言いたいことやまやまです

2022年2月に出産した1985年生まれの主婦です。資料作成が好き。

育児日誌ブログ「母になっても言いたいことやまやまです」を毎週月曜日に更新中!

母たちのウェルビーイングのために「オンラインの子育て広場」がほしい!

仕事で「ウェルビーイング」というキーワードにふれる機会がありました。

字面の直訳は「よく在る」。

つまるところ「自分らしく生きる」ということかなあ……などと推測しつつ、恥ずかしながらその意味が分かりませんでした。

 

いざ調べてみると「決まった訳し方はない」とまで書かれている記事もあります。

各メディアがいろいろな見解を述べるなか、私にとって最もシンプルでわかりやすかったのはパーソル社が示していた図です。

それによれば、「こころ」「からだ」「社会的なつながり」が満たされた状態が「ウェルビーイング」だとまとめられていました。

Message|はたらくWell-being(はたらくウェルビーイング)ってなんだろう? | PERSOL(パーソル)グループ

 

 

産後の母はウェルビーイング「ではない」状態

私は36歳で第1子を出産し、38歳のいま、まもなく2歳を迎える娘、夫の3人家族として都内で暮らしています。

現在は週2日ほど娘を一時保育にあずけて内職をしつつ、基本的には家事育児に励む日々。

前述のパーソル社の記事を読んで感じたのは、産後の私は「ウェルビーイング」から離れていたんだな、ということです。

 

出産時はまだコロナ禍のさなかで、夫の立ち会いや面会もNGという状況でした。

夫は在宅勤務だったものの多忙な中間管理職という立場が災いし、育児休暇を取得できず。

お風呂など、できる範囲で努力してくれましたが、基本的には私ひとりでの育児となりました。

「こころ」は不安でいっぱいなうえ、老体に鞭打ちながらの夜間授乳と抱っこで「からだ」もぼろぼろ。「社会的なつながり」もなくなっていました。

 

「誰かと話したい」欲求は家族相手では満たされない

当時の私なりに、いろいろ足掻いてはいました。

せっかくなら時間を有効活用しよう! と、幼い娘が眠っている間に資格勉強に励んだり、本を読んだり、映画を観たり……。

いろいろしたのですが、どうにも気持ちが満たされなかったのです。

 

誰かと喋りたいんだな、と思いました。

夫は毎日自宅にいたものの、休憩時間にちょろっとリビングに出てきて、スッと書斎に帰っていく彼と会話をすると、かえって不快になることのほうが多いくらい(ごめんね)。

夫は「家族のために稼ぐ」という、私とは違う役割を担ってがんばってくれているのは、頭ではよくわかります。

おかげさまで、私自身はすぐに働かなければという焦燥感に駆られることなく、衣食住に不自由のない暮らしができています。

でも気持ちが追いつきません。「私ばかりが我慢させられている」という気分になって、ムカついて……。

 

いま思えば、喋る相手は誰でもいいわけではなかったんですね。

「こころ」「からだ」が満たされないなか、「社会とのつながり」を欲しての行為が「喋る」だったのです。

 

「つながり」を求めて参加した「オンライン子育て広場」

当時はコロナ5類移行前かつ、娘がまだまだ小さくて、満足に外出することができませんでした。

そこでSNSで見かけた情報をきっかけに、「話し相手(社会とのつながり)」を求めて「オンラインの子育て広場」なるものに参加してみることに。

有料の3か月間のプログラムで、週1回、1時間ほど、参加メンバーがZoomで交流するというものでした。他の時間はSNSの会員限定アカウント上でいつでもコミュニケーションを取り合えます。

全国のいろいろなところに住んでいる、月齢の近い子どもを持つ母同士が交流できるすてきなプログラムではあったのですが、個人的にはあまり満足できなかったというのが本音です。

 

理由は大きく2つ。

 

1つは、週1回の交流タイムが短すぎるということ。

本プログラムの目玉がZoomでの交流なのですが、10組ほどの親子が参加しており、ひとりひとりに「今週はどうだったか」などの話を振って、さらにみんなで手遊び歌をして……なんてことをしていると1時間弱という尺では足りません。

毎回トークテーマが定められているものの、そのテーマについて話せる時間はごくわずか。フリートークができる時間もなく、不完全燃焼感がつのりました。

 

満足できなかった理由の2つ目は、指定されたSNSを通じての交流が盛り上がらなかったことです。

文字入力およびリアクションには「投稿する」「読む」というひと手間がかかるのが、ハードルになってしまったと思います。

なにせ全員が初対面。しかも私を含むほとんどの人は初めての子育て。

毎日がいっぱいいっぱいのなか、「はじめましての他人」の投稿をわざわざ読み、リアクションコメントを残そう、という気力が湧きませんでした。

 

誰かとコミュニケーションを取りたくて参加したのに、結局、誰とも仲良くなれず、SNSアカウント同士が繋がることもなく、3か月が終わってしまいました。

 

バーチャルコワーキングスペースで体感した「空間」の大切さ

オンラインの子育て広場が期待はずれの結果になってしまった一方、私の「社会とのつながり」欲を満たしてくれたものもありました。

産前から利用していたオンラインコワーキングスペース「みんコワ」です。

 

mincowa.com

 

コロナ前、私は毎日のようにコワーキングスペースで仕事をしていました。

外出しづらくなり、自宅に籠もらざるをえなくなってしまったコワーキングスペースユーザーの受け皿として誕生したのが「みんコワ」です。

複数のコワーキングスペースのオーナーさんたちが合同で企画されたもので、利用料はなんと無料! 有志による寄付と利用者のボランティア精神で、2023年現在も運営され続けています。

