■「野の葡萄」丸の内東京ビル店に、おっじゃまー
CVは三石琴乃さんで、丸の内東京ビル、その名も「TOKIA」に入る。
JPタワー「KITTE」の横で、京葉線の東京駅からは直結しているが、地下鉄東京駅、二重橋前、有楽町、いずれからも少し歩く位置にある。
ちなみに私が直前までいた「神田免許更新センター」からは歩いて20分ほど。
アサイチで臨んだ免許更新が非常にスムーズだったため、開店時間の11時をまわることなく着いてしまった。
平日の朝10時半。
このTOKIAはJPモルガンさんと三菱電機さんが入っており、受付のお姉さんたちが並ぶ1Fは社員証ピッピフロアと化していた。
たった30分のために、同じフロアに入っているVIRONなる高級パン屋で高いコーヒーを飲むのは癪だったので、小さな待合スペースで時間をつぶす。
ザカザカと風を切りながら歩き、行き交うビジネスマンたち。
ぼーっと座り、食べ放題のノロシが上がるのを待つ私。
愉快だ。これだから代休はたまらない。
私の左右に座っているのも、思いきり勤務中の方々ばかりだった。
かたや、なにやらカルテのようなものに一生懸命書き込んでいる若者。
派遣さんのようで、今日から勤務開始の様子である。
あっせん業者のお姉ちゃんが事細かに説明をしていた。
問題はもう片方だ。
2人組のスーツ姿の男たち。
おっさんと兄ちゃん、明らかに上司と部下の組み合わせである。
10時半の待ち合わせにもかかわらず、1人が未着のようであった。
「まだ来ないの?」
「そうですね・・・あ、今メール来ました・・・え?は?なんでかわかりませんが、
日立
に、いるんだそうです」
「日立か・・・なんでだろうな」
「なんででしょうね。いま、こっち向かってます」
ハハ、と淡々と笑い、別の話をし始める男たち。
そう、ここは三菱電機さんである。
日立さんのオフィスも丸の内にあるとはいえ、大変エキセントリックな勘違いである。
食べ放題スタートを前に勘違い氏は到着し、無事に3人で受付を済ませることができたようだ。
「いやー、スミマセン、間違えました」
「うん、びっくりした」
アポにはおそらく15分くらい遅れていると思うのだが、まったく焦る様子を見せない彼らの部下になりたい。
その他特筆すべき事件は起きることなく、グリーンゲイブルスに想いを馳せ、空想しているうちに時刻は11時を回ったのであった。
※本も仕事も人も不得手で、私はどうすりゃいいんだ
■入店
「野の葡萄」は3階にある。
私と同タイミングで入店する小柄なおばさんがおり、一番乗りとはいかなかった。
店に足を踏み入れるや否や、食べ放題コーナーがお出迎え。
凄まじい料理の量と、広々としたスペースに圧倒される。
※12時ごろ、お客さんも増えたときに撮影
奥の席に案内されると、店員さんより「当店のご利用は初めてですか?」の問い。
この手の質問には、正直に答えるべきか否か悩む。
大半が、ごく当たり前のことを言われて面倒くさいだけである。
かと思うと、お初なのに「2度目です」と説明を断ったにもかかわらず、その説明にはスーパー特別システムの説明が含まれていたりして、「すいませんね、ちょっとどういうシステムだったか忘れちゃいましてね」なんて小芝居を打って聞き直す羽目になることも。
豪雪の日、閉店直後に行った「八重洲富士屋ホテル」の食べ放題も難しかった。
どの位置にどういう料理が置かれているかというごく当たり前な説明で、あー、正直に初めてですって言わなきゃよかった、と思っていたのに、最後の最後で、陰のスペースにコーヒーが置かれていることを教えてもらって救われたことがあったのだった。
カンマ2秒ほど悩み、今回は率直に初めてだと言うことにした。
「当店は90分の食べ放題制となります。入り口の木皿はご自由にお取りください・・・」云々。
正直者が損をするパターンであった。
テーブルに「困ったことがあったら近くの者にいつでもお尋ねください」というステッカーでも貼って、放ったらかしにしておいてほしい。
が、このワンコミュニケーションによって「一見か否か」をカウントしているのであれば、まあ、必要なステップなのだろうなあ。
とにもかくにも、このひと手間で若干悪印象を受けたのである。
(ということを書く私の器の小ささも、ひどく残念なクオリティ!)
■お食事紹介
説明されたように、店の入り口付近に木皿とカトラリーが積み重なっている。
こいつを手にして振り向けば、眼下に広がるは食べ物パラダイス。
まずは野菜&お惣菜コーナー。
総菜コーナーで標語アピール。健康のための合言葉「まごわやさしい」。
そういえば古文における助動詞「べし」の意味といえば「すいかとめて」だったなあ。
左にある黒いかたまりは、ひじきなどの惣菜の煮こごりのようなもので、ミネラルゼリーと紹介されていた気がする。
ギョッとする見た目だが、予想外においしい。
左上にあるのは納豆とろろ。すでにダシで味がついている。
これがすくい放題だなんて、渡哲也には地獄かもしれないが、世の大半の人にとっては天国だ。
(食わず嫌い王で「ハナ(ミズ)食ってるみたいだから」と嫌いな理由を述べていたあの姿は忘れない)
惣菜コーナーにおけるエースは、この刺身こんにゃくである。
気軽な気持ちで取ったが、こんなにもうまいこんにゃくがあったとは・・・
「人生で一番おいしいこんにゃくだった」(談:バラク・ヤママ)
このこんにゃくを提供している向山食品さんは青梅の会社のようである。
「野の葡萄」は全国各地にあるのだが、それぞれの店舗が近くのエリアの食材を使うように心がけているのだろうか。
惣菜コーナーのとなりには、こんなものも。
食べ放題におけるスープすくいは、気軽な気持ちで行ってはならない。
おたまをグンとなべ底におしつけ、ぐるりと回転させ、具をたっぷりとおたまにのせた状態でよそわなければ、話にならない。
大好きな雑穀もふくまれているというので、ここは本気を出してレッツスープである。
慎重におたまを引き上げると、“首の皮1枚”状態で連なるベーコンの薄切りたちが、おたまのウェイトのほとんどを占めていた。
新婚の旦那さんの気持ちになり、心があたたまる。
その隣には
自家製ソーセージと新じゃががあり、どうにもこのスペースだけドイツ村である。
それにしても、新じゃが!
新じゃが・新たま・新きゃべつ。
新がつくと、なぜこうもおいしくなるのだろう。
新加勢大周については触れないでおく。
あたたかい料理も充実しているのでご紹介を。
天ぷらは目の前で揚げてくれていて、できあがると「●●揚げたてです」と店内に声が響く。
塩もよりどりみどりでハッピーだ。
その隣にはうどんスペース。
天ぷらの隣というのがうれしい。
薬味もいろいろ、取り放題。
しかし、
こんな魅力的なスペースもあるし、炊飯器コーナーには白米も雑穀米もある。
炭水化物天国なのである。
あたたかいおかずは少々少なめ。
写真に写っていない逆サイドには、豆腐グラタン、肉じゃが、焼き魚がある。
汁物はチャウダーだけかなと思いきや、
こんなスペースも。
そして忘れてはならないデザートも大充実。
視覚だけでおなか一杯、大満足の「野の葡萄」。
ときめきの気持ちとともに一巡目を終了し、やっと着席したときのテーブル状況がこれである。
感想は次回です。