当ブログで応援し続けている、爆裂サンドイッチでお馴染み、東銀座の「喫茶アメリカン」。
※前回記事をご覧いただいた皆様、ありがとうございました!
一生に一度は食べたい「伝説のサンドイッチ」 ― 東銀座「アメリカン」夏の訪問記 - 言いたいことやまやまです
これまで、
基本のサンドイッチセット、
ビーフシチューセット(食パンver/フランスパンver)、
ランチタイムのトーストセットをいただき、
テイクアウトのサンドイッチも堪能し、
ずっと気になっていた「ケーキセットの有無」も確認し、
※結論:「無」
ひとつひとつ、大好きなアメリカンの魅力に迫ってきたが、この度めでたく、私の訪問記に新たなる1ページが加わったのでご報告したい。
■ついに「朝(アサ)リカン」
アメリカンでは、サンドイッチセット(トースト含)、ビーフシチューセットともに1,100円(※注1)で提供されている。
ところが朝(7:00~10:00)はたった600円でトーストモーニングセットをいただくことができるのだ。
※注1:ビーフシチューセットは本来1,300円だが、キャンペーンで1,100円になっている。ちなみに、キャンペーンを行っていない日を見かけたことがない
そんなすばらしい企画にもかかわらず、ファンを名乗っておきながら、未だにアメリカンモーニングにありつけていなかった。
しかし、時は来た。
その日は確実に昼食が取れないとわかっていた日で、前日から憂鬱で仕方がなかった。
「ごはん食べるのってさー・・・めんどくさいんだよねー・・・」
なんて、気だるく髪をかきあげながらボソリと呟く、華奢で色白で低血圧な女性に憧れた日々もあったが、自らの食いしんぼう性には抗えないとわかってから、はや数年。
空腹は私のご機嫌をしっかりと奪っていく。
昼食が取れないこの日、適当なお菓子で誤魔化すことなく、夕方までお腹をいい具合に保つ方法はないかと考えた。
その末に辿りついたのが、朝のアメリカン、個人的愛称「朝リカン」だった。
世のモーニングセットの常識を超えた、アメリカンならではのトーストが提供されれば、私の腹も夕方までハッピーでいられるだろう。
よし、明日、行こう。
その晩は遠足を楽しみにする小学生のように、ワクワクで目が冴えてしまった。
ベッドのなかで、翌朝のことに想いを馳せる。
そう、行くからにはボーっと食べて終わっては駄目なのだ。
留意すべきポイントは下記3点である。
チェック1)モーニングとランチのトースト差
ランチタイムのトーストセットは、1,100円。
約半額となる朝のトーストセットの内容は、Google画像や食べログ画像ではなく、しっかりとこの目で確かめなければ気が済まない。
チェック2)ビーフシチューセットの行方
本来であれば1,300円のビーフシチューセット。
いまは9月なので、8月に行っていたキャンペーンは既に終了してしまっている。
はたして、1,300円に戻ったのだろうか。
それとも、また別のキャンペーンが・・・?
チェック3)店主近況
アメリカンの魅力はサンドイッチだけではなく、店主さんの味わい深さによるところも大きい。
店内外には店主さんからの季節のお手紙が掲出されている。
これまでのお手紙を拝読する限り、店主さんは夏が不得手で、この夏は花火大会の中止のような不運にも見舞われている。
待ちわびていた秋が日に日に深まる今、何を想っていらっしゃるのだろうか。
そんなことを考えているうちに、私は夢の世界へと誘われたのだった。
■入店前にテンションMAX!チェック項目2つが明らかに!
早朝にパキッと目が覚め、7:50ごろに東銀座の駅に降り立った。
一刻も早くモーニングセットをいただきたく、歌舞伎座の脇にある喫茶アメリカンへ小走りで向かう。
お店が近づくにつれ、胸の鼓動が早まっている・・・のは、小走りしているからであろう。
それはそうと、胸の鼓動とドキドキとワクワクがピークに達する「お店の目の前」で、なんとチェックポイント3つのうち2つを呆気なくクリアすることになってしまった。
クリア1)店主近況
入り口の真横に掲出されていた、「店主さんのお手紙」。
こんなにも目立って、読まずに入店できようか、いやできない。
何も言わず、じっくりとご覧いただきたい。
もはや叙情詩の世界である。
秋はサンドイッチの季節。
おいしいサンドイッチを頬張りながら、明日はきっといいことあるはずだと、前向きにいこうじゃあないか。
締めの2行、
だから一度は当店のおいしいサンドイッチを食べてくださいませ
この勢いには感服である。
お・・・おう!食べる!と、ファンならずとも反応してしまいたくなる力強さがある。
クリア2)ビーフシチューセットの行方
続いて目に入ったのは、ビーフシチューキャンペーンの告知である。
※どう抗おうとも視界に入る、絶妙なポジション!
