中野にお勤めの方に「おしゃれできれいなお店じゃなくていいんです、とにかく、うまいものを飲み食いしたいんです」とリクエストし、紹介していただいたのが東中野駅は東口から5~6分歩いたところにある「かんじ」さん。
レトロな電飾。手のサインは「儲かってます」の合図か…?
階段を上がり戸を開くと、それなりの広さ(食べログ情報だと50名入る)のお店であるにもかかわらず、20時時点でかなり盛況。きびきびとした、それでいてあたたかいマダムたちがホール全体を仕切っている。
「今日のおすすめ」だけでも数多のメニューが紙を覆いつくしていたが、驚くべきは定番メニューの多さ。クリアファイルにぎっしりと詰め込まれたページ数、どのくらいあったろう。
ちなみにお通しは味玉。入口の電飾、マダムたちに漂うあったかムード、そしてこの玉子の姿を見ただけで「私、お店のファンになっていいですか」気分だ。お通しの「甘すぎる切干大根」とか「少ないもずく酢」とか「解凍したてでビッシャビシャの枝豆」とか本当にテンション下がるもんな…お通しは大事。
メニューが多すぎて困ってしまい、マダムにアドバイスを求めると「お刺身と馬刺しを召し上がる方が多いですよ」とのこと。「じゃ、ま、とりあえず刺し盛りと…」なんて雑な頼み方をした我々をあざ笑うかのような、
お刺身盛り合わせ(1人前1,500円~/上記は3人前)!
うな重のお重の広くて浅いやつ(要は”重箱”なんだけど、質感がとてもうな重っぽかったので…)が2段重ねになっていた。まさか2段目にも魚が入って…いない、それはない。代わりにクラッシュアイスがびっしりと敷き詰められていて、重箱全体が冷え冷え。お刺身はバリエーションたっぷりで分厚くて、日本酒フェーズに入っていないうちからオーダーしたことを悔いた。つくづくグルメじゃないよな。
馬刺し(1,100円)も、とろけました。
カウンター席にはびっちりとメニュー短冊がぶら下がっているのだけど、そのスペースのなかに「人気メニューランキング」なるものが。そこにランクインしていたのが
「アスパラ豆腐」(400円)。下の方に、よーく茹でられたアスパラが入っているんだ。豆腐自体にもアスパラ成分が含まれていたのかなあ。マヨネーズでいただく豆腐、美味でした。
自家製の「和風かにしゅうまい」(700円)。
よもぎふ揚げだし(650円)。
この「マグロしそ天ぷら」(650円)は感動したなあ。
口にサクッと放り込めば、中からじゅわーっとマグロの脂。それを追いかける大葉の香り。日本酒と一緒にいただいたけれど、あっさりと焼酎水割りなどに合わせてもよかったかも。料亭もびっくりの豪華な味わい、650円だなんて…。
〆にそれぞれお願いしたのは
焼おにぎり(2個500円)
あさり汁(400円)
はまぐりのお吸い物(400円)
そしてデザートに鶏の唐揚げ(650円)です。
おいしくてお手頃価格でお店があったかくて、心の底から誰もが「いいお店だね」と言うに違いない「かんじ」さん。
野菜炒めや肉じゃがのような家庭料理系もあればステーキもあるし、串焼きもある。居酒屋さんとは思えぬサラダメニュー数(7種類)を誇り、〆はおにぎりお茶漬けのみならず、蕎麦にラーメン、焼きうどんまで。近所にあったら、通っちゃう。近所じゃなくても、一度限りの訪問じゃ未練が残りすぎていて辛い。近日中に再訪せねば。ポレポレ東中野で映画を観る予定でも入れようかなあ。