年生まれの主婦です。資料作成が好き。

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2020年に閉店!? アジアNo.1レストラン、バンコク「Gaggan (ガガン)」の五感が喜ぶ25品コース【タイ旅行記2017】

「アジアのベストレストラン50」において、2015年から3年連続でNo.1の座に輝いているのがタイ・バンコクにある「Gaggan(ガガン)」。シェフ・ガガン氏はインド人で、インド料理をベースに様々な国や食材とコラボレーションした「Progressive Indian Cuisine(革新的なインド料理)」を楽しむことができる。

※参考:「アジアのベストレストラン50」2017年版リストを発表 日本からは「NARISAWA」を筆頭に計9軒がトップ50入り|プレスリリース配信サービス【@Press:アットプレス】

バンコク市内、路地に入ったところにある素敵な白い一軒家がGaggan。ちなみにこの向かいには姉妹店の「Gaa」がある。

※過去記事:アジアNo.1レストランの姉妹店!2017年4月オープンの「Gaa」14品コースを堪能【タイ旅行記2017】 - 言いたいことやまやまです

「アジアのベストレストラン50」で3年連続でトップに選ばれた今、予約待ちの時間が4カ月になることも珍しくない。毎日店に殺到する約500件の予約申し込みに対応するためだけに4人のチームが採用されたほどだ。

(中略)

しかし、シェフのガガン・アナンド氏(39)がこれに対して下した決断は、同店を閉店することだった。「すべてのレストランの寿命は10年だ」と同氏は話す。
アナンド氏は2010年にオープンした自身の店を20年に閉店する計画だ。

※引用元:アジアでナンバーワンのレストランが閉店へ-シェフは日本進出を計画 - Bloomberg

グルメの師匠が涼しい顔で「予約しておきました」と言ってのけていたが、本当ならばおいそれとは行くことができない名店なのだ。しかも今年度に入ってから閉店の予定が発表されたとあらば、なおのこと……師匠、ありがとうございます。

案内された2階のコの字型のカウンター席は「アリーナ席」と言っても差支えないだろう。スタッフの皆さんが料理の準備をしている姿を目の前で見ることができる。そこにふらっとガガン氏が訪れ、挨拶もしてくれた(写真中央がガガン氏)。

我々がいただくのは、ひとくちサイズの全25品からなる5,000バーツ(日本円換算する際は3倍を目安に……タイで15,000円はかなりの高級料理!)のコース料理。手元には謎のアイコンが並んだ紙が配られ、このヒントに沿って料理が提供される。

各料理の奇想天外な見た目、味のギャップはまさに”progressive”。料理の写真をずらっと並べればその雰囲気の一片をお伝えすることもできようが、これから訪問される予定の方に「ネタバレ!ネタバレ!」と槍で刺されたらたまらないので、「まったくグルメではない食いしん坊」視点で、特に印象に残った料理をご紹介したい。

コースは出だしからとんでもなかったのだ。KISSの「LICK IT UP」がBGMにしては大きめの音で流れ始めたかと思うと、アースカラーのペーストが盛られた平皿がそれぞれに配られたのだ。

女性シェフが「TED」よろしく、ひとつひとつの料理のプレゼンをするのが印象的。

この日ほど、英語が一切できない自分を恨んだことはない。

唯一わかったのはプレゼンのいちばん最後の一言、”Enjoy!”のみ。またその発音も、英語ができないジャパニーズからするとめちゃくちゃ格好良いのだ。帰国後、Gagganの料理がいかに楽しくおいしかったかという土産話をする際には絶対にモノマネしてしまうという……旅で得た、活きる英会話ということで(活きるか?)。

肝心のお料理「LICK IT UP」、もちろん舐めました。

適当に盛られたようなペーストはしっかり配置が計算されていて、下から上に舐めあげることでおいしく味わえるようになっている……と、同行していたグルメの師匠たちが言っていた。

私は”けものフレンズ”なので「おいしーい」「たのしーい」「すごーい」が感想です。

食べ終わったころにはBGMの「LICK IT UP」は次の曲、エアロスミスの「Walk This Way」へ。わかったように書いているけれど、洋楽知識が全くないもので、食事中のメモを片手に「さんま御殿 BGM」とGoogle検索したうえでご紹介している。「何かいいもの、送っておきます」という天の声の代わりに私にもたらされたのは、

「トムヤムクン海老(正式名称はShrimp tempraらしい)」!

