※2017年6月1日のオープン初日にご招待いただいた様子をレポートした記事です。最下部の営業期間は2018年版に更新しました※
明治記念館で毎年期間限定オープンしている「鶺鴒(せきれい)」は、ビルの屋上で開催されているビアガーデンとはひと味違う。手入れの行き届いた、青々とした庭園を愛でながらビールをいただく「ビアテラス」なのだ。
6月1日にオープンした「鶺鴒」にご招待いただいた一夜の想い出をここに記す。
目次
背筋が伸びるビアテラス
明治記念館は青山一丁目駅から徒歩10分弱。信濃町駅も近い。歩くほどに周囲の緑が増え、辿り着いた先の門構え、入ってすぐのところにある「憲法記念館」と記された石碑に背筋が伸びた。
いきなり余談だが、最近図書館に行っては日本史まんがを読んでおり、明治初期の巻を読み終えたばかりである。デフォルメされたかわいらしい伊藤博文氏に心ときめかせたのはつい最近のこと。感慨深い。
館内に入れば立派な階段とシャンデリアがお出迎え。
見事すぎる筆文字で書かれた「ビアテラス鶺鴒」の文字を頼りに、テラスを臨む「金鶏(キンケイ)の間」に入る。
フロアを歩けば響く、歴史を感じさせる足音。
この部屋は明治14年に赤坂御所の別殿として建てられたもので、仮皇居時代の会食所だったそうだ。明治21年には明治憲法制定のための御前会議が開かれたと記されていた。
そして、窓の外は「ビアテラス」!
この日はあいにく日中に雨が降ったせいで曇り空だったけれど、夕焼け空だったら格別だろうなあ。
席につき、すぐさま一番搾りフローズン黒生(900円)で乾杯。つまみなしでもビールがうまい。しっとりうまい。身体に染みわたる。
32にもなると元気に酒が飲めなくなってくるのだなと悟った。ウェイウェイしないビアテラス、実にいい。落ち着く……。
雰囲気だけじゃない!味も価格も「大人」なフードメニュー
50種以上あるフードメニューのなかから「プレミアムメニュー」を中心にオーダー。まずは「鶺鴒」名物の国産牛のローストビーフ(2,800円)から。
そのジューシーさにびっくりする。全然パサパサしてない!さすが結婚式場のローストビーフ…ハピネス運搬力、すごいな。
オマール海老のピザ(2,000円)は女性陣に大好評。
価格のオマールっぷりはこの際無視!
鮑の塩蒸し雲丹合わせ(3,500円)という高貴なお料理にいたっては、感動で手ブレした上に、肝心の鮑と雲丹の撮影を失念!!!(これだからいつまでたっても二流なんだ…)
鮑のスライスに雲丹が挟まれているという、贅沢すぎる一品。彼らを覆うワカメまでもがおいしかった。明治記念館という会場じゃなければ、鮑の貝殻のなかに沈む汁を飲み干していたことでしょう。
70周年記念メニュー
さて、今年は明治記念館70周年というメモリアルなタイミングだそうで、70周年記念メニューが4種類。いわば、プレミアムメニューのなかのプレミアムメニュー。
ひとつ目は、国産牛のサーロインステーキ(4,000円)。旨かった、やわらかかった…。慣れない価格にビビッて、味がなくなるまで噛み続けた。味のしなくなったチューインガムは捨てるけれど、味が薄れたサーロインステーキはぎりぎりまで咀嚼するんだ。
海老のマヨネーズ3種盛り 冷製仕立て(2,000円)は1日10食限定の品。マヨネーズ味に頼っていないので海老のおいしさもしっかり。きっちりした場所にきっちり書かれた「70th」が愛おしい。真面目さが伝わってきます。
1日10食限定メニューといえば、こちらのプレミアム御重。その価格、なんと1万円!
フォアグラ、キャビア、オマール海老、いくらなどプレミアムな食材がたっぷり詰められている。
冷製料理の一の重、
温製料理の二の重からなる2段構成になっている。
鶺鴒さんはメニュー数が多くて目移りしてしまうので、迷ったらこの御重を選ぶのもよいのでは。
特に二の重のフォアグラがおいしかった…洋梨のスライスが挟まれているというおしゃれ仕様に感激。ピザのときも思ったけれど、オマール海老は海老そのものもさることながら、ソースが本当においしい。一の重に詰められているクラッカーのようなものと一緒に楽しむのもおすすめです。
最後の70周年記念メニューは、プレミアムメニュー籠盛り(7,000円)。
御重がフレンチならこちらは和。鮎の塩焼き、鯛の酒粕焼き、鮭の西京味噌などなど…。すっかりいい気分になっていたので烏龍茶を飲んでしまったことが悔やまれる。日本酒といただきたかったなあ。それにしたって、玉子焼きひとつとっても真ん中に鰻がキラリ、プレミアム。周年記念メニューさすがです。
数々のお料理を堪能するにつれて傾いていく太陽。過度な照明は用意されていないので、必然的にお料理の写真も暗めに…。フォトジェニック度が薄れてしまうことが悔しいが、私はこのように申し上げたい。
SNSのために生きているわけではないのだと!