5~6月は「開店31周年」というメモリアル系、7~8月は「夏をのりきろう」という季節系のテーマだった。
これまでのお手紙で、店主さんが秋を楽しみにされている様子が伝わってきたこともあり、季節に寄せたキャンペーンが展開されると踏んでいたが、真実はいかに。
では答えをどうぞ。
3
2
1
そうきたか!!
予想だにしなかった、パーソナルメモリアル系。
「真央とじぃじの誕生日記念」である。
まさか店主さんの「じぃじ」な側面に触れることができてしまうとは・・・。
これまでのキャンペーン期間は2ヶ月であったのに対し、今回は9月から11月末の3ヶ月間。
・・・長い。
お2人の誕生日が実はあまり近くないことを察した。
さらに言うなれば、「当店のおすすめ品!」というVサイン付きのPOPシールが「誕生日記念」の付近に貼られているためか、ビーフシチューよりも「お誕生日」がおすすめされているような、なんとも言えない不思議な気持ちになるのもまた、たまらない魅力である。
■トーストセットの真実に迫る
入店前にもかかわらず、またしてもアメリカンへのファン心が深まってしまった。
だが、忘れてはならない・・・本番はここからだということを。
扉を開けると、「いらっしゃいませ」の声。
いつもであれば席を指定されるのだが、朝はこちらで自由に座ってよいようだ。
先客は3組で、いずれも中年男性おひとりさま。
本を読んだり、スポーツ新聞(決して一般紙ではない)を広げたりしながら、思い思いの朝を楽しんでいる様子である。
女性店員さんがおしぼりを持ってきてくださったタイミングで、トーストセットを注文。
セットドリンクはいつもアイスコーヒーにしてしまうのだが、この日は秋の到来感に浸りたく、ホットコーヒーをお願いした。
店員さんが厨房に去ったのち、サラダのドレッシングはかけないでほしい旨を伝え忘れたことに気付いた。
マヨネーズ系サラダなので、そこにドレッシングが加わると、少々味が濃くなってしまうのだ。
いかん、そんな初歩的なことを失念してしまうとは・・・。
自分が思っている以上にテンションが高まり、舞い上がっている証拠に他ならない。
そして現れたトーストセットが、こちら。
昼食時のトーストセットをいただいた経験を振り返れば、朝は食パンの量がやや少ない印象を受ける。
その一方で、サラダはランチタイムと同量と思われた。
書くまでもないが、大変なボリュームだ。
両者を比較すると、この通り。(左:ランチ/右:モーニング)
コーンスープの有無と、食パンの量(昼は4切れ、朝は2切れ)。
これこそが両者の差の真実だった。
目の当たりにして、すっきり。
サラダを横から撮影すると、こんなことになる。
コーヒーカップが小さいのでも、サラダが小さいのでもない。
両方が規格外の大きさなのだ。
コーヒーはお店の名前どおり、アメリカンなのだろうか。
とても飲みやすく、朝からガブガブっとコーヒーをいただける幸せを感じる。
パンの量は昼の半分、と書いたものの
これが2切れ。市販の食パン半斤分くらいにはなるかと思われる。
サラダは上から、タマゴサラダ、ポテトサラダ、マカロニサラダ・・・というところまでは昼と同じだったが、なんと、その下に、
「チキンサンド(リンゴ入り)」のフィリングが!
