デニーズは今年創業40周年を迎えるそうで、創業当時のメニューを再現したり、人気メニューをリニューアルしたりと、様々なキャンペーンが展開されている。
大好きなデニーズ。
生活圏に多いだけかもしれないが、「いらっしゃいませ、デニーズへようこそ」の言葉も、ユニフォームも、店の暖色系の雰囲気も、店員さんの優しさも、ピッチャーデニーも、すべてにおいて愛おしい。
最も好きなファミレスである。
デニーズは1974年の4月にアメリカから日本国へ上陸。
創業当時は大変アメリカンなレストランだったということで、「アメリカンフェア」が実施されている。
■それよりパンケーキだ
アメリカンなメニュー・・・といえばパンケーキ。
デニーズのパンケーキは「キャラメルハニーパンケーキ」が長いこと人気商品として支持を得ていたが、40周年を機にリニューアル。
さらに2種のフレーバーが加わり、パンケーキ3兄弟が生まれたのである。
写真を見る限りでは、従来のものよりもふっくら、厚みが出たように見える。
(確実に裏切られるので、この写真を信用はしないが)
そして、周年企画の目玉もパンケーキ。
その名も、6段重ねの「タワーパンケーキ」!
4月15日からメニューに加わっており、4月初旬にはTV・新聞・WEBサイトにブログ、ありとあらゆるメディアが報じていた。
6段重ねのパンケーキ「タワーパンケーキ」と「マンゴーパンケーキ」をデニーズで食べてきました - GIGAZINE
【デニーズ】僕の「推しパンケーキ」はコレだ! 5人の“甘党男子”が実食座談会! (1/4) - ウレぴあ総研
その一瞬は、来る人来る人タワーパンケーキを注文していたのではないかと思うが、もう5月も半ばに差し掛かろうとしている。
きっと世の人々はデニーズニュースを忘れ、タワーはタワーでもタワーオブテラー(東京ディズニーシー)にお熱であろうと察する。
■自ら率先して行動を起こした
ある朝、自らの腹から「タワーパンケーキを食せ」と啓示を受けた私は、その夜デニーズに赴くことを決意した。
朝はコーヒーで済ませ、昼は冷凍野菜にコーンスープをかけて飲み、さすがに我慢できなかったのでおにぎりを1つ食べた。
あとカントリーマアムを食べた。やっぱり我慢ができなかった。
会社を飛び出て、某所デニーズに駆け込む。
案内された席でふと前を見ると、目の前にタワーパンケーキのポスターが掲げられていた。
着席するとともにビッ、とポスターを指さし、「あれを、もらおうか」と言えればよかったのだが、あいにく、甘いものを欲していなかった。
なにしろ、昼ごはんに満足していない。しょっぱいものが欲しかったのだ。
40周年記念メニューを開けば
こちらに心奪われてしまう私がいた。
しかし、ここはミッションを遂行したい。
今日はあくまでも、こちらである。
甘いものが食べたい日に、6段パンケーキなんて明らかに「ぺろり」だ。
いつもの如く「うまかった」の感想しか残せないだろう。
まったくパンケーキを求めていないこの状態で食すれば、もっと機微のある感想を記載できることであろう。
「タワーパンケーキください」
勇気を出して注文。
690円とはやたら安すぎるが、これは小さいからだ。
デニーズに日々通い詰めているのだから、他の客が注文しているところは幾度となく見かけている。
最初に言っておくが、この商品、「タワー」には間違いないものの拍子抜けする小ささである。
メニュー紹介文からの提案通りに2~3名で取り分けてしまっては、まったく腹が膨れない。
それでいて1029キロカロリーというのが恐ろしいのだ。
カロリーだけは取り分けたいが、ここは本日、甘んじて受け入れたい。
■ついにご対面
到着を待つまでの間、自らに暗示をかける。
カロリーをブロックせよ、カロリーをブロックせよ、カロリーをブロック・・・
1枚1枚焼き上げるようで、できあがるまでに少々時間がかかる。
私が訪れたのは20時ごろで閑散としていたので比較的早かったが、混み合っている時間は注意したほうがよいかもしれない。
「おまたせしました、タワーパンケーキでございます」
店員の(若くてかわいい)お兄さんの声とともに、ついに対面。
タワーパンケーキ、というか・・・
タワーオブピサパンケーキである。
上段から下段にかけて、ぽたりぽたりとクリームがしたたり落ちていく。
お皿にぎっしりとクリーム。
サイズは予想通りの小ささだ。
それはよいのだが、積み重ね係、出てこいやァ!(高田)と叫びたくなる斜塔ぶりといったらない。
■食べる
ここまできて白状するのも恐縮だが、クリームに対する愛情がない。
皿の上で湖のようになっているクリームは、極力排除したい。
そこで、取り皿をもらい、上から1枚ずついただくことにした。
6枚の断面図をお見せするといったダイナミズムあふれるブログであることが望ましいのだが、事実に正直に、リアリティ重視でお届けいたす所存である。
1枚目にクリームがかかっているのは、致し方ない。
食べてみればクリームはそれほどパンケーキに浸み込んでおらず、ほんのりとメープルシロップ風味を感じるにとどまった。
アーモンドがかかっているし、ほんのりと茶色いクリームなので「アーモンドクリーム」などを連想される方がおられるかもしれないが、正体はメープルシロップ味のクリームなのでご留意いただきたい。
その後も1枚ずつ、上から取り皿に持ってきて、小さくひと口大にして食べ進めていく。
パンケーキ自体はまったく甘くない。
そのうえ、今流行りのスフレ系ではないのでモソモソする。
個人的には嫌いではないが、ビルズや星乃珈琲などの洒落たパンケーキがお好きな方は、物足りないのではないかと思う。
半分まで食べた。
奥にあるのはメープルシロップである。
とにかくパンケーキ自体は甘くないため、甘党の方はクリームのかかっていない部分に通常のシロップをかけて食べることとなる。
モソモソとした、甘みの少ないパンケーキ。
これはこれで良さがあり、親近感が湧く。
なんでこんなに愛着が湧くのかなあと考えたところ、最終的に
「SHOWAのホットケーキミックスで私がつくるホットケーキに似てる」
という結論に行きついた。
パンケーキとホットケーキは同義らしいが、デニーズのタワーパンケーキは、「ホットケーキ」という呼称のほうが似合うように感じる。
黙々と食べ進め、最後の1枚。
クリームを避け続けてきたが、最後のこいつの裏面は
クリーム成分を吸い取りまくっていた。
しっとりしていて食感はよかったものの、脂っこかった。
生クリームではなく、アイスクリームが乗っていたらうれしかったなあ。
■繰り返しお伝えすると、食べられるのは26日まで
完食して思ったことは「本当に店で作っている」という点。
私の場合は「タワーオブピサホットケーキ」といった仕様の子に出会うこととなったが、次に注文するときは、また異なる風体になると思われる。
この、一定ではない感じはなかなか好ましい。
スーパーハイクオリティなタワーパンケーキ、ハイパーダメクオリティなタワーパンケーキ、各々が出会った子たちを写真で自慢しあうのもまた一興かもしれぬ。
私がお披露目した子よりも斜に構えた子と出会った方は、ぜひご一報をお願いしたい。
1029キロカロリーを摂取してなお、まったく腹が膨れず、しょっぱいもの欲が収まらなかった私は、オニオンスープを追加注文してその日を締めたのであった。
これで160円って高くないか。