以前はAmazon Prime Videoでも仮面ライダーシリーズを観られていたのですが、2021年7月現在、劇場版しか鑑賞できない状態です。
∀ガンダム(現在は配信終了)を観るためだけに契約してしまったHulu、なんとこれまでの仮面ライダーTVシリーズが観られることが判明!!!
ついでに言うと、「極妻」シリーズもプライムやNetflixで配信されていない『新・極道の妻たち 覚悟しいや(1993)』以降の作品が観られる!!
『ライチ光クラブ』『刀剣乱舞』等々の舞台作品も!
プライムとはだいぶ守備範囲が異なる印象なので、たまにHuluに入って、観たいものを1ヶ月間でまとめてバーっと観るというのもおすすめの動画ライフではないかと思います。
ずっと「仮面ライダー龍騎」が観たかった!
私が平成ライダーをちゃんと観るようになったのはオーズ(2010)から。
それ以前といえばたまに電王(2007)を眺める程度で、ストーリーをちゃんと把握しているものはありませんでした。(ファイズ(2003)だけは後日鑑賞済み)
でもずっと、龍騎(2002)を観たかったんです!!!
ライダーそれぞれが願いを叶えるため、「最後の1人」になるべく戦うバトル・ロワイアル!
東映さんの公式サイトに掲載されている作品概要は以下のとおりです。
全てが左右反転した鏡の中の世界「ミラーワールド」。
そこでは生き残った者の願いを叶えるという、仮面ライダー同士の過酷なバトルが繰り広げられていた。
「ライダーバトルを止めるため、そして人々を守るため」。
仮面ライダー龍騎となった城戸真司を待ち受けていたのは、ナイト=秋山蓮をはじめとする他のライダーたちとの出会いや仲間の死、そしてバトルに仕組まれた悲しき真実であった。
熾烈なライダーバトルの中で、真司たちはそれぞれの願いを胸に命を散らしていく。
いやーーーーー、めちゃくちゃおもしろそう!
ショッカーのような明確な敵団体はなく、「ライダー同士、お互いが敵」という構図です。
そんななかで主人公の真司(と、占い師手塚)だけは「ライダーバトルを止めたい」と奮闘するのですが、各人の願いも事情あってのことなので、「ライダーバトルを止めることは本当に正しいのか?」という迷いに苛まれます。
そこがもどかしいんだけど、「きれいごとだけでは何も守れない」という葛藤がよいのです。
育ち盛りの少年少女に伝えるには早すぎるメッセージかもしれませんが、ぜひ、Huluの無料トライアルの期間を使ってでも、親子で観てほしい!!!
そして毎週金曜に私がやっている昼スナックで語りましょう(笑)
以下、ネタバレを含む感想です。
ヒーロー像を考えさせられるストーリーの魅力
ライダーそれぞれのキャラクターを通じて、「正義などない」ことと、「信じる道を進んだところで、それがハッピーエンドになるとは限らない」というむなしさを描いているところがたまりません。
真司は「ライダーバトルに巻き込まれてしまった主人公」という立ち位置もあり、「殺し合いなんてダメ! ライダーバトルは俺が止める!」という、誰もが「それが正義だね」とうなずきたくなる使命感を持っています。
でも「昏睡状態にある恋人を救いたい」「余命いくばくもない自分の命を永らえさせたい」といった「それぞれの事情」が明かされるたびに、同情の想いとのはざまで揺れ動くのです。
とどめが刺せなくて、観ているこっちがイライラしてしまうこともありましたが、それが真司くんだし、人間そのものという気がしました。
