リクナビNEXTジャーナルさんに寄稿した。取材させていただいたお店のひとつは、東銀座駅すぐ近くにある伝説のサンドイッチ店「喫茶アメリカン」。
食パン一斤分ほどのボリュームサンドイッチが名物。初めて訪れたのは2014年のことで、そのおいしさと、ゴーイングマイウェイな営業スタイルに魅せられ、毎週通った時期もあった。…が、昨年うっかり糖質制限にハマってしまったがゆえに「食パンこわい」症候群に悩まされ、足が遠のいていたのである。
リクナビNEXTジャーナルは「働く人を応援するメディア」。寄稿させていただくにあたり、仕事中に元気をなくすとアメリカンに駆け込んで気合いを入れていたことを思い出したのだ。これは、書かせていただかねば。働き人たちに紹介させていただかねば。ええい、もう糖質制限やめやめ!
そんなこんなで11月、1年近くご無沙汰してしまっていたアメリカンに再訪問を果たすことができたのだった。
モーニング、変わる
TVで紹介されることも多く、ランチタイムは店頭に行列ができるほど。そのため取材の相談などをさせていただくにあたり、昼よりはいくらか落ち着いているモーニングタイムに伺うことにした。朝の営業時間は8時から10時半までだ。(ちなみにランチは12時から15時まで。14時過ぎにはパンが品切れる可能性大)
勇んでアメリカンに向かったものの、店頭に掲げられているメニューを見て仰天。
モーニングの時間から、サンドイッチが食べられるの!?
アメリカンのモーニングは、サンドイッチではなくトーストとサラダだったはず。
「トースト、やめちゃったんですか?」
「朝来てくれるお客さんに、サンドイッチが食べたいって言われることが多かったんだよ。あと、オーブントースターがひとつしかないから追い付かなくて!」
と、厨房から店主さんが教えてくれた。
そうかあ、トーストしたときの、外側の「サクッ」と内側の「フワッ」のギャップがたまらなかったんだよなァ…。ちょっとした喪失感を胸に携えつつ、タマゴサンドとブレンドコーヒーをお願いした。相変わらずの瞬速で提供されたモーニングサンドイッチが、こちら。
♪ダイナミック、アメリカ~ン(ダイクマのCM)
アメリカン通の皆さんはご存知でしょうが、奥に控える巨大サンドもふくめて、1人前。記事を書くにあたり数回通ったのだが、2度目もタマゴサンドをお願いしたところ、
おまけつき!
やさしさが沁みたなあ。リクナビさんの記事のなかではタマゴの魅力しか語れなかったけれど、おまけとして盛っていただいたお手製のチキンサラダ(リンゴ入り)がまたウマイんだ。
薄くスライスされたリンゴのシャキシャキっとした触感と、果物ならではの甘酸っぱさがマヨネーズ風味のチキンサラダにとっても合う。強烈な量の食パンに挟まれているからゴツく見えるけれど、さわやかな、おしゃれな味がするのだ。キュウリじゃ、こうはいくまい。
そして新橋ベーカリーさんから直送される食パンのすばらしさ。
焼きたてでふわふわしすぎているものだから、パン切り包丁を以てしてもうまく切れないのだ。だからこうして、真ん中にカタマリが。
やっぱり、アメリカンのサンドイッチ、おいしい。唯一無二だ!
テイクアウトの匠がいた
ところで、私は1年近くアメリカン通いをサボっていた身である。その間に、私のアメリカンレベルが下がっていることを痛感したので記しておく。
気づきをくれたのは、近くの席にいたスーツ姿の男性3人組だった。一緒に朝ごはんを食べてから会社に行くなんて、なんと微笑ましいことか。皆そろってタマゴサンドをオーダーしていた。
「(サンドイッチ)2つはきついね」などと話す2人を横目に、1人は完食目前。「大丈夫ですよ、持って帰れますから」と話すあたり、アメリカンの伝道師ポジションの方なのだろう。
そう、アメリカンは人の心を揺さぶる魅力にあふれているため、ついつい、そのオーラにあてられて伝道師化してしまうのだ。アメリカンだけで約20本の記事を書いている私が言うのだから間違いない。
食事処-喫茶アメリカン(東銀座) カテゴリーの記事一覧 - 言いたいことやまやまです
伝道師はマダムにテイクアウト用のパックをもらうと、「こうやるんです」と言って、あまりに鮮やかな手つきでサンドイッチをテイクアウトパッケージ化してしまった。
いかに鮮やかであったか…恥をしのんで真横で真似しましたよ。ご覧ください。
1.テイクアウトパックをサンドイッチにかぶせる
2.天地逆にする
3.お皿を外して
4.ホチキスで封をして
5.完成!
いやー、すごい。ふつうは「サンドイッチINTOテイクアウトパック」の発想でしょう。でも奴さんは違うんだ、「テイクアウトパックONサンドイッチ」なんだ!!チクショー!頭いいな!!アメリカン愛あふれてるな!!!
あのパッケージング技術をを目の当たりにした瞬間のくやしさ、忘れるまい。あまりにも悔しかったので、次に行ったときは自宅からジップロックコンテナを持参した。意識の高さを感じていただけるだろうか。エコ!ロハス!オーガニック!
そしてあの手順で、
これを、
こう。
まるであつらえたように、ぴったり…!
あの伝道師もここまでのことは知るまいよ!ハハハ!見たか、愛の力!
年末年始の営業
かなり緊張しながら取材の相談をさせていただいたところ、皆さん快く対応してくださり、店主さんに「こっちに来てごらん!」と厨房を見せていただいて感激。
ずっと客席から遠目に見ていたキッチンが、目の前に!
30越えて、もう有名人やタレントにキャーキャー言うような気力もなくなっていたけれど、頭が沸騰するくらいうれしい出来事でありました。
年内は30日まで、年始は4日からだそう。
平日は行けないという方、チャンス。毎年そういう方がたくさんいらっしゃるのでとても混むとのことだったけれど、一生に一度はアメリカンをぜひ。
私はアメリカンへの恋路を再び歩みだそうと思います。