最近ご無沙汰気味だった、東銀座の巨大サンドイッチ店「喫茶アメリカン」。
4月末に久々に再訪した。
※本日の目次
■「喫茶アメリカン」基礎知識 ※ご存じの方は飛ばしてください
■アメリカン基礎知識
東銀座、歌舞伎座の裏に佇む喫茶店。
1斤分と思しき量の食パンが用いられた、極厚サイコロサンドイッチで有名な「伝説のサンドイッチ屋さん」である。
31歳で脱サラして今年で創業32年を迎える。
店主さんの個性がキラリ、否、ギラリと輝くサンドイッチだが、他のメニューも含め、まるっと店内全体が「ユニーク」のかたまりだ。
営業は平日のみ、その時間も朝7時半から15時ごろまで(厳密には7時半~10時がモーニング、お休みを挟んで12時ごろからパンがなくなるまで営業)という、月~金勤務族泣かせのスタイル。
しかし唯一無二の存在感、そして目を見張るほどおいしい食パン、タマゴサラダのためなら、有給休暇を取ってでも訪れたくなる。
件の「極厚サンドイッチ」は正午からのランチタイムにいただくことができる。
一生に一度は、ぜひ!
■焼かないのに「トースト」
12時過ぎに訪問したところ、店内はすでに満員。
1人だったため、なんとか相席という形で通してもらうことができた。
サンドイッチの巨大ぶりがアメリカンを有名たらしめているポイントであるにもかかわらず、相変わらず、店内の大半を占めるのは女性客である。
お冷やを出していただくタイミングで、兼ねてより気になっていたあのメニューを注文。
「トーストを」
これ、ただのトーストではない。
トーストという名であるにもかかわらず、「焼かない」のである。
食パンは本来、焼き上がったのちにしばらく置いておいてから、私たちのもとに届く。
しかしアメリカンのこだわり食パンは寝かせることなく、焼きたてがそのままお店に直送されている。
なのでパンはアツアツ、スライスするのも一苦労。
これが、サンドイッチのパンの分厚さにつながっている。
そのままでもホッカホカのため、トーストと名乗りつつも、焼かれていないのだ。
もともとはシンプルな「トースト」というメニュー名だったが、お客さんに誤解させぬよう、「焼かないトースト」に改名したものと推測する。
(以前は焼いてくれることもあったので、調理法を“焼かない”に統一したという意味もあるのだろう)
そんな親切心の結果が、「トーストなのに焼かない?ハテ、とんちか何か?」という新たな誤解を招いている気がしないでもない。
大きな声で「焼かないトースト」と宣言するのが少々恥ずかしく「トースト」とだけ発声してみたのだが、
「トーストね、ハイ。焼いてないけど、いい?」
と女性店員さんに問われることとなってしまった。
頷きつつも、それはそれでちょっと恥ずかしいというか、なんというか、“エヘヘ”という気持ちになった。
思い返せば、トーストセットをお願いするのは、昨年の夏以来ではなかろうか。
※2014年8月末撮影
昨年末に値上げや一部メニューの入れ替えなどを経たいま、(焼かない)トーストにはどんな変化が待っているだろうか。
ほとんど待つことなくスピード提供していただいたその全貌・・・とくとご覧あれ!
相変わらず、食パン、どーん!
続いて、横からも。
※食パンの真ん中がたまらない
サラダにも、ズームイン!
写真から伝わるだろうか・・・黄身の「ザラっと感」。
酸味が抑えられていて、しっかりとタマゴを感じることができる味、そして食感。
何度いただいても、世界でいちばんおいしいタマゴサラダだと思う。
サンドイッチセットの場合、レタスの上に盛られるサラダは1種だが、トーストセットはパンで挟む具がない分、2種のサラダが盛られている。
ランダムに選ばれるサラダ、この日は大好物のタマゴがこんもりと!とてもハッピー。
アメリカンの何が好きなのかと問われたら、1にお店の雰囲気、2に食パン、3にこのタマゴサラダである。
毎朝店主さんが手づくりされている、最高の一品!
うれしさのあまり、一心不乱にサラダをいただく。
食パンにつけながらいただいてもおいしいのだが、タマゴサラダも食パンもあまりにおいしいため、この日はそれぞれ単独でいただくことにした。
久々のアメリカン訪問、ダイナミックに満喫しなければ!
