言いたいことやまやまです

2022年2月に出産した1985年生まれの主婦です。資料作成が好き。

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中目黒の住宅街にあった元印刷屋さんのうどん店「sugita」の思い出(2018年2月閉店)

※2015年2月22日の記事を再編集したものです※ 

こんばんは、うどんの時間です。

今日7月2日は「うどんの日」なのです。うどんは数多あれど、香川県讃岐地方で提唱された日のよう。田植えをお手伝いする方にうどんを振る舞うという風習が由来だそうです。

コシのあるさぬきうどんをイメージするたびに思い出されるのが、中目黒の住宅街に中目黒の住宅街にぽつんと佇むうどん屋さん「sugita」のことです。

8年ほど中目黒界隈に住んでいましたが、人気店ゆえいつも並んでおり、訪問したのはたった2度。それでも忘れられない強烈なコシとボリュームはいつも心の何処かで恋しく思っており、「うどんの日」を機に2015年に書いたこの記事を再編集することにしたのでした。

そう、2015年2月に訪問して以来3年以上ものあいだ訪れていなかったのです。また行きたいなあなんて思いながら、久々にsugitaさんの公式Twitterを見てみました。そして飛び込んできたのがこのツイートです。

全然知らなかった……絶句しました。

 「また行きたい」は叶わないのです。そこで、2015年2月に訪問した日のことを思い出しながら、記事をメンテすることにしました。

では聞いてください、「俺とsugitaの思い出」。

(拍手) 

2015年2月訪問の記録  

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日曜の12時ごろに訪れると既に店内は満席で、外でしばし列に並ぶことに。5~6分もすると中に入ることができ、入り口に置かれた3人のピエロ人形と藻塩アピール札に出迎えられました。 

       \ いらっしゃい! /

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▼その隣にあったホワイトボード 

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2014年の初訪問時はテーブル席のみだったのですが、その後改装があり、木の雰囲気、濃い茶色をベースにしたカウンター席(9席)のみの落ち着いたお店になっていました。

さて、店内には入れたものの、壁に沿って置かれた椅子に座って引き続き待機です。カウンターでうどんをすするお客さんたちの背中を見つめるもよし、店内に置かれているグルメ情報・うどん情報・中目黒情報の雑誌を読むもよし。

お客様は男女半々、年齢層高めでした。よそ行きではない少しくたびれたセーターから、「地元の民」というオーラが感じ取れます。一軒家を構えているのだろうか。マンションだろうか。いずれにせよ、小さなワンルームで必死になって中目黒にしがみつく私にとっては憧れの存在でした。

そんな客層と、お店を営むご夫婦の穏やかな雰囲気が相まって、店内には静かで居心地の良い時間が流れます。うっすらと聴こえるラジオの音も、いい味。

まじめなうどん 

そうこうしているうちに席があき、「のりぶっかけ」をオーダーしました。カウンター席から見えるピカピカのホシザキ冷蔵庫、きれいに陳列された食器たちが視界に広がります。

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一般的なうどん店よりは待ち時間は長め。その間、メニュー表を眺めさせていただくことにしました。なにしろ、一瞥しただけでは読み切れない情報量が詰まっているのです。

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小さなフォトアルバムに、手書き文字で書かれたメニュー紹介カードが挟まれています。

釜玉うどんの項目には「お好みで、コショー、ゴマ油を入れてもおいしいです」。

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肉汁うどん武蔵野風、ネギ油の醤油ぶっかけには、「だし醤油を少しかけてお召し上がり下さい」。 

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冷たいうどん群には「だし醤油は濃いので かけすぎるとしょっぱくなります」。

ほぼすべてのメニューに「こうするとおいしいよ」のワンポイントコメントが丁寧に書き込まれているのです。 

 

主力メニューである「釜玉」「のりぶっかけ」「ぶっかけ」にいたっては、メニューブックとは別に「おいしい食べ方カード」がありました。  

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ほぼ黒一色、ビックリマークすら使わずに淡々と記されているアドバイスたち。ともすればぶっきらぼうに見えそうなのに、押し付けずやさしく語りかけてくれるような印象を受けます。 

テーブルに置かれた薬味群に目をやれば、

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どれもきちんとお名前ラベルが貼付されているという丁寧ぶり。

手前の黄色いボトルは白ごまなのですが、

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「このフタをとって さかさまにして回して下さい」。

sugitaさんの手書き文字ひとつひとつに心が温まる次第です。

「温玉海苔ぶっかけうどん」 をいただく 

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全員に提供されるこの「揚げうどん」をいただきながら待つことしばし。いよいよ待望の「のりぶっかけ(温玉付)」をカウンター内の奥様から手渡されました。 

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これでもかと言わんばかりの刻み海苔!そして、しっかりと海苔が練り込まれていることが一目瞭然な緑麺!緑・緑・緑一色、役満級のおいしさ間違いなし!

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相変わらず丁寧な手書きっぷりの「自家製しょうゆ」をかけていただくようです。期待を胸に抱き、興奮する心を少々落ち着かせ、あのあたたかいアドバイスを振り返りながらいただいてみましょう。 

だし醤油をノリの上に軽く一周かけて かきまぜずに どうぞ 

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教えに従い、混ぜずに端からいただきました。

シギシギした、強力なコシ。そして口の中に広がる海苔の香り。このときのために、みんな駅からはるばる歩いてくるのだ。

そして、満を持しての

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玉子、入刀。

ここに少量の麺をもってきて、たっぷりと黄身を絡ませます。  

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まろやかさとのハーモニーも絶妙で、食べ終えるのが惜しくなりました。(食後はしっかりとお手洗いを拝借し、お歯黒チェックも忘れませんでした!) 

私の隣の席では、ニット帽をかぶった30代と思しきカップルが釜玉うどんを召し上がっていました。量は大盛り、そこに各100円の天ぷら(舞茸、レンコン、ナス、さつまいも)を添えており、手練れ感があります。入り口でアピールされていた「藻塩」も、天ぷらの上で大活躍するのだろうな……。ニット帽から醸し出される「中目黒っぷり」も含めて、羨ましくて眩しかったです。

私も、次回はうどん×天ぷらの組み合わせをオーダーしようと決意したのでした(もう、その”次回”が来る日はないのですけれど)。

sugitaさん、ありがとうございました! 

 「いつか」と思っているだけでは、その「いつか」は来ないのです。諸行無常。「いつか行きたい」はもう実現されません。駅からそこそこ離れたあの細い道に佇むうどん店の暖簾を、もうくぐることはできません。

私は常連客でもなんでもなく、なにせ2度しか行ったことがないくらいなのですけれど、忘れられないお店です。なぜか両日とも大切な人と一緒に行ったものだから、sugitaさんのことを思い出すと、その日のことが芋づる式に蘇ってきます。

もともとは印刷屋さんで、2007年にうどん屋さんとして創業したsugitaさん。閉店後にしまるシャッターに書かれた「杉田印刷」の4文字がまた、味わい深かったです。

ああ、もう食べられないのか……。本当においしかった。思い出をありがとうございました。これからも忘れません。

アクセス数も少ないし、ブログ開設当初の記事だから読みづらいので非公開にしていたのですが、2014年8月の訪問記のリンクも貼ります。下記記事です。超読みにくいのですが勘弁してください。今日は思い出に浸りたいのです……

yamama48.hatenablog.com

▼食べログページ
https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131701/13040275/