ビジネスタウン東京・丸の内。
観光名所は三菱地所。
三菱地所を、見に行こう。 | 丸の内篇(30秒) - YouTube
そんな三菱地所が産んだビルディングチルドレンの「センター」を張る人気者といえば、「丸ビルブラザーズ」だろう。
東京駅の目の前で、さながら風神雷神のごとくスッと凛々しく佇む彼らの正式名、兄は「丸の内ビルディング」、弟は「新丸の内ビルディング」という。
兄は2002年竣工。弟は「新」と名乗りつつも2007年4月に竣工しており、兄弟の歴史は10年が経とうとしている。
すぐ近くには三井不動産家の高身長兄弟「グラントウキョウブラザーズ」も存在し、日本郵政家の寵愛を一身に受けるひとりっ子「KITTE」も独自の魅力を放っている。
・・・東京駅丸の内口だけで、想像力豊かな女性は1日過ごせるかもしれないなあ・・・
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※それはさておき本日の目次
1)新丸ビルくんはオトコも唸らせる!行列ができる蕎麦屋
さて、この度ときめきメモリアルしたのは主人公兄弟の弟、新丸ビルくんである。
兄弟共にいえることだが、とにかく彼ら、おしゃれ。
アールデコ風というのだろうか、「丸の内OLって、こういうのお好きでしょ」と言われているかのような美しい内装は、10年前の竣工時にはさぞかし話題になったことだろう。
ブラザーズのもてなしにときめきそうになるが、
「わ、わたしは、新橋駅前ビルとニュー新橋ビルが好きなんだからねッ」と強がってみる。
その洒落た内装どおり、ずらりと並ぶ飲食店もおしゃれそのものだ。
お高くてお腹が膨れないランチセットなのでしょ、とシラケた目で眺めていると、12時前にして男性が行列を成すお店を発見。
それがこの度ご紹介する蕎麦屋「酢重正之 楽(すじゅうまさゆき らく)」である。
驚くほど太く、がっしりした蕎麦がいただけることで人気を集めており、太麺好きとしては、ぜひともいただいてみたかったのだ。
食事のために行列に加わった経験が乏しく、「並ぶ」という行為には若干の緊張が伴う。
なんだかミーハーな感じで照れるな・・・並ぶにあたっての見えないルールがあったらどうしよう・・・そもそも何食べよう・・・
強張った表情でソワソワしながら最後尾に立つと、店員のお兄さんが飛び出してきて、注文と支払いを済ませてから列に並ぶシステムであることをやさしく教えてくれた。
やっぱりあった!暗黙のルール!!
・・・と思いきや、入り口に大きく「お支払いを先にお済ませください」といった貼り紙が掲げられており、落ち着きなく行列に並んだ大人げない自分を恥じるばかりである。
注文と支払いを済ませるべくレジ前に立ったものの、さて、困った。
品数が多い。
写真がないため想像に時間がかかってしまう。
何を選べばいいんだ!
ここはベーシックな蕎麦でいくべきか・・・でもそれじゃ絶対に物足りない・・
でもここで優柔不断感を出したくない・・・
スパッと決める粋な女性になりたい・・・
しかし粋な女性はそもそもこんなことを考えないはずで、自意識過剰で女子力の高い己を再認識している間に時間は経っているのである。
ウーンと唸りながら口から出た言葉は
「天ぷらそばで・・・」
慣れない外回り営業の後で、疲れていたせいだ。
疲れたときは揚げ物に限る。
「温かい蕎麦と冷たい蕎麦、どちらになさいますか」
おお、またしても選択という試練が・・・。
しかしここは一択、「冷たい蕎麦で」。
固麺好きなら、冷たいに限る。
なぜなら温かい蕎麦はどんぶりのなかでどんどん茹り、ズルズルノビノビ、舌で切れる柔らかさに向かってまっしぐらだから。
「ランチタイムは大盛り無料ですが、いかがなさいますか」
ま、またしても選択タイム!