それは他のライダー同士にも言えることで、真司のようにあからさまに悩みはしないまでも、ライバルを知れば知るほど、自分の願望を叶えることに複雑な想いを抱えてしまう様子も伺えました。
(蓮が北岡の病室に行ったとき、お互いすごくいつもどおりにしているけど、きっと複雑だよね……と思うとグッときました……)
かと思うと「ずっと誰かを殴っていないとイライラするから戦いを終わらせたくない」みたいなのもいるし、「英雄になりたいから」というボンヤリしたお望みの方もいるしで、一筋縄ではいかないキャラクターバリエーション、最後までずっと楽しめます。
衝撃のラストシーンラッシュ
龍騎といえば「衝撃のラスト」です。
最終回を前に、主人公が怪人に襲われてあっけなく死んでしまうシーンは、さすがに無念すぎて泣きました。
変身すらしていない、生身の人間状態で刺されて死んでしまうとは思わなんだ……。
駆け寄った蓮の声掛けがまた切なくて、いやあ泣けました。
他のライダーもみんな、真司に負けず劣らず、無念の最期を迎えているんですよね。
けっこう胸に来たのは「英雄になりたい」東條悟です。
恩師をも自ら殺めてしまった東條くん、「親子の交通事故を庇って死亡」はまさかの展開でした。
しかもその後、「親子を守った英雄」的な見出しの新聞がサッと映るという……『世にも奇妙な物語』や『笑ゥせぇるすまん』を思わせる皮肉っぽい最期に唸ってしまいましたよ……。
浅倉は北岡に会えないまま射殺され、
北岡先生は礼子さんに会うことも浅倉と決着をつけることもできずに余命を使い果たしているし、
蓮は勝ち残って恵里さんを復活させるも本人は……。
インペラーもかわいそうだったなあ。ライダーバトルとは関係ないところで念願の金持ちになれて、好きになれそうなお嬢さんとも出会えて、俺の人生ここからだぜ!ってところで倒される。
しかもミラーワールドに閉じ込められて、現実の世界のお嬢さんに声が届かなくて狂いそうになる描写がしんどいです。いっそひと思いにやってくれよ……!
超序盤でシザースがライダーバトルに敗れるのは、まどマギでいうところのマミさん的ショックがありました。
契約モンスターに生身のまま食われるって、小さい坊やはTVの前でトラウマになったんじゃないでしょうか。
ヒーローらしく倒されたのは、真司の身代わりになった手塚だけだったような……。
ガイは浅倉の盾に使われちゃうしなあ(身代わりになるのと盾にされるのでは雲泥の差)。
これがずっと重苦しい雰囲気で描かれているなら「そういう作品だ」と割り切れるのですが、平常時はコミカルな描写が多いので、その落差でショックが大きくなっている気がします。
ああ~もうみんな観て! 話したいです!!
龍騎はキャラクターと役者さんが最高!
役者さんも本当に魅力的で、「これぞ特撮の醍醐味!」と言いたくなりました。
かっこよくて、まだまだ演技に不慣れなところもあって、それが人によっては終盤で思いっきり成長していて……ジャニーズアイドルをJr.時代から追いかけるマダムの気持ちもわかるというものです。
みんなそれぞれに愛おしいのですが、純烈メンバーでありLiLiCoさんのご主人でもある小田井涼平さんが本当に最高!!!
長身で見た目のかっこよさが半端ない! 全身が映るときは毎度「こんな、マネキンみたいな人いる…?」となりました。
演じている北岡秀一はキザな「スーパー敏腕弁護士」でありながら、実は不治の病で余命わずかという設定。
これもまた、ババアの中に残っている乙女心をくすぐるんですよ!
それで、うまい書き方が見つからないのでこういう表現になりますが、「すごくちょうどよく演技が下手」なんです! 萌える!!
