最近、餃子の話題を見聞きする機会が増えたように思います。特に「女性に人気」といった切り口。ほどほどの炭水化物と肉と野菜を一緒にいただける「完全食」なんて紹介も、どこかで見かけた気がします。
そんなブームのただ中にあろうとなかろうと、餃子のすばらしさは不変です。気心知れた間柄の仲間たちと、大衆居酒屋や大衆中華料理店で餃子をかっ食らう。最高。ビールが異常においしくなる魔力!
そんな無敵の餃子の弱点はきっと、たったひとつ。
「ロマンチック性に欠ける」点です。
婚活パーティー後の初デートに餃子、というのはかなりレアケースかと思います。よほど仲が進展しているならまだしも、「餃子のウマイ店」はデートコースから外れがち。
しかしいま、女性の餃子好きが増えているわけです。心寄せる女の子の好物が餃子やもしれません。
そこであえて「一緒に餃子食べに行こうよ」の提案をしてみるのはどうでしょう。
意外性が先方の心にひっかかり、あなたはいつのまにか「忘れられない殿方」になるかもしれません。
このご提案のために、「デートなのに餃子?」の不安感を見事に打ち砕く、超オシャレでおいしい餃子屋さんに行ってきました。
デートの餃子にぴったりな「ギョウザバー」
青山学院大学の近く、表参道と渋谷の間の小道にある「gyoza bar comme à paris(ギョウザバー・コム・ア・パリ)」です。訳すと「パリのような餃子バー」。パリには実際に「GYOZA BAR」というレストランがあり、2012年当時は大行列ができるほど人気だったそうです。(※参考:フランス・パリに行列ができる餃子レストランが登場 / 本当に美味しいのか食べに行ってみた | ロケットニュース24)
外観からして、中華料理店や餃子居酒屋とは一線も二線も画すムードが漂っています。表参道に溶け込む、このおしゃれっぷり。パリの「GYOZA BAR」に発想を得ているようで、フレンチテイストの餃子やサイドメニューやワインと楽しむ餃子、否、GYOZAを提唱しているのです。
店内はカウンター席を中心に、こじんまりとしたビストロのような雰囲気です。こういうおしゃれなパン屋さんあるよな、みたいな感じ。スタッフさんのユニフォームも、カフェかビストロを思わせるシンプルおしゃれデザインでした。
さあビールと餃子だ!と意気込んだのですが、ここは「パリ」でございます。ビールはすべて「瓶」なのが特徴的でした。瓶は瓶でもチンタオではなく、プレモル、カールスバーグ、あとフランスの白ビール。700円~800円くらいだったでしょうか。
グラスワインは600円からとお手頃価格だったので、1杯目から白ワインをいただいてみました。それほど種類が豊富というわけではないですが、安価においしいワインをいただけるのはとてもうれしい!種類がありすぎても、ツウじゃないので選びきれないんですよね…。お店が厳選してくれている、というのは助かります。
GYOZAはあとでたっぷりご紹介するとして、先にほかのメニューをご紹介。牛筋の赤ワイン煮込みやオイルサーディンのアヒージョなど、ビストロ風のメニューがいろいろあります。
この日は初訪問ということでGYOZA中心にいただいたので、それ以外のフードでお願いしたのは「トリッパとぽっくり白いんげん豆のトマト風味(890円)」のみでした。
「ぽっくり白いんげん豆」の表現にグサッとやられてお願いしてしまったんですが、想像通りのおいしさ!ほくほくです。トマト味が強すぎないですし、トリッパの臓物感もかなり薄いので、どなたでもおいしく召し上がれるのではないでしょうか。
家でもすぐ真似したい!斬新でおいしいGYOZA
肝心の餃子のラインナップ、以下の通りです。
- 野菜ギョウザ(520円)
- 肉ギョウザ(550円)
- 水ギョウザ(550円)
- パクチーのせギョウザ(680円)
- 大根おろしのせギョウザ(600円)
- みょうがのせギョウザ(640円)
- オニオンスープグラタンギョウザ(920円)
- ※どれも5つずつの提供です。オニオンスープだけギョウザ3つ。
スタンダードギョウザから意外性の高いものまで種類は豊富です。
いずれもニンニクが入っていないので、食後の渋谷区でのチュウも安心ですね!!!
