銀座八丁目のビルの2階にあるお店。それでもお店の存在に気付いてしまったのは、店頭にある、味わい深い看板ゆえである。
凄まじくおちょぼ口なコックさん、since1984と書かれていた。みうらじゅん隊長、ここにシンスを発見いたしましたあ!コックの丸眼鏡はいまや滝藤賢一のトレードマークだ、ザ・おしゃれ。ここは銀座なのに、拭っても拭っても拭いきれないイモくさいかんじが、そこはかとないオーラをビンビンに放っている。
いや、肝心なのはそこじゃない。コックの手元には「洋食屋」と刻まれているにもかかわらず、上には「七賢蔵元直営」とあるではないか。日本酒×洋食とはこれいかに。
年季の入ったウッディな店内はビールが似合う。ワインでもいい。でも蔵元直営なのだ。不思議な感じ。
食べ物メニューはオリーブ、レバーペースト、エスカルゴ、かと思えばモロキュー、ミックスナッツやチョコレートもラインナップされ、ピザはきっと薄めでコンパクトなタイプ。パスタはペンネオンリーだ。ビストロではない、イタメシでもない、これぞ「洋食居酒屋」。
目移りするので、全10品(3,000円)からなるパーティーコースをお願いした。食べたいメニューがあればコース内に組み込んでくださるとのことだったので、「仔羊串揚(800円)」を入れてもらうことに。
なんでもない日バンザイ!パーティーメニュー(3人分)
1品目は牛舌塩漬(通常800円)。写真はないけれど、せっかくなので雰囲気に合わせて「Bass ペールエール(550円)」を一緒にいただいた。おいしかった。…ぐ、ぐるめに、なりたいです…。
トマトサラダ(通常600円)のタイミングで七賢ターーーーイム!
ワイン感あふれるデキャンタ&グラスでいただいたのだが、それが何というお酒だったかすっかり失念しているんだもの、笑っちゃうなあ。「七賢」を造っている山梨銘醸(山梨県)さんのお酒が10種類くらい、グラス300~400円くらいから安価にいただけることが何よりのポイントなのに!たしか「風凛美山(デキャンタ1,000円?)」と「ビロードの味(デキャンタ1,100円?)」をいただいたはず…食べログを見ながら必死に思い出すもののギブアップ。思い出せない。
そんなタイミングでこの日いちばんのお気に入りとなった油揚チーズ焼(600円)が登場。
テーブルに届いた瞬間からふわりと、チーズの香り。ああ、この匂いはオレンジ色のやつだ。油揚げはサックサクで、ポテトチップス感覚で一同バクバクとがっついた。ポテチだと罪悪感があるのに、油揚げだと許される気がしちゃう、しちゃうのよ。
このメニューを真似したいばかりに、その日のうちにAmazonでコンロ用の網を購入しちゃったんだけど、約1か月が経とうとしている今、網はオブジェと化している…。
続きましてはキャベツとはまぐり。
これは通常メニューにはありませんでした。この汁っぽいお料理とともにガーリックトースト(通常600円)が提供されたところに感激したなあ。マスターが直々に持ってきてくださり「一緒に食べるとおいしいですよ」と。そりゃそうですよね!
またこれが薄味に仕上がっているのが、「はまぐりと言えばお吸い物」派としてはうれしいのなんの。はまぐりの味をしっかり味わうことができる。
ここで前述の仔羊串揚!ねぎま状態になっており、お肉の旨みとネギの甘さを堪能。
きびなご唐揚(通常600円)もおいしかったな。まるまると大きくて、揚げたて。敷かれたレタスがケチケチしていないのが最高です。レタスでくるっと巻いて、ああおいしい。
続きましては風味をがらっと変えて、鶏レバーウスターソース漬(通常500円)。メニューに書かれていなくてもウスターソースだとわかるほどの主張ぶりだ。酸味が効いたレバー煮をいただくのは初めてかもしれない。砂肝とうずらも入っていて、食べごたえ抜群。お酒のおつまみはどうしても味が濃いから、レタスが敷かれているのがつくづくうれしい。
ズッキーニ揚げ(通常メニューにはない)は、薄い豚肉でズッキーニを巻いてからフライにされていた。火の通った肉×野菜のマリアージュよありがとう。旨い・さっぱり・ジューシー!
〆はなすミートペンネ(通常1000円)。火の通ったナスに裏切られた試しなんてない。案の定うまい。意外と日本酒を邪魔しないことにびっくりです。
次回はアラカルトでお願いしてみよう。
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