 

私にとって画期的だったのは、Zoomではなく、バーチャルオフィスツール(当時はRemo、現在はOasis)が使われていることでした。

用意されているのは「空間」であって、「通話するためのサービス」ではないのです。

これが生まれて初めてのバーチャルオフィス体験になったわけですが、Zoomをはじめとするオンライン会議ツールと異なり、「つながる時間を約束しなくて済む」ことに魅力を感じました。

 

自分の都合でフラッとログインすれば、誰かがいる(いないこともある)。

あくまでも「ワーキング」のための場所なので、無理やりおしゃべりに励まなくてもいい。

フロア内には「マイクオフの集中テーブル」「打ち合わせテーブル」「休憩用雑談テーブル」など複数のテーブルが用意されており、自分と似たモチベーションの人に出会いやすい環境も整えられています。チャット機能を使って、文字での交流も可能。

特別な言葉を交わさずとも、打キー音や相手の家の近くを通るパトカーのサイレン、お子さんに呼ばれている声などが聞こえてくると、同じ時間を共有している感覚からか、はたまたASMR効果なのか、いずれにせよ「寂しい」「孤独」といった気持ちが軽くなりました。

まさに、リアルなコワーキングスペースで日々体感していた「あの感じ」が味わえたのです。この感覚は「社会とのつながり」でもあったのだと、今にして思います。

 

「みんコワ」が自宅にいながらにして「社会とのつながり」を感じられるサービスであるとはいえ、専業主婦として利用させてもらうことに、少し引け目を感じてしまうところもあります(もちろん利用者さんはまったく気に留めていないと思うのですが)。

子育て主婦がいきなり使い始めるには、ちょっとハードルが高いかもしれません。

でもオンライン上に設けられた「たまり場」的な空間は、「からだ」「こころ」「社会とのつながり」が満たされにくくなる産後のお母さんたちの支えになるはずです。

バーチャルオフィスツールを用いた子育てひろばを、ぜひつくってほしい!

 

子どもが大きくなっても、母のウェルビーイングを保つのは難しい

そう書きつつ、いまや日本も「コロナ5類移行後」の世界になりました。

わざわざ予約しなければ入れなかった子ども家庭支援センターはふらりと立ち寄れるようになり、人数制限もなくなり、施設内のランチルームも使えるようになりました。児童館の乳幼児向けイベントも再開しています。

私もそうした場に足繁く通うようになり、顔見知りの先生や親子もでき、リアルな「社会とのつながり」が満たされるように。誰かとちょっと雑談ができるだけでも、自宅籠城の日々とは雲泥の差です。

 

それならよかったじゃないか、オンラインの子育て広場がなくても十分じゃないか、と思ったあなた! まだ早いです。続きがあります。

 

娘は早いもので、もう1歳8か月。

いまとなっては一時保育という形で、週2日、保育園にもお世話になっています。

たかが週2日、されど週2日。保育園だけが原因ではありませんが、流行り病をいただくことがしばしば。

先週もどこからかウイルスをもらってしまったようで、ある日、明け方に突然発熱しました。

慌てて一時保育や習い事、イベント等の予定をキャンセルし、小児科に連れていきました。診断結果は幸い「風邪」。喉の腫れもないことから、薬の処方すらなかったほどです。

熱はその日のうちに落ち着き、鼻水と咳、食欲不振はあるものの、娘は元気そのもの。

 

……でも、これが厄介なのです。

 

いちおう風邪ではあるので、自宅保育になります。

好きなテレビ番組をつけっぱなしにしつつ、お絵描き、シール遊び、粘土などなど、室内で楽しめそうなものをいろいろ準備するものの、物足りないと言わんばかりに娘は不機嫌に。

鼻水と咳というわかりやすい症状がある以上、こころの拠り所にしている家庭支援センターや児童館には行けません。外遊びも然りです。

「身体は病気、中身は元気」な娘と2人きりで自宅で過ごす日々は、毎度なかなか地獄なのです。

自宅保育の日々を過ごすうちに、ふたたび私自身の「からだ」「こころ」そして「社会とのつながり」が乏しくなり、非ウェルビーイングな状態に……。

 

すると、家族の役割分担だから仕方がないことなのに、夫への不満もつのってきます。

子どもの予定のキャンセルやら、病院の予約や同伴、食べてもらえない食事の準備、夜中の咳込み時の対応など、やればやるほど孤独な気分になるのです。

夫はかなり多忙な日々のなか、できる範囲で協力してくれているのに、そうした現実が見えなくなりました。「私だけがやらされている」という不公平感でいっぱい!

結果、芋づる式に夫のウェルビーイング度もダダ下がりしていくことになります。

 

こんなときでも「社会とのつながり」が実感できるように、フラッと入れるオンラインの子育て広場があったらいいのにな、とあらためて思ったのでした。

 

すでにそうした活動をなさっている団体もあるようです。

たとえば、双子や三つ子などの多胎育児の支援をしているNPO法人の「つなげる」さん。

 

www.youtube.com

 

子どもに日々振り回され、誰かと繋がるための「時間や場所の約束」が難しい子育てマンたちのたまり場として機能しているようです。

「行けるタイミングでフラッと訪れると、誰かいる」って、すごく心の支えになると思います。

私が求めていたのは、まさにこれだ!!

 

全国各地の自治体、NPO等のみなさまにぜひ企画検討いただきたいと願う次第です。

ひとまず私は、引き続き「みんコワ」のお世話になろうかと思います。

みんコワ内でお会いできたら、よろしくお願いしますね~!