8月10日(日)、ABC・テレビ朝日系列「だけど食堂」でも紹介された、分厚すぎる爆裂サンドイッチで有名な店。
東銀座は歌舞伎座の横に30年以上の歴史を刻む、その名も「喫茶アメリカン」。
今年6月に念願の初訪問を果たして以来、サンドイッチのおいしさはさることながら、店内の佇まい、お店の皆さんのホスピタリティ、いや、ひと言で表現するなら「その存在すべて」に感銘を受け、度々訪問させていただいている。
※本ブログでも、関連記事を含めて多数のエントリーを掲載中
(アメリカンのホットな情報を毎週お届けしたいと「週刊アメリカン」なる企画も始動させたが、週1ペースの訪問が難しく、僅か2回で終了。「3日坊主」というのはやはり褒め言葉であったと気づかされた夏である。)
本日は8月に訪問した際の記録を書き綴る。
1)ケーキセットの謎と爆裂サンドイッチ
アメリカンといえば、なんといっても分厚いサンドイッチ。
日々その素晴らしさを熱っぽく語っていたところ、「それなら行ってみたい」と応じてくださる先輩、1人あり。
おかげさまで、この夏、念願の「卒・ロンリネスアメリカン」 が叶うこととなった。うれしい。
というのも、「トゥギャザーアメリカン」の暁にはぜひ注文したい、と思っていたメニューがあったのだ。それは、WEBで検索しても、まったく画像がヒットしない謎のメニュー・・・
ケーキセット(800円)。
何しろあのサイズのサンドイッチが出てくる店である。
とんでもない爆裂ホットケーキとか、はたまた、全然ショートじゃないショートケーキとか、ファミリーマートもびっくりの「丼プリン」とか、そういうものが現れるに違いない。
なにしろGoogle画像検索にヒットしないのだから、大スクープの瞬間だ。先輩にはサンドイッチを頼んでもらい、私はケーキセットを楽しむ。
1人じゃないって、素敵なこと。その名の通り、天地真理は真理を突いている。

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お馴染みの女性店員さんがお冷とおしぼりを持ってきてくれたタイミングで、注文。
先輩はデビュー戦ということで、定番のたまごサンドを選んだ。そして私は
「ケーキセットを、ください」
さあ、どうなる。ケーキは選択式か?「チーズケーキとショートケーキ、どちらにしますか」なんて聞かれるのか?
「ああ!ケーキセットね、いま、やってないんです」
Google画像検索に引っかからない理由、判明。残念無念、しかし、長きに渡り気になっていたことがスッキリするというのはよい気分だ。
ケーキがないならば、ということで、まだ食べたことのなかったスモークサーモンサンドをお願いした。(2018年6月追記:現在はサーモンサンドはありません)
瞬く間に眼下に現れた立方体たち。
この日のサラダは、マカロニだった。
サラダという名のカロリーのかたまり。シャキシャキレタスが目いっぱい敷き詰められているので、マカロニと一緒に食べると実においしい。デフォルトで和風ドレッシングがかかってしまっているが、味が濃くなってしまうので、「ドレッシング抜き」でのオーダーをおすすめしたい。
パンがパンなら、挟まれたサーモンのボリュームも十分。5~6枚は挟まれていたと思う。サウザンアイランドのような色・味のソースが薄ーく塗られていて、ほんのりと甘酸っぱさを感じるのも、いい。
先輩はたまごサンドのサイズに面食らいながらも、おいしいと絶賛。私がつくったわけでもなんでもないのだが、「そうでしょうとも、そうでしょうとも」と頷きながら、非常に良い気分を味わった。
店内には「だけど食堂」の告知が貼られており、店主さんの手書きメッセージに心温まる。
※見ましたし、録画しましたし、いまだに映像を保存しています
サンドイッチ2切れのうち1切れは、テイクアウト用のケースをもらい、残業メシにすることに。2食分が1,100円、と思うと大変お得なサンドイッチセットだ。