最初こそちょっとコント感があったものの、どんどん「これが北岡秀一という人なんだ」と納得させられてしまうというか、絵に描いたようなキザったらしい言動も違和感がなくなってくるから不思議です。
デビューしたての森下千里先生とのコント回もあります。
北岡先生の「英雄っていうのはさ、英雄になろうとした瞬間に失格なのよ」は名言オブ名言。かっこよすぎてどうしようかと思いました。
北岡の因縁の敵となる(というか敵視される)のが、彼が弁護した凶悪殺人犯、浅倉威です。
演じている萩野崇さんがかっこよすぎて、なんかツッコミたくなっちゃって、だんだん「凶悪殺人犯」設定を忘れてしまうんだよな~。
浅倉名シーンは数しれずです。
主人公の変身中に鉄パイブでぶん殴ったり、
野宿しているくせにどこからかペヤングを仕入れてきて神崎士郎に「食うか?」と振る舞おうとしたり、
他のライダーたちと一気に戦おうとして人質を取るも誰も来てくれず地団駄ふんだり、
野宿中にトカゲの丸焼きをつくって神崎士郎に「食うか?」と振る舞おうとしたり(2度目)、
もうとにかく目が離せません。変身ポーズも無駄にかっこいい!
素肌の上にパイソンレザーのジャケットを着ているおしゃれさんなので、くさいかもしれないな!
それからもうひとりの主人公ともいえる秋山蓮ね!!
とにかくいつも黒づくめですが、夏場は黒Tシャツを愛用しています。
彼の変身ポーズは、拳を肩の方に、肘をぐっと前の方に突き出すようなスタイルなのですが、細マッチョなので夏場の変身シーンがたまりません! 血管!
ちなみに上記3人はキャラクターソングも歌い上げています(YouTubeMusicでは聴けました!)。
北岡先生にいたっては、ボディガードのゴローちゃんとのデュエット曲とソロ曲の2種!
歌唱力も見事に「微妙」で、本当に期待を裏切らない男です。キャラソンの類はあんまりうますぎるとキュンとしないんですよね……
(SMAPはキムタクソロパートより中居くんパートのほうがときめく派)
浅倉さんのキャラソンはなんとも、カラオケで歌ったら絶対盛り上がらないだろうな~というかんじがたまりません。
蓮、というか松田さんは歌うまいんで下記動画もぜひどうぞ。
真司は主人公のくせにどうも影が薄いというか、たぶん周りが濃すぎるからだと思うんですが、それもまた印象的な作品だなと思います。
最後の方で彼が「自分はどうしたいか」を見つけていくにしたがって、存在の鮮やかさが濃くなった気がするんです。
よし、これからだ! というところであのラスト。当時の子どもたちは幼心にいろいろ考えさせられたんではないでしょうか。びっくりしただろうなあ。
戦闘力もそれほど高くない印象です。最近のライダーとちがって、フォームチェンジも1段階だけ。私服もダサめ(笑)。
かっこいいシーンは蓮と北岡が取っていっちゃうので、変身前も後もずっと「おバカなお人好し」。
そんな主人公だからこそ、ただただ悲惨なはずだったライダー同士の関係を繋ぎ止められたんだよなあ……真ちゃん偉大よ……!
終盤の「城戸はバカだと思う人~」で浅倉が手を挙げるシーン大好きです。
終盤はとにかく出演者もキャラクターも存在感のレベルが上がっているのですが、そのタイミングで、本作の「黒幕」である神崎士郎の演技力がスーパー大根だと判明して愕然としました。
あの感覚をぜひ共有したいので、観てください(笑)
龍騎ファンと鑑賞会やカラオケ会がしたい!
ああ~~~~~とにかく龍騎最高でした!
写真集をメルカリで買おうか悩んでいます!
huluは劇場版の「EPISODE FINAL」も配信しているのであわせてぜひ。加藤夏希が女性ライダーとしてがんばってます。本当にHuluありがとう……!
龍騎は実はタイムリープ作品でもあるので、劇場版、TV版、TVスペシャル版それぞれで結末が異なります。
ジオウとのコラボ「RIDER TIME」や海外でリメイクされた「仮面ライダードラゴンナイト」もあるので忙しい!
TVスペシャル版はプライム・ビデオで有料レンタルできるのでこちらもぜひぜひです。