※好きになったら一直線!バランスの悪い「一途食い」
心残りは、またしても「ドレッシング抜き」を依頼し忘れてしまったこと。
サラダの味で口の中をいっぱいにしたいので、和風ドレッシングの味がちょっと邪魔なのだ。うーん、次回こそは。
さて、ここまで存在を無視してきたコーンポタージュ。(勘違いでなければ、めいらく製)
見事に膜を張っている。
その膜を、カップのふちからそーっとすする幸せ。
その後は勢いを加速させ、まったり、もったりとしたコーンポタージュをグイングインと飲み干す。
カップに残った分を食パンで拭い、ポタージュの「一途食い」も完了。
残る食パン、もちろん完食したい気持ちはやまやまだが、炭水化物の過剰摂取は午後の仕事に響く。
女性店員さんが当然のように分けてくれた「食パン専用ビニール袋」に入れて、ごちそうさまだ。
※おうちでおいしくいただきました
最後はセットのホットコーヒーを。
こればかりは、年末に比べてかなりサイズダウンしたかなあ・・・
※昨年末
※今回(ビッグカップの名残か、ミルクは2つ)
■隣のアメリカン
黙々と目の前の「焼かないトースト」セットをいただきつつ、周囲を見回してみる。
サンドイッチセットを召し上がっている方がほとんどだが、私の目の前にそびえ立っていた食パン一斤が大きすぎたせいか、サンドイッチのサイズは以前より小さくなったような気がしてしまう。
実際のところ、どうなんだろう。
ただし具材は相変わらずのてんこ盛りぶりで、隣の席の方が召し上がっていた「ローストチキンサンド」など、パンの上にチキンがはみ出していた。
※こんなこともあったな・・・(昨年末撮影の「パストラミビーフサンド」)
一方、サンドイッチセットのサラダはずいぶん小盛りになっていた。
昨年の3分の1程度にはなっているのではないかと思う。
※昨年7月末の様子。いま、サラダ量は当時の3分の1程度になっていると思う
懸命にトーストセットに食らいつきながらも、眼球をぎょろぎょろさせて周囲のアメリカン事情を窺っているなか、事件が起きた。
「おまたせしました、ビーフシチューセットです」
正しいビーフシチューの形は、こうである。
※昨年8月撮影
ビーフシチューセットに添えられているのは、名物の食パンではなく、フランスパンなのだ。
ただし個数に限りがあり、フランスパンが品切れると食パンにシフトする。
(フランスパンがある間は“パンを食パンに変えてほしい”とお願いしてもNGが出るのでご注意を)
はす向かいの席に座る女性のもとに届けられたのは、見たこともないビーフシチューセットだったのだ。
さすがに写真撮影させていただく勇気が湧かなかったので、イメージイラストを。
あの衝撃をイラストに込められないことが悔やまれる。
着目していただきたいのはパンの部分。
フランスパンと食パンが共存していたのである!
おそらく、中途半端にフランスパンが残っていたのだろう。
量の不足を食パンで補てんしたものと思われる。
半端に残っているフランスパンを敢えて使う強引さ。
そして、サラダ超てんこ盛りのサービスに込められた、不恰好なパンになってしまったことへのお詫びの気持ち(あくまでも推測)。
それらが同居する1枚のランチプレート・・・
「これこそやっぱり、アメリカンだな!」
※発声参考イメージ:「君たちやっぱり、プロミスだな!」
これだからアメリカン通いはやめられない。
■久々のアメリカン その変化と32周年と
冬からなかなか訪問できずにいたアメリカン。
久々に訪問し、変わっていたこと、変わっていなかったこと。
【変化1】休憩時間を挟むようになった
かつては朝7時からパンが品切れる15時ごろまで通しで営業していたが、今は、モーニングが終わる10時ごろ~12時ごろの間、お昼休みを取られているとのこと。
(※テイクアウトのサンドイッチは購入可能の様子)
※情報提供してくださったかもめさん、ありがとうございました!食べログ、Retty、GIGAZINEさんの記事も参考にしました
【変化2】禁煙時間が延びた
かつては13時までだった禁煙タイム。
上記は昔の写真だが、いまはここに手書きで修正が施されており、14時まで喫煙不可となった。
愛煙家の方は、ご注意を。
【変化?3】スタッフのみなさん
昨年末訪問時、新人さんと思しき女性店員さんが働いていらっしゃったのだが、この日はいつもお馴染みのベテラン店員さんで固められていた。
あの方はお辞めになったのか、シフトの問題なのか・・・少し、気になる。
そして、いつも厨房にいらっしゃるにもかかわらず、そのホスピタリティと元気っぷりで客席全体に存在感のオーラを放っている店主さん。
この日はとても静かだったことが気がかりだ。
【ノー変化】店主さんのお手紙
それでも、店頭にはいつものようにお手紙が掲げられていた。
ズームアップ。
一部抜粋したい。
桜の季節も終わり いよいよサンドイッチのおいしい頃になりました。
4月1日訪問時には「サンドイッチがおいしい春がやって来ました」とのお手紙が掲出されていたので、サンドイッチは1年365日いつでもおいしいものなのだという確信を得た次第。
5月で当店も開店32周年になります。
そうだ、私がアメリカンデビューを果たしたのは昨年、31周年のとき。
2~3ヶ月に1度変わるビーフシチューフェアの名称が楽しみでならなかったなあ・・
※31周年のとき
食材等の値上がりが相当ありますが 何とか努力して今の価格でやりますのでどうか応援して下さい。
こう言われて、応援しないわけがない!
たとえ
パソコンができないアナログ店主より
と書き残されていても、このブログでは引き続きアメリカンさんを応援し続けます。
そういえば。
この度の訪問で初めて、店内に掲げられている1枚の貼り紙の存在に気付いた。
厨房近くに貼られたその紙には
「商売とは 手間を売ること」
と書かれていた。
ふと、フランスパン+食パンが添えられた、あの奇怪なビーフシチューセットを思い出す。
「おいしいサンドイッチ」がいただける名店は数あれど、アメリカンでなければ味わえないものが、あのお店にいっぱい詰まっているのだ。
時間が経つのは早いもので、もう5月も半ばにさしかかろうとしている。
32回目の5月を心のなかでひっそりと祝うべく、今月中に再度訪問したいものである。
でも、
先週から糖質制限ダイエットを始めちゃったんだよな・・・
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