大満足で店を出てみれば、外にも店主さんからのメッセージが。
▼ズームアップ
私も、早く秋になってほしい。
昼休みに大急ぎでアメリカンに行くと、夏場は汗だくになってしまうのだ。秋になれば、もっと来られるにちがいない。
がんばってサンドイッチをつくっている店主さん。私もがんばってブログを書かなければ 仕事をしなければ、という想いを胸に、帰社したのだった。
2)「やっと逢えたね」爆裂ビーフシチュー(現在は終売)
アメリカンで有名なのは、なにもサンドイッチだけではない。もう1つの定番メニューといえば、「ビーフシチュー」である。(※2018年6月追記:現在は販売していません)
8月いっぱいまで、キャンペーン開催中だった。
ビーフシチューとサラダ、そこにフランスパンがつくのが特徴的なセットだが、前回は12時半にしてフランスパンが品切れてしまい、代わりに食パンが提供されたのだった。
「奇跡の食パン」と称したいほどおいしい食パンと、ビーフシチューの相性に大満足したものの、逃した魚は大きいとはよく言ったもの。
いつかフランスパンを・・・!そんな想いを胸に秘めながら、正午前にアメリカンに伺うチャンスを常日頃から伺っていた。
そして8月、外出ついでに早めに昼食を取れる日がやってきたのだ。
11時50分ごろだろうか、意気揚々と店に入ると、既に女性客が何組か。お互いにお早い昼休みなことで・・・まさか彼女たちがフランスパンを食い尽くしているなんて、そんなことは・・・。
店員さんにおそるおそる有無を尋ねてみると、あるとのこと。
さすがに当たり前か・・・。
すぐさまビーフシチューセットをオーダーし、現れたのがこちら。
やっと、逢えたね。
かつて逃したフランスパンは、想像以上の大きさだった。
サラダは、
ポテトサラダの上にマカロニサラダの上にタマゴサラダ。ここまで来ると、いかにこぼさずに食べるかを楽しむ「ジェンガ食い」の境地である。
このサラダ、サンドイッチの時はレタスの上に1種類しか乗っていない。3種類がドカンと一気にいただけるビーフシチューセット、かなりお得だ。
見よ、このたまごサラダ!毎日手作りされており、白身のカットがごろごろと大き目で食べごたえ抜群。味もマヨネーズ色が強すぎず、しっかり黄身のざらつき感が楽しめて、本当においしい。
そして、念願のフランスパンといえば
底の部分が切れておらず、「花嫁修業中の女の子が切ったたくあん」の如し。それもまたよし。もう、この店で起こることはおおむね魅力的だ。
特徴を挙げると、サンドイッチのパンがアツアツ(厚&熱)だったのに対し、フランスパンはカットされているのみで、温かくはなかった。食感もしっかりフランスパン仕様で、食パンの「ふわもち感」は少な目。空気を多く含んでいるような印象だ。
そのぶん、シチューに浸すと、パンとシチューが絡まり合う。
シチューはといえば、スライスされていない丸ごとマッシュルーム、ごろごろ野菜、かためのビーフ。家で振る舞われたシチューのような、優しい気持ちになる味わいだ。
さて、ビーフシチューセットのおいしさに感動しながらも、前回掲出されていた「だけど食堂の告知」に代わる、店主さんからの新たなメッセージを探さなければ。それもまた、訪問の大きな楽しみのひとつなのだ。
店内をきょろきょろすれば、やはりあった、店主さんからのお手紙。残念ながら貼り紙の目の前にお客さんがいらしたため、撮影できず。
書き写してきたので、ご覧いただきたい。
お知らせ(御礼)
皆様方の応援もむなしく店主の母校佐賀北は東北魂に負けてしまいました。
残念でしたがまた来年の甲子園をめざしてがんばってもらいたいと思います。
佐賀北OBの店主はアメリカンを伝説の店になるように少しでも長くサンドイッチを作りつづけたいと思っています。
子供の頃は親に「おまえは何をやっても3日坊主だ」といつもおこられていたのにアメリカンを開業してからは30年以上やっているからネ!