きれいな写真なんていらないのだと!
心のシャッターを切り続けろよと!!
私の記憶には、きらきらと輝くフォアグラ、オマールエビ、鮎たちがくっきりと刻まれております。食事はシェアするためのものじゃない!自分自身が楽しむための崇高なる行為なのだ!(きれいな写真が撮れなかった言い訳)
この日は周年記念のプレミアムメニューばかりいただいてしまったけれど、アラカルトメニューの「2種の鯖サンド(1,000円)」「カツサンド(1,200円)」あたりも気になったなあ…。
1日3回のショーが大人たちを盛り上げる
「鶺鴒」の魅力は、ロケーションとおいしいお酒、お料理だけではない。18:30、19:30、20:30の合計3回、中央の庭園にて趣の異なる3種のショーが催されるのだ。
1)18:30の部 ヴァイオリン演奏
ショート丈のドレスがかわいい!
このロケーションなので優雅なクラシック音楽が演奏されるのかと思いきや、割とポップな楽曲で、小学生のころに習っていた「リトミック体操」を思い出しました。
それぞれのショーの時間はそれほど長くはないのだが、各回ともにMCの男性が美声で進行してくれるのがたまらない。ステージが正方形なせいか、リングアナウンサーよろしく「あぁかぁ、コーナーァァァ」と言ってみてほしくなる。
2)19:30の部 日本舞踊
この日の演目は「祝いづくし」。3人の芸者さんが華麗な舞を披露してくれるのだが、こちらも楽曲が割と軽やか。「和系乙女ゲームのBGMっぽい」で伝われば幸いです。
※友人に描いてもらった「和系乙女ゲームのBGMっぽさ」
※お店の名前「鶺鴒(セキレイ)」ももはやゲームタイトルのように思えてきた……
芸者さんたちの演技が終わると、MCの方の美声進行のもとで記念撮影をしてもらうことができる。
「はい、みなさん笑顔で!」などなど、イケメンボイスでの進行にそりゃ笑顔にもなろうて。
イケボにニヤニヤ。
さらにときめくのが、まさかの「現像サービス」(1枚1,000円、額入り2,500円)!
コーナーにロゴ、そして明朝体で日付まで…ジェットコースターに乗ったわけでもないのに!現像写真なんて久々に手にしたけれど、じわりとうれしいな…。
3)20:30の部 スチールパン&ヴァイオリン
18:30の部のヴァイオリニストさんが再登場。「リトル・マーメイド」の「アンダー・ザ・シー」やボーイズタウンギャングの「君の瞳に恋してる」などなど、よりポップな演奏に。
やっぱりかわいい。こうして目の前まで来てもらえるなんて、おじさまたちはタマラナイのではないでしょうか。
気分最高!
4)ショーの終わりにデザートを
いわゆる「ビアガーデン」と異なるのが、デザートメニューの充実ぶり。3回のショーを楽しんだあと、コーヒーとケーキをオーダーした。
館内の「菓乃実の杜」のケーキ(各650円)、この日は全7種のラインナップ。
贅沢に「コンプリート食い」を果たす。
ただでさえおいしいのに、屋外で庭園を眺めながらだなんて。ほかにもフレンチトーストやパフェ、プリンなど種類も豊富。ワインとおつまみをいただいてから、スイーツ中心に楽しむなんていうのもよいかもしれない。
店舗概要と予約について
ビアテラス「鶺鴒」は9月13日(水)までの期間限定店で、一部の土日を除いては平日限定営業。
予約は庭園を臨むプレミアムシート(ガラステーブル、クッション付ソファー型シート。100席限定)のみ可能で、1テーブル6,000円(本体価格)のテーブルチャージ料がかかるのでご注意を。ちなみに、屋根がないため雨天時のプレミアムシートはキャンセル扱いになる。
※庭園席催行中止が決定次第、明治記念館さんから電話でお知らせが入るそう。飲食中の突然の雨の場合はチャージ料の返金はないそうなので留意しておきたい
その他庭園及びテラスを含む一般席(籐の椅子、木のテーブル)は当日受付のみ。17時オープン・先着順なので午後休をとって行くのがおすすめです。
営業期間:平成30年6月4日(月)~9月14日(金)
営業時間:17:00~22:30(ラストオーダー 料理21:30 / 飲物 22:00)
※平日のみの営業
※但し、8/18(土)・19(日)は特別営業
※8/13(月)~8/19(日)の営業時間は16:00~22:30
■詳細・予約・問い合わせ先
明治記念館 tel. 03-3746-7723
ビアテラス「鶺鴒」|レストラン|東京元赤坂 明治神宮の結婚式場 明治記念館
確かにお高いけれど、プライスレスな時間が過ごせる「ビアテラス鶺鴒」。夏の接待やとっておきの飲み会など、大人におすすめのビアガーデンです。