出張で福岡・天神に行った。
取引先との打ち合わせが午前中だったこともあり、最後は自然と「昼食はどうするか」という話に。仕事中という都合上、遠くまで足をのばすことはできないため、駅近辺でおいしい食事処を教えていただいた。
「食」は人をつなぐ
「食べることが大好きだ」という旨をお伝えしたところ、取引先の方と意気投合。「明日にでも、よかったら行ってみてください」と、嬉しそうにいくつものお店を推薦してくださった。ゴルフができなくても、サッカーや野球を語れなくても、「食べ物が好き」で、会話は十分に成立するんだなあ。むしろスポーツ以上に、性別年齢を問わず、誰とでも情報交換できるすばらしいトピックかもしれない。
「外食が好き」と話すと、食事処のレコメンドを受けやすい。ある人は得意げに、ある人は愛おしそうに、ある人は嬉しそうに。
とにかく皆さん一様に、ポジティブなオーラを纏いながら、お店の情報をくださるのが印象的だ。そんなプレゼンテクニックもあいまって、どの情報も魅力的。伺うたびに、レコメンドされたメシ処、題して「レコメシ」リストを加筆しており、お店の名前は増える一方だ。
「こないだの店、行ってみた?」
「ええと、行きたい気持ちやまやまです・・・」
なかなか訪問できておらず、「あいつの“そのお店、必ず行きます”は社交辞令でしかない」と思われていないかと、不安を覚える日々である。
天神駅直結!パルコ内の名店「極味や」
さて、出張先でのお昼ごはん。取引先の方に薦めていただいたのが、ハンバーグのお店「極味や(きわみや)」。天神駅に直結している福岡パルコの地下1階にあるのだが、大人気で入店待ちの列ができるらしい。それならば、と早めの11時半ごろに行ってみたのだが、この有様だった。
「極味や」グループは佐賀の伊万里牛を提供しており、ハンバーグ専門店以外にも、焼き肉、もつ鍋などの専門店も展開しているという。なかでも今回訪れたお店は、韓国人ブロガーさんがブログで絶賛したことがきっかけとなり、韓国人観光客の方々から大人気だそう。
※参考:韓国人だけが行列を作るハンバーグ屋が福岡市内にある!FBSめんたいワイドで、当社実施施策の効果を取材いただきました
人気ゆえ、韓国に「極味や」を手本にしたに違いないとされるハンバーグ店、その名も「福岡ハンバーグ」があるらしい。ぶったまげ。
行列に加わると、確かに目の前に並んでいた女性は韓国の方だった。
並んでいる間に渡されたメニューがこちら。ハンバーグ専門店ということもあって、内容はいたってシンプルで、
ハンバーグステーキ(ソースの種類と大きさは選べる)と、
柔らか煮込み牛丼。でもここは、看板メニューのハンバーグでしょう。
ランチセットは「ハンバーグ+ごはん・サラダ・味噌汁・ソフトクリーム」で、ハンバーグ以外はおかわり自由!好きなだけソフトクリームを食べてください!
これだけでもうれしいところだが、それぞれが単品メニューとしても成立しているところが、糖質制限者にとっては感激ポイント。ハンバーグ単品に、それぞれ100円~200円ほどで単品のごはん、サラダ、味噌汁、ソフトクリームが組み合わせられるのだ。もちろん、おかわり可。問答無用でごはんがついてくるランチセットが主流であるなか、なんて気が利いているんだろう!
並んでいる最中に店員さんがオーダーを聞きに来てくれたので、ハンバーグMサイズの単品と、サラダ単品をお願いした。
口の中が、伊万里
待つこと15分ほどだったろうか。やっとお店の中に入ることができた。大きなテーブルの中央には背の高い調味料台がそびえ立っており、カウンター感覚で座ることができる。これならひとりでも来店しやすい!席には肉汁対策用の前掛けが用意されているのもありがたい。
しかしそれ以上に心躍らされたのは、
キューちゃんに高菜に柴漬け・・・漬物3種が食べ放題!!!
これと、お肉と、白いごはんの組み合わせが、ウマイんだろうなァ・・・。いやいや、糖質の誘惑に負けてなるものか。煩悩を振り払ったところで、伊万里牛ハンバーグとサラダ(おかわり自由)が登場。
※興奮しながら盛り付けた漬物とともに撮影。鉄板が牛。
こちらのハンバーグ、「食べ方」があるという。せっかくなのでそのルールに則って、いただいてみよう。
- 激レア状態で提供しているので、ペレット(右側に置かれた、アツアツの石)で焼きながら食べてね
- 最初はなにもつけずに、伊万里牛本来の味を楽しんでね
- 次はイチオシの「肉ダレ」につけて食べてみてね
- あとは好きな味付けでどうぞ
ということらしい。
ハンバーグのお肉は確かにレア。真っ赤だ。
これをペレットなる石の上に乗せて焼く。
ハンバーグと言ってもツナギの存在感はなく、それゆえ、ペレットで焼きすぎるとお肉がぼろぼろと崩れ、そぼろのようになってしまう。食べ方にコツがいるなあ、と思いながらのひとくち目。
・・・おおお・・・甘い・・・!
細切れにされたお肉がギュッと練られているせいか、とろけるような感覚も味わえる。これは確かに、韓国人ブロガーさんも絶賛するにちがいない。ふたくち、みくち、と、お店の指示通りに味付けを変えながらいただいたものの、お肉の味がおいしすぎて、最後は何もつけずにバクバクと。
白米への想いが募ってくるが、そんな心のスキマは生野菜が埋めてくれるから大丈夫。
※野菜をごはんに見立て、漬物とお肉でおいしくいただく(写真の撮り方がひどすぎて伝わらないのが無念です)
無心であっという間に平らげてしまった。入店待ちの行列に並んでいる間に調理しておいてくれるので、席についたらすぐハンバーグ。思っているよりもスムーズに食事ができた印象だ。おいしいお肉をサクッといただきたいときには便利かもしれない。
「レコメシ」は人と人の距離を縮める
「極味や」でおいしいお肉を堪能した旨、同店を薦めてくれた方々にお伝えしたところ、とてもうれしそうにしてくれた。本当に、思いのほか、喜んでくださった。すごくうれしい。
「すごくおいしいけれど、石で焼くのは、結構コツがいりますね」
と、率直な感想も伝えてみたところ、
「確かに、もう少し焼いてから出してくれるといいですよね。石の上でぼろぼろになりますし」
・・・それです!
あたりさわりのない「おいしい」以上の感想を共有できたことにもうれしくなった。電話やメールではやりとりしていたものの、直接お会いするのは初めてだった皆さん。「食」をきっかけに、(こちらの思い込みかもしれないが、)ぐぐっと距離が縮まった気がした。「本当に行ってくれたんですか!」という笑顔が、実にうれしかった。
私もこんなブログを書いていると、読んでくださった知人・友人に「あの店行ってみたよ」などと報告を受けることがあり、そのたびに、確かにとてもうれしい感覚を抱く。
でもその喜びを、きちんと表現できているだろうか・・・。
「薦めたお店に行ってくれて、うれしい」と、素直に伝えていきたいと思った。
小さなやりとりだけれど、それは人と人の距離を近づけるに違いない。
そして私の手元にある、すいぶんと増えてしまった「レコメシ」リスト。「いつか行こう」に留めず、やっぱり足を運んでみよう。
※福岡でお世話になったNさま、東京でおいしいものを一緒に食べに行く日を楽しみにしております!また福岡にも個人的に行きます!!