※これです
これはうれしい。なかなかお目にかかれない。
薄くスライスされたリンゴは、シャキシャキ食感とさっぱり酸味で大変よいアクセントになっていた。
サラダのレギュラーメンバーについても言及しておくと、タマゴサラダにおいてはタマゴの白身が、ポテトサラダにおいてはジャガイモがゴロンゴロン。
どちらもマヨネーズサラダなのに酸っぱくなく、しっかりとタマゴ、ジャガイモを食べているという感覚があって、何回食べても幸せになる。
そんなサラダたちを乗せたり、イチゴジャムを塗ったりしながら、ふかふかのトーストを楽しむ。
イチゴジャムも、変に気取っていない、素朴で普通な市販ジャムというところにグッとくる。
そもそも食パン自体がほんのりと甘く、何もつけないプレーンな状態でもおいしいのは言うまでもない。
そのおいしさに一心不乱に食べ続け、コーヒーを飲むのも忘れ、
完食。
最後にゆっくりとコーヒーを飲みながら、出社までの時間を過ごしたのだった。
■テイクアウトは時間に注意!
私がトーストを堪能していた8時台、テイクアウト用のサンドイッチを求めるお客さんが数名来店していたが、彼らにサンドイッチは提供されることはなかった。
その理由は「食パンが熱すぎて切れないから」。
思い返せば8時ちょうどごろ、おいしい食パンを納入している「新橋ベーカリー」さんがやって来ていた。
本当に出来立ての、長ーい状態のまま、食パンを持ってきているということなのだろう。
10分、20分ほど放置した程度では、そのパンは冷めないのだ。
食パンが冷めるまでの間、厨房ではテイクアウト用の「ミックスバケット」を作っていらっしゃるようだった。
バケット、すなわちフランスパンは冷めた状態で納入されているか、前日のうちにお店に届いているものと推測する。
(パン屋さんでアツアツのフランスパンが置いてある姿を見たことがないし・・)
8:10ごろには、テイクアウト用のショーケースにどんどん陳列されていく。
※過去記事より。9時ごろ訪問した際に撮影したが、ミックスバケット以外の棚は空である
・・・となると、モーニングセットのトーストは、前日に余った食パンということだろう。
サンドイッチではなくトースト一択なのは、きっと、パンが届いてから時間が経っているため、焼くことでおいしさを再び引き出す必要があるからだ。
モーニングセットをお客さんに提供しながら、テイクアウトの商品やお昼に向けた仕込み。
テキパキと働かれているお店の方々の姿を見つめながら、ふと思う。
お忙しいなか、テイクアウトを求めるお客さんとの
「テイクアウトのサンドイッチ、ありますか?」
「さっき食パンが届いたばかりで、熱くて切れないのよ」
「そっかー、じゃあまた来ます」
といった具合のやりとりに時間を取られてしまうのは、少々大変なのではないかな、と。
お店にとっても、お客さんにとっても時間のロスが少なくなったら幸せなのではないか・・・という想いで、大きなお世話も甚だしいのだが、下記の通りご提案させていただきたい。
朝のアメリカンさんでテイクアウト商品を求める際は、
・8:30~ ミックスバケット
・9:30~ 各種サンドイッチ
この時間帯を目安に訪れていただくとスムーズになるはずだ、と!
■600円以上の価値が、そこにはある
改めてモーニングセットを振り返ると、600円とは思えないボリュームだった。
量による満足感だけでなく、急かされずにじっくりと朝食を堪能できる点にも価値を感じる。
店内にはスポーツ新聞や雑誌もたくさんあるので、そちらを読みながら時間を過ごすのもおすすめ。
モーニングセットのことばかり言及してしまったが、あくまで喫茶店なので、「飲み物だけ」という選択肢もあるし、「サラダは食べきれないから、トーストだけ欲しい」という要望も通る。
※ちなみに、昼の時間帯は飲み物単品だと500円。朝の方がおトクだ
モーニングセットを完食した私は、見事夕方まで良好な腹具合を保ちつづけることができた。
夜も、わかめサラダとおからを食べただけである。
夕方までの約1日の食費が、600円で済んでしまった・・・。
また、「今朝、大好きなアメリカンに行けた!」という気持ちのせいか、いつになくご機嫌な1日を過ごせたように思う。
その価値はまさにプライスレス!
お世辞抜きで、本当においしくて、本当に大好きなアメリカン。
モーニングセットを食べれば、明日どころか、「今日はきっといいことある」と思えてくるに違いない。
・・・惜しむらくは、モーニングセットはサンドイッチでなく、トーストだという点だろうか。
いや、あの盛り盛りマウンテンサラダとおいしい食パンが堪能できれば十分、十二分!
朝から力が欲しい、そんなときはぜひとも、アメリカンへ!
そしてランチタイムにもご訪問いただき、伝説の爆裂サンドイッチをお召し上がりいただきたいものである。
※お店情報
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