いろいろ気になりますが、薬味好きの心をわし掴みしてくる「のせギョウザシリーズ」をお願いしてみました。「みょうがのせ」「パクチーのせ」です。
みょうがとオニオンスライスがたっぷり乗ったGYOZAがお出ましです。これだけで食欲がそそられます。この食べ方、いいなあ。
すぐさま1ついただき、薬味を「乗せて」いただく餃子のおいしさに感動。お肉の脂と薬味のさわやかさ、相性抜群です。感動ついでにさっそく家で真似してみよう。もみじおろしのせギョウザとか、やってみるんだ…!
さらにその魅力を引き立ててくれるのが、特製ソース。テーブル上にお酢・ラー油といった定番餃子調味料は用意されているのですが、このお店ならではのソースを用意してもらえるのです。
ジンジャーとガーリックのトマトソース、白みそとハーブ(パクチーかな?)のソース、黒コショウのソースの3種類。
餃子に対してこのソース!意外性!私が男性だったら、女の子を連れてきて「意外とこれがうまいんだよ」みたいなことをドヤ顔で言ってみたいです。
しかし…
大変申し訳ないのですが…
GYOZAそのものがおいしすぎて、あまり、ソースのお世話になりませんでした。
既にお察しいただいているかと存じますが、わたくしはデートでの訪問ではありませんで、欲望のままに「ソースをつまみにワインを飲む」という行為に走ってしまったのです。とりわけ、ジンジャーとガーリックのソースがおいしくて…ワインに合うもんで…(塩があればエンドレスで飲めるタイプ)。
GYOZAはGYOZA単体で、ソースはソース単体で、存在感が十二分にあるんです。なんだか、一緒に食べるのがもったいなくなっちゃって。次回訪問時はGYOZAとソースのマリアージュを楽しみたいと思います。ろくな感想じゃなくてすみません。
パクチーのせギョウザもお願いしたのですが、あまりのおいしさに
ラス1での撮影となってしまいました。
たっぷりパクチーにドレッシングがかかった1皿…だったんですよ…
こちらは野菜ギョウザ。スタンダードな餃子です。
これらをおつまみに、ワインが進む進む。薬味のせGYOZA、本当にすてきなアイデアでした。
人気店なので予約がおすすめ
金曜日の19時半ごろにお邪魔したのですが、11時半ごろに退店するまで店内はほぼ満員でした。ちなみにお店は深夜1時ラストオーダーなので、2次会で軽く、というときも便利ですね。
お通しがないことや、ひとつひとつのメニューが表参道とは思えぬ良心的な価格のため、平均単価は3,000~4,000円程度のようです。このあたりも人気の理由に違いない。
ただ、提供スピードはそこまで早くないので、最初の1杯と一緒にいただくオシャレなフレンチお通しがあってもいいのかなとも思いました。偉そうにすみません。
偉そうついでにもう1つ…いまとても勢いがあることを感じる一方で、人気店ゆえのちょっと残念なスタッフさん対応があったことが悲しかったです。おもてなし感よりも、「うち人気なので、忙しいので」というせかせか感が滲んでしまっているというか。
金曜日の繁忙時間帯でしたし、いろいろ事情もあると思うのですが、おいしかったからこそ、ちょっぴりさみしくなってしまいました。
ひとりで来て店員さんとちょっとお話ししながら軽くGYOZAを、というシーンには向いていないかもしれませんね。でも、デートや女史会なら無問題!むしろデートで餃子なら、こちらのお店がイチオシです!ぜひ予約のうえ、楽しいGYOZAタイムをお過ごしください。
(私信:お店を教えてくれたSちゃんありがとう~!今度は私がお店提案します!)