海老の殻の部分だけが配られ、そこにシェフが最後の仕上げとしてトムヤムクンソースを注入していく演出が。そのおかげで殻の部分はカリカリのままいただくことができる。

トムヤムクンソース、お姉さんの手から奪って逃げたくなるくらいおいしかった。全25品のなかでもTOP3に入るお気に入り料理。

続いて登場したパイのようなかわいらしい料理。ヒントのアイコンは「花」であり、なんだろう、うまいなあと思っていたら山羊の脳みそだったらしい。この場の感想は「うメェ」と言うべきだったか!

ちなみにパイの裏側はこのようになっていて、冒頭の「LICK IT UP」同様、舌がどういう流れで味を楽しむかが計算されているのがすごい。

見た目や演出という点で忘れられないのは、

お抹茶!

……にインスパイアされた「GREEN VEGETABLE MATCHA」という冷製スープ。少量の抹茶パウダーを入れて、茶ならぬスープを点てる姿は大変興味深いものがある。大魔王クッパのような仰々しい急須も見逃せない。

こんなに分厚い陶器なのに、冷え冷え。シェフ2人がかりで客ひとりひとりのスープを点てる姿を目で追いながらズズズと賞味する。

スープは旨い、が、このスタイルである必要はあったのか?微かな抹茶の香りは必要なのか?2人の腕は大丈夫か?筋肉痛になりやしないか?私にはわからない、わからない……

こちらは「SCALLOP UNCOOKED CURRY」。例に漏れず「このホタテうまいなあ」という感想になるのだが、ここで伝えたいのは味以上に「器」のこと。カメラ、引いてみましょう。

急須がクッパ大魔王ならホタテ皿はテレサだ。よもやガガン氏はマリオのファンなのではないか?そう思うと山羊の脳みそパイはマリオに火の玉をもたらすアイテム・フラワーをイメージしているようにも思えてくる。絶対違うけど。

見た目のインパクトといえば「CHARCOAL LOTUS STEM」もご紹介したい。まさに黒炭。皿代わりの黒炭風の何かは、この料理のためだけに用意されたものなんだろうなあ。ほかに用途、ないよなあ。徹底ぶりがすごい。

かじるとこんな状態に。苦くも固くもなかった。LOTUS STEMだからレンコンを使ったソースだったはず……

用を足すために席を外していてお姉さんのTEDなプレゼンを聞くことができなかったのだが、なんと席に戻ったら、私のためだけにマンツーマンプレゼンをしてくれた。ものすごく目を見て話してくださり、お心遣いに感謝しつつ全力でアーハー顔をつくったが、内容は何ひとつわからなかった。今日だけ、今日だけでいい、英語ができるようになりたい。

 

なにせ25品も出てくるので、ご紹介したものはほんの、ほんの、一部にすぎない。

食べる直前にファイヤー!したシーバスや、乾物のグラノーラ、宝箱に入ったビーツでできた薔薇……最初から最後まで、五感が歓ぶ料理の数々!提供されているのはおいしい「料理」だけでなく、たのしい「時間」なのだ。

キッチンの天井はガラス張りになっていて、時間が経ち日が暮れるにつれてキッチンの様子が反射されるようになっていく。当日はコース終盤で稲妻が走り、豪雨が降り注ぎ、この窓を通すとそれもまた演出のひとつのようにも思われた。

そして最後には、グルメの師匠たちの力でガガン氏との対面が実現!!!ミーハー心をいかんなく発揮し、2ショット写真を撮影していただいた。

「おいしかった」と伝えたかったのだが、テンションがあがりすぎて、事前に練習しておいたタイ語の「アロイ」を脳内で見失ってしまった。挙句出てきた言葉は「デリシャスでした」……

ガガン氏は日本ツウなのだ。おいしかったとか、ありがとうとか、いっそ日本語で伝えればよかったのに何故ルー語に。悲しい。でもガガン氏は満面の笑顔で手を差し出してくれ、がっちりと握手を交わしていただくことができた。アイアムハッピーです。

素敵な時間に感謝。2020年までに再訪できるかな……

Gaggan
住所:68/1 Soi Langsuan Ploenchit Rd., Lumpini, Bangkok, Thailand
電話:(662)652-1700
時間:18~23時
休み:なし
E-mail:info@eatatgaggan.com
URL:http://eatatgaggan.com

※参考記事

ONESTORY(記憶に残るポップアップレストラン。「アジアのベストレストラン50」3年連続1位。ガガン アナンド氏の魅力とは?)

アジアNo.1 バンコク、ガガンのインド料理が超絶スタイリッシュ!|ANA Travel & Life