前回「おしゃれの真理」について書きました。(前回記事「おしゃれ人間になる方法」)
どんなブランドの服だろうが、どんなカラーコーディネートだろうが、その人が自らの意思で選び、自信を持って着ていたら「おしゃれ」。
逆に他人の視線ばかり気にして、つまりトレンドやセオリーに振り回されながら不安そうに着ていたら「非おしゃれ」……というのが、前回記事の結論です。
バリバリの非おしゃれ族だった私は、いくつかのファッションブランドに依存していた時期があります。なかでも「BEAMS」は頼りにしきりでした。
女性らしさを強調しすぎないカジュアルさが好ましいし、日常的に着るには少しお高くて、店舗もスタイリッシュで……とにかく「BEAMS」と書かれたタグがついていれば無敵だと思っていた節があります。セールになると一目散に駆けつけました。
そんなBEAMS様がAmazonでベビー服を販売しているというではありませんか。Amazonとの共同ブランド、「LOOK by BEAMS mini」です。
新発売を記念してなのか、1着1,000円足らずの破格で販売されていたそう。目ざとく見つけた母が3着も買って、送ってくれました。
いま人気だという「くすみカラー」のロンパースに、かわいらしい形のよだれかけ(スタイ)がついています。
ほう、ほう、さすが天下のBEAMS様! 無敵だと信じていたBEAMS様! 嬉々としてロンパースを広げてみると、たたまれている状態では気づかなかった「胸元への英語あしらい」を発見したのです。
1着目には、丸みを帯びた太い小文字で「connect」と記されていました。
「接続」……! この世に生まれたばかりの生命が世界とつながる素晴らしさを説いているのでしょうか。
2着目には、流行りの手書き風の華奢な筆記体で「Tomorrow is anoter day」。
「明日は明日の風が吹く」とな! 待ち合わせ時間ギリギリで自宅をいざ出発しようと思ったら我が子のケツでうんち爆弾が炸裂、というときにこの服を着ていたら、たぶんめちゃくちゃイラつきます。
3着目はもくもくとした雲のような書体で「SUNRISE」! 出雲なの? ガンダムなの!?
この英語たちのおかげで、外出時に着せるにはどうにも照れくさくなってしまいます。結果、いずれも部屋着および寝巻きとなりました。
ところが所用で保健所に出かけた際、うっかり「SUNRISE」の服を着せ替えるのを失念してしまったのです。なんと保健所の職員さんから「あら、SUNRISEって書いてあるのね!」とのコメントをいただいてしまいました。まさか「おしゃれね!」の意図はあるまい。
相手がアニメ好きなら「4月からサンライズはバンダイナムコフィルムワークスに社名変更しましたけれどね、私はやっぱりサンライズっていう社名に愛着がありましてね」くらいは言ったんだけど……いや、うそです。
職員さんに対しては静かに微笑むにとどめ、さっさと帰宅したのでした。
どのブランドの服だって、どんなデザインの服だって、本人が堂々と着ていれば「おしゃれ」。たしかに私はそう思っています。
赤子に自らの服を選ぶ意思は備わっていません。何を着せられても堂々としていることでしょう。
自分で服を選べるようになるまで、子どものおしゃれ度は「親が、我が子に似合うからぜひ着せたいと思って選んでいるか」にかかっているのかもしれないなと思いました。
今日のやままーケット「Amazon限定販売!BEAMSの珍ベビー服」
多くは語りません。
興味があればAmazonで見てみてください。