痩せたい自分と空腹な自分の熾烈な脳内争いが始まった。
「えーと・・・けっこう、量、多いんですか?」
とか聞いている自分が嫌だ!
こんな質問になんの意味もありはしないのだ。
ただ、間を持たせるため、シンキングタイムを引き延ばすための「愚問」である。
「確かに多めですが、おなかが空いているようなら、大盛りも食べきれる量ですよ!」
店員さん(イケ麺)の100点満点の回答は、私の中の「空腹軍」を見事なまでに支援し、「痩せたい軍」は惨敗。
「じゃ、大盛りで」と相成ったのである。
支払いを済ませ、やっと行列に並ぶ権利を得たのだった。
そんな列の横には、写真つきメニューが掲げられていた。
これがレジ前にあったら、
この、「肉 野菜 味玉そば(1150円)」にしていたかもなあ。
(酢重正之さん、レジ前にも写真付メニューをお願いします!)
今から変更・・・できそうだけれど、お店の人に迷惑かけたくないし天ぷらも食べたいっちゃ食べたいからまあ、いいか・・・
あッ!!
温かい蕎麦って言っても「のびないタイプ」じゃないか!
うおお・・・つけ麺タイプに変更したい、変更したいがお店に迷惑をかけたくない・・・
天ぷらをつけ麺の出汁に少しずつ浸して食べたら、ウマイだろうなァ・・・でも冷たい蕎麦って言っちゃったもんなァ・・・
初来店のお店は、なにかと後悔が募る。
しかしすべては済んだこと。
2回目の訪問時に反省を糧にすればよいのだ。
私にできるのは、「天ぷらそば(冷・大盛り・980円)」を心の底から楽しむこと、それだけ。
ちなみに、新丸の内ビルで働いている方以外の需要はなさそうだが、蕎麦はテイクアウトも可能らしい。
2)蕎麦?蕎麦じゃない!ごんぶと麺、降臨
お店の前で列に並ぶこと、12~13分ほど。
やっと入れた店内は、外から見るよりもずっとおしゃれな空間だった。
カウンター14席のみの店内ながら、場所が場所だけに女性も多い。
奥行きがうれしい広めのテーブルには、お茶、天かす、辛みそが。
お手ふきは、「ふかふかタイプ」!(※対義語:ぺらぺらタイプ)
これもまた、うれしい。
入店前に注文していることもあり、着席するやいなや蕎麦が提供されるかと思いきや、ここから5分弱は待った。
期待感を高める「じらし」か。そうなのか。
隣の席のおじさんにもとには、「野菜そば(大盛り)」が届けられた。
そうだよな・・・大盛りにするんだったら、具は野菜あたりで我慢するよな・・・天ぷらは欲張りすぎだよな・・・。
おじさんのこの、丸の内OLばりの健康意識!
ただひたすらに、その横顔に尊敬の念を送るばかりである。
その後も落ち着きなくキョロキョロと周囲を眺めてみれば、壁には夜の部のご案内が掲げられていた。
ドリンク1杯、おつまみ2種、ハーフ蕎麦で1800円。
蕎麦を並盛にすれば、2000円強か・・・。
なにせここは新丸ビル。
ランチタイムの蕎麦が1000円前後であることを思えば、このセット、ほんのちょっとお得かもしれない。
夜の部に想いを馳せていると、カウンターにスッと差し出されたのがお待ちかねの「天ぷらそば(冷・大盛り)!
海苔をかき分けると・・・
これは・・・蕎麦?
蕎麦じゃない!