人間は好きなことは長くがんばれると思っております。
どうか皆様アメリカンを応援して下さいませ。
そう、好きなことはがんばれる。アメリカンが大好きな私は、この貼り紙を写真に撮れなかったが、めげずに「手元のノートに書き写す」という方法でがんばることができたのだ。
記憶力がないため、幾度となく貼り紙を見ては書き写すという作業を繰り返した。食事そっちのけで書き写す私に対し、お店の皆さんからの怪訝そうな視線も感じたが、怯んでなんていられない。
しかしビーフシチューが冷めるのは避けたいので、大変な速記ぶりで書き写した。よくがんばったと思う。
アメリカンという店と提供メニューへの絶対の愛情、そこに裏打ちされた自信を感じさせる、実に熱いメッセージ。これを書き写さずにいられようか、いいや、いられない。
佐賀北高校への応援が終わった今、佐賀ご出身の皆様はぜひアメリカンを応援していただければと思う。
ところで、フランスパンは一部残し、会社の冷蔵庫で温存して翌日の昼食にいただいた。
※昼を食べてきたんだか、パンを買ってきたんだかわからない状況に
※翌日の昼食の様子
毎度おなじみ、「冷凍野菜ミックス入りインスタントコーンスープ」をおかずにしながら、フランスパンに、トーストする直前にパンにふりかけるスパイス「パパン」をくっつけて、いただいた。ちなみにメロンパン味。
フランスメロンパン、一丁上がりである。
文字面だけは高級そうだが、味はジャンクフードだった。嫌いじゃない。
3)焼かないトーストセット(現在は終売)
8月中、「夏を乗りきろう大サービス」でビーフシチューをお得にいただくことができたアメリカン。8月最終週、「夏をほぼ乗り切った記念」ということで再訪した。
注文するメニューについては悩むところだが、この日は夜に出かける予定が入っていたため、長時間の持ち歩きに耐えられるものを選ぶ必要があった。
となると、要冷蔵の具が入っているサンドイッチは避けたい。悩んだ挙句、お願いしたのはトーストセットだった。
「ついさっき、焼きたての食パンが届いたんですが、トーストしないでそのまま召し上がりますか?」
ほう・・・そういうのもあるのか。ホームベーカリーで焼いた食パンだって、焼きたてをそのままちぎって食べると、
「幸せって、きっとこんな味なのだわ」
なんて言いたくなるおいしさを有しているのだから、この店で食べる焼き立て食パンは格別のはず。
「じゃ、トーストせずにそのまま、焼きたて、ください」
そして現れたのがこちら。
トーストセットは、サラダの量が多い。ビーフシチューの時と同様、ポテサラ・マカロニサラダ・タマゴサラダの「サラダ3兄弟」が存在感濃い目に鎮座しているのだ。太るだろうなと思いつつ、このコンボはやっぱりうれしい。
そして、焼きたての食パンはいつも以上にふっかふかのしっとり食感。幸せの味どころか、極楽の味であるような気がした。どこまででも食べられてしまいそうで、怖い。
自我を保つためにも4分の3は持ち帰らせていただき、ちまちまと、夜ご飯に朝ごはんに、小分けにしていただいた。冷めてもおいしかった。
そして忘れてはならないのが、店主さんからお客さんへのお手紙チェックである。「だけど食堂」の告知、甲子園での佐賀北敗退に続くニュースは何なのだろうか。探しに探したが店内には見つからず、店を出る際、外の入り口に掲げられているのを発見。
※少しズームアップ
店主さんは辛い夏を乗り越え、大好きな秋がまもなくやって来ることを喜んでいるようであった。そして後半ではこのように書かれている。
若い頃(サラリーマン時代)は仕事に不満ばかり言っていましたが、年々仕事が生きがいになっている様な気がします。
テレビ、雑誌、ネットなどで当店は相当有名な店になっているようですが、そんなこと気にしないで、店主のわがままサンドイッチを作りつづけたいと思う今日この頃です。
(中略)
伝説の店をめざしてがんばります。応援して下さい!
「アメリカン」の魅力。
サンドイッチのおいしさ、店の佇まい、店員さんのホスピタリティに由来することは間違いないのだが、すべての根源は、やはり店主さんのパワーによるものなのだとつくづく感じる。
30年以上の歴史や、これほどのメディア露出があれば、「選び抜いた食材」とか、「ウン時間かけて作る秘伝のたまごサラダ」とか、そうした「こだわり」の部分を主張していっていいはずなのだ。
しかし、毎回楽しく拝読している店主さんからのメッセージに並ぶのは「がんばります」「おいしさに自信があります」「食べづらいけど味はおいしいです」など、気持ちの側面を言葉にしたものばかり。
店主さんの愛、情熱が溢れている。
たまらなくチャーミングで、「応援して下さい」なんて言われずとも、ついつい「ガンバレ」と思わされるこの魅力!「味や食材へのこだわり」なんて、店・商品への「愛」の一部分でしかないのだな、と気づかされる。
ああ、やっぱり、アメリカンが大好きだ!
店主さんも書かれているように、まもなく季節は「最高の秋」。何回でも食べに行きたいものである。そして、おいしくいただき、おいしかったと周りに伝える。「伝説の店」になるため(既に伝説になっているような気もするが)の一助となれたら幸いである。
明日から9月。まずは、ビーフシチューの「夏を乗りきろう大サービス」が終わった今、次なるキャンペーン名称を確かめるべく早々に訪問したいものである。
※お店情報
https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13051375/