夏といえばコミケ、コミケといえばビッグサイト、ビッグサイトといえばゆりかもめ!
そんなゆりかもめ沿線のレジャースポットというと「お台場」のイメージが強いですが、7月末にふらりと「日本科学未来館」に行ってきました。「船の科学館駅」下車、徒歩約5分のところにある国立の科学博物館です。
お子さんたちの夏休み期間ということもあり、それなりの賑わいを見せていましたが、激混みというわけではありませんでした。
企画展と常設展があり、大人1,600円の企画展チケットがあれば、常設展も観ることができます。あまり時間がないなか思いつきで行ってしまったということもあり、1,600円出すのが惜しくなり、620円の常設展チケットを購入してみました。
620円で楽しめること
初訪問だったのですが、施設の美しさに感激。
光が差し込んで気持ちがいいです。
常設展会場は3階と5階。エスカレーターで登っていきます。途中には、親子で楽しめるスペースなどもありました。
まずは3階「未来をつくるゾーン」から。
「私たちが望む社会や暮らしのかたちと、それをどんなアイディアで実現できるのかを考えるゾーンです」とのことで、ロボットに関する展示が多かったです。
到着すると、ちょうどアンドロイドの実演をやっていました。
「マツコロイド」でもおなじみの「ジェミノイド」ですね。
奥のスペースにはこんなジェミノイドの展示も。
お天気予報をしてくれました。動きが生々しいなあ。
さて、このフロアでいちばん目立っていたのは「未来逆算思考」というアトラクションです。
未来の問題に向き合うには、現状の課題を解決する「積み上げ思考」という視点と、理想の未来から逆算し、今すべきことを発想する「未来逆算思考」の視点の両方を使い分けることが重要。そのことを、デジタルゲームを通じて教えてくれます。
手持ちの「地球」を動かし、障害物を避けてゴール(=理想の未来)を目指すゲームです。手前のスペースで自分の地球をどういうコースで進めていくかをセットし、地球を前方に送り出します。障害物に数回当たったらアウト。地球は終わってしまいます…。
写真右手が「進路設定ブース」に向けて並んでいる人たちなのですが、この、並んでいる時間が超重要!ゴール到達を阻む障害物がどこにあるかが丸見えだからです。
進路設定ブースに立つと、それまで見えていた障害物の位置が一切わからなくなります。「未来逆算思考の視点は重要であるのに忘れがち」ということを体感させられましたね…
私の地球は早々に消滅することになってしまいました。けっこうグサッとくる。
メディアラボというコーナーでは、いま話題の人工知能ロボットたちが展示されていました。実際にお話しできるということで、行列に並んでみることに。
ロボットのソータくんたちから、「ぼくたちと何について話したいか」と問われます。脇にあるタブレットをつかって、表示されている項目からひとつを選ぶことができるのですが、どれも割と難しい話題でした。(なので覚えていない…メモしておかなかったことを後悔)
私はたしか「農業の未来」あたりの話題を選んだんですが、予想以上にソータくんたちの話が難しい。いや、問題は彼らの声の小ささです。そして1匹(?)1匹の話が長い!!!
私に意見を求めてくる割には声に反応してくれている気配がなく、失礼ながら「こういう、頭良すぎるおじいちゃん、いるよな」なんてことを思いました。貴重な時間になるはずが、どんなこと話してたのかさっぱり記憶に残っていないぜ…
※私のことを置いてけぼりにしたまま、会話するソータくんたち
このフロアにはほかにも、インターネットの仕組みを「ピタゴラ装置」的なもので学べるアトラクションなどもありました。時間があったらやってみたかった!
常設展会場である3階から5階には、吹き抜けの脇にある階段で登っていくことができます。吹き抜けの天井からは、日本科学未来館の象徴ともいえる地球型ディスプレイ「ジオ・コスモス」が。
決まった時間になると、ディスプレイが変わるんですよ。ちなみにこの吹き抜けの階下を覗くと
寝ころび型ベンチ!ジオ・コスモスを嫌というほど眺められますね。
さて、5階は「世界をさぐる」ゾーン。「宇宙や太陽系、地球環境やそこで育まれる生命など、私たちが生きる世界のしくみをさぐるゾーンです」とのこと。
ここでは「細胞たち研究開発中」というアトラクションに並んでみました。
順番にミニシアター風のブースに通され、10分ほどの映像を通じて、iPS細胞がある未来について考えることができます。
私が観たのは、腎臓を悪くされた精肉屋のおじさんの話。
週に3日、各4時間、透析を受けていてお仕事が大変だと言います。そこにお医者さんが現れ、iPS細胞を使って健康な腎臓をつくり、移植することを提案されます。つくる過程やリスクなどを聞き、最終的に「あなたは移植手術を受けたいですか?」にYES・NOで答えることになります。
健康な腎臓は豚のなかで作るなんて、初めて知りました…精肉屋さんとしてはそれはそれは複雑な心境でしょう。
iPS細胞って、頭の悪い私からすれば「万能細胞!なんでもできる!」くらいのポジティブな存在として認識していました。なので「健康な腎臓が手に入るなんて、いいじゃん」くらいに当初は思っていたのですが、イラストやBGMがシリアスな雰囲気を醸し出していて、話の内容からしても、移植はまだまだ、安直に受け入れたり喜べたりすることではないのだな…と感じました。勉強になる。
上映ブースを出ると、iPS細胞に関する様々な研究について学べるコーナーへ。
時間がなくじっくり見られなかったことが無念すぎます。このコーナーこそちゃんと見るべきだったよなあ。
このフロアではほかにも、様々な災害について研究する「100億人でサバイバル」、ニュートリノや宇宙関連の展示物がありました。
タイミングが合えばこんなことも
「細胞たち研究開発中」の上映ブースは5つしかなく、それなりに待たされてしまいます。が、向かい側にある「コ・スタジオ」というブースでプレゼンテーションが始まったため、それを見ながらの待機はあっという間でした。ありがたい構造です。
プレゼンの内容は、ノーベル賞を獲得したLEDの研究について。青色LEDの開発が、今日のLED電球やテレビの革新につながったのだということを教えてもらうことができました。
驚いたのは、教えてくれた先生はボランティアスタッフの方だったということ。コ・スタジオに集まった子どもたちに質問しながら、うまく巻き込みながら講義をされていて、ボランティアとは思えぬ内容でした。
ホンダのロボット「ASIMO」のショーも1日に数回開催されています。ペッパーもいいけど、やっぱりASIMOですよ!
かわいい…
カニ歩きや片足飛びをやって見せたり、ボール蹴りまで。日本代表の遠藤もびっくりのコロコロシュートを決めておりました。
歌も歌ってくれたんですが、何の歌かさっぱりわからず、会場全体のポカーン感は否めませんでしたが、とにかくASIMOがかわいいので見ているだけで癒されます。
1日じっくり使わなきゃもったいない!
1時間半くらいの滞在だったと思うのですが、とてもじゃないけど時間が足りません!決して子どもだけに向けられた施設ではありません。たった620円で1日中堪能できる日本科学未来館、おすすめです。
次は向かい側にある船の科学館に行ってみようかなあ。