※参考)椿鬼奴、グランジ佐藤大と交際・同棲。佐藤は「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」で「富士そば恵比寿西口店の店員」を演じ優勝した8歳年下のお笑い芸人 :にんじ報告
一般的な蕎麦の2~3倍はあろうかという“ごんぶと”っぷり。
これだよ・・・これが食べてみたかったんだよ・・・
1本1本にどっしりとした重量感があり、風流にズズっとすすることは困難。
ぐわしと箸で掴んで、咀嚼で迎えにいく感じだ。
中に芯が残っているんじゃないかと思ってしまうような「アルデンテ茹で」の影響もあってか、そのシギシギとした食感は、もはや蕎麦が持つ性質とはてんで異なっている。
コシの強いうどんや、固めのほうとう、冷蔵庫でひと晩寝かせた大福の皮(スーパーで売っている串団子も可)などがお好きな方は、このなんとも呼び難い麺を気に入るに違いない。
ものすごく、噛みしめながらいただく蕎麦である。
さて、天ぷらは茄子、カボチャ2枚、いか、ちくわのラインナップ。
今まさにオーダー中という女性が、「天ぷらって、何の天ぷら?」「茄子、変えてもらえますか?」などと店員さんに確認しており、そうしたカスタマイズ依頼にも快く対応してくれるようだった。
一般的な大きさの天ぷらだったが(当然、大きい天ぷらであることを期待した)、かぼちゃは甘く、茄子もおいしい。
ごんぶと蕎麦で作られた人工島の上に置かれた天ぷらたちは、めんつゆという海に浸されることがない。
当初は「つけ麺タイプの温かい蕎麦にすればよかった」と後悔していたものだが、これなら冷たい蕎麦でも無問題だ。
サクサクタイムが長く続くのはうれしい。
人工島を少し崩して、めんつゆにチョコチョコと浸しながらいただく。
備え付けの味噌をつけながらいただくのも一興だ。
※天ぷら×味噌 最高!
もうここまできたら、天かすも使ってハイカロリー食を満喫するしかない!
ということで、天ぷらを食べ終えた蕎麦の大地に天かすという雪を振りかける。
見よ!この天かす!!
ところどころに「カタマリ」があるのだ。
当然ながら、こういう部分が、好きだ!!
蕎麦が減ってきたところで提供される蕎麦湯ポット。
カウンター席ということもあり、隣り合う2名でこのポット(天下のサーモス製)を使うものかと思いきや、一人ひとりに渡してくれるというのだから、これまたうれしい。
蕎麦湯で薄めためんつゆに、またしても天かす(極力カタマリを)投下。
じわっとめんつゆが浸みた天かすがウマイのなんの。
このひとカタマリで何キロカロリーかな・・・
大盛りは確かにボリュームがあったものの、男性ならばペロリといただける量だろう。
価格が変わらないのだから、ここは大盛りにしておいて損なしかと思われる。
いやはや、ごちそうさまでした。
唯一無二の、蕎麦と呼び難いけれどおいしい蕎麦族の麺類だった。
3)お店情報
今回訪れた「酢重正之 楽(すじゅうまさゆき らく)」は、軽井沢にある味噌醤油屋「酢重正之商店」に端を発する店舗群のひとつ。
そんないきさつもあり、店舗前では「酢重正之商店」の味噌や、そしてあのごんぶと蕎麦も販売されている。買ってみればよかった。
※オンラインショップでの購入も可能!
おしゃれな店内ということもあって、店員さんたちも「ヘイラッシャイ!」タイプではないので、落ち着いて食事ができるのもよいところ。
入店前にコートハンガーがあり、並んでいる間に「食べる態勢」を整えられるのもありがたい気遣いだ。
蕎麦屋は「楽」のみだが、同じ新丸の内ビルの5階には「酢重ダイニング」という和食レストランが入っている。味噌・醤油・穀物といった食材と、信州の旬野菜の料理をウリにしているようだ。(レストランは渋谷ヒカリエにもある)
公式サイトを見る限り大変お洒落な空間。
大人のおデートなどにいかがしょうか。
とにもかくにも、なかなか他店ではいただけない、びっくりの太さの蕎麦。
都内にお勤めの方、東京に出張・観光でいらっしゃる機会のある方、一度ぜひどうぞ。