今年12月に新作「エピソード7/フォースの覚醒」の公開が予定されている「スター・ウォーズ」。
4月29日~6月28日、六本木ヒルズで行われている企画展「スター・ウォーズ展 未来へつづく、創造のビジョン。」もまた、初日には6時間待ちだったという大盛況ぶりである。
中学1年生のころ、「エピソード1/ファントム・メナス」が公開された。
友人と観に行った記憶があるが、「おもしろかった」以上でも以下でもなく、それきり。
私の30年の人生と「スター・ウォーズ」の接点はごくわずかだ。
今、再び盛り上がっている「スター・ウォーズ」のニュースを目にするたび、同シリーズに影響を受けたという方々の姿が、なんだか羨ましくなる。
聞けば、超大作だというではないか。
なぜそれほどの作品が、私にとっては「過ぎ去った風景」にとどまってしまっているのか!
「我が人生、スター・ウォーズから受けた影響計り知れず」的なことを言いたい!
我が感性、疑うべし!
・・・エピソード7公開のタイミングこそ、チャンス。今からでも遅すぎることはない。
エピソード1~6を鑑賞するのは絶対として、まもなく終了してしまう企画展に足を運ばないわけにいかない!
ということで、準備運動的に会期終了間際の「スター・ウォーズ展」に行くことにしたのだ。
■どんな展示?
ジョージ・ルーカス氏が世界中から選りすぐったアーティストに依頼し、「スター・ウォーズ」からインスピレーションを得て、描いたアート作品を展示。
SF作品のビジュアル・デザインの第一人者シド・ミード、ファイナルファンタジーシリーズのキャラクターデザインを手がけた天野喜孝など様々なアーティストが手掛けた世界初公開の約60点のアート作品を始め、シリーズ6作品の映画制作で実際に使用されたルーカス・ミュージアム・オブ・ナラティブ・アート所蔵のコンセプトアートや衣装、小道具など約100点が展示されます。
(以上、会場で配布されていた資料より一部抜粋・要約)
開場時間の10時に行ったところ、すでに90分待ちという事態になっていた。
アート中心の大人な企画展なのだが、同じ会場で「ナルト展」が開催されていることもあってか、日曜朝の六本木ヒルズにはお子さんがいっぱい。
お父さんに着させられていると思しきR2-D2Tシャツがまぶしい!
朝っぱらから行列に並ばなきゃいけないなんて、実にうんざりだ。
いや、ここでイラッとしたらダークサイドに堕ちる・・・!
なけなしのスター・ウォーズ知識とともに渋々最後尾へ。
しかし待機列はほとんど屋内ということもあり、ちょっとした飲食料があれば、それほど苦痛なく過ごすことができた。
すれちがい通信(ニンテンドーDS)があればなお快適と推測する。
会場につくと、上空に浮かぶデス・スター、窓一面に並ぶストーム・トルーパー、そしてダース・ベイダーに出迎えられる。(いずれも動かないが)
ベイダー卿は当然ながら記念撮影スポット化しており、有料の撮影サービスまで展開されていた。
うおお!とファンの心がときめくスペースなのだが、デス・スターも知らない私は・・・
興奮した。
ストーム・トルーパーの名も知らず、「スター・ウォーズの白いやつ」としか認識していなかったのに、だ。
ダース・ベイダーだって、「例の音楽が流れるなかシュコシュコ言っていて、実は主人公の親父さんの人」程度の情報しかない。
それでもボルテージが上がるのだ。なにしろ、問答無用でかっこいい!
■展示内容
会場は6つの展示エリアと、最後の物販スペースで構成されている。
1)スター・ウォーズの原点
ジョージ・ルーカス氏の構想の原点としての、黒澤明監督作品「隠し砦の三悪人」やアメコミ「フラッシュ・ゴードン」の展示
2)フォースの光と闇
映画で実際に使用されたライトセーバーと、フォースをテーマにしたアート作品の展示
3)戦いと兵器
各エピソードの要となる戦の映像と、そこで使われた兵器・武器の模型を展示
4)サーガと運命の肖像
登場人物の紹介とともに、衣装や小道具、各キャラクターをテーマにしたアート作品の展示
5)銀河と生態系
「スター・ウォーズ」に登場する奇妙な生き物たちのフィギュアやコスチュームなどの展示。
炭素冷凍されたハン・ソロ、ジャバ・ザ・ハット、イウォークに会える!(撮影不可なのが残念)
6)ドロイドが見たサーガ
C-3POとR2-D2のアートと、彼らの視点でまとめられたエピソード1~6の振り返り映像の公開
7)物販
かっこいいけどすごく高い
・・・というのがざっくりとした全容である。
無謀にも「デス・スターって何?」という知識レベルで臨んでしまったのだが、それでも、ずらりと並ぶライトセーバーにはドキドキ!
どなたか存じ上げないながらも、ドゥークーという殿方のひん曲がった愛機にはシビれた。
そして各エピソードの戦いがまとめられた「戦いと兵器」ゾーンには、「やっぱりスター・ウォーズを観なければ!」とワクワクさせられる。
まさかデス・スターは2つ目もあっただなんて!帝国軍って一途なのな!
■誰のための展示だったんだろう
しかし、だ。
すべてを観終えた感想は「これで1,800円って高くない?」に尽きる。
アート作品中心の展示かと思いきやそうでもなく、エピソード1~6のストーリー紹介、人物紹介、フォースとは?のような「ご紹介パネル」がモリモリと掲げられている。
最後のドロイドゾーンでの映像も「名シーン集」にすぎず、新しさに欠ける。
私のようなビギナーにはありがたいが、ファンの方々にとっては、いずれも常識中の常識。
お金を払ってわざわざ見たいものでもないだろう。
ビギナーに向けた「レビュー」的な展示なのか、ファンに向けた新たな切り口の展示なのか、どっちつかずだ。
誰もが興奮させられるはずの衣装展示や等身大(と思しき)イウォーク人形なども、ただそこに置かれているにだけ、という印象だ。
その展示に至るまでの演出力が乏しい。
昨年の冬に訪れた『進撃の巨人展』の展示演出力に感動したことも影響しているかもしれない。
スター・ウォーズのことを何も知らない私に、そんなことを言う資格はないのかもしれない。
しかし、制作者の「愛」を感じることができなかったのだ。
スター・ウォーズが好きな人たちが企画した展示、ではなく、「フォースの覚醒」ヒットに向けたプロモーションステップのひとつ。
企画展をやることは決まっちゃっていたけれど、時間が無かったのでエイ、ヤア!で組み立てました!感。
会場限定品が欲しいという理由でもない限り、1800円の入場料、そして長い待ち時間をかけて観に行くものではない、というのが正直な感想だ。
ただ、天野喜孝さんが描いたダース・ベイダーの作品は最高にかっこよく、あの絵を鑑賞できたことはとても幸せだった。
欧米のアーティストによるアート作品がほとんどだったこともあってか、天野さんが描いた、シンプルでいて、こちらが切なくなるような寂寥感をまとったベイダー卿の姿は、ひときわ目立って見えた。
そんな感想を抱いた「スター・ウォーズ展」。
観に行くか否か、ご検討ください。会期は28日(日)まで!
企画展の帰り道、勢いでTSUTAYAに行き、DVDをレンタル。
家でいざ再生してみれば、あのお馴染みのオープニング・クロールの日本語字幕にははっきりと「エピソード6」と・・・。
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最初からクライマックス! \(^o^)/オワタ
ローマ数字わかりにくいんだよォォォ!
WHY ROMAN PEOPLE!?
ハン・ソロとレイア姫のキッスから、私のスター・ウォーズは始まります。