高校時代の同窓生と、女2人で東新宿の「餃子専科LEE」を訪れた。
味わい深い店内で「いわし餃子」のおいしさにぶったまげ、盛り上がり、近隣の店で2次会にまで及んだのだが、この盛り上げに一役買ってくれたのは他ならぬ「LEE」さんだろう。
■アラサー同窓会、「答え合わせ」の劣等感
当日、本当は緊張していた。
久しく会っていない同世代の女性、特に同窓生と会うときはいつもそうだ。
たまに結婚式などでお声がかかると、〆切ギリギリまで出席するか否かを悩み、最後の最後には紙に書いた円の中心に鉛筆を立てて「半分よりこっちに倒れたら出席!」・・・なんてノスタルジーを掻きたてるようなことはしないまでも、それはもう悩むのである。
コミュニケーションにあたり、トピックスは大別して2種。
「過去の思い出話」か「現在のパーソナルデータ紹介」だ。
「仕事の話」「趣味の話」は後者の延長線上にあると考える。
私の問題かもしれないが、青春時代を共にした旧友たちと言えど、「思い出話」で場をつなげられる時間はごく僅か。
「いま忙しいのー?」
「何の仕事してるんだっけー?」
「会社どこだっけー?家どこだっけー?」
「結婚(出産)の予定あるのー?」
話題は上記のようなことになる。
独身で、仕事にまい進しているわけでもない私にとって、自信のないテスト答案の答え合わせをするときのような、ざわざわとした緊張感が走るひとときである。
そして30歳が近づくにつれて感じてきた、「結婚」「出産」の出題傾向の高さ!
旧友の結婚式が同窓会がわりになっている影響もあろう。
私はこの分野で赤点続きだ。
晩婚化が進んでいるだとか、未婚者の4割は交際願望がないだとか、そんなことがニュースになろうとなんだろうと、どうしても劣等感がつのった。
自分好きで協調性がなく、スカートも履かないし料理も苦手。見た目も中身も可愛げがない。やりたい仕事はあるけれど、そこに没頭する勇気もない。
赤点の原因はいくつか自覚しているが、これ全部誰のせいでもなく、自分が悪い・・・。
「最近なにしてるの?」の問いには「ひとりジム通いの日々だヨ★」なんて答えつつ、心の中では「絶対全員“やっぱりね”って思っただろうが、だろうがよ!」と、被害妄想も膨らんだ。
「職場に出会い、ないの?」(ねえよ!)
「街コンとか行ってみたら?」(アホほど行ったよ!)
素朴な罪のないコメントたちも、腐った耳には歪んだものに聞こえがち。
「相方がね・・・」と無邪気に結婚間近の彼との話をされるときの、なんとも言えぬ苛立ち。
夫婦漫才師でも目指せやァァァ!(八つ当たり)
イライラしながら宴を終え、帰り道では「私はなぜ人の幸せを祝福できないカスなんだろう・・・」と自己嫌悪に陥る。
ああ、みんなで過ごしたひとときの情景が、己の恥ずかしい言動が、リフレイン。
存在してすみませんでした・・・みんなに届かぬ謝罪の言葉を胸に、床につく。
劣等感と被害妄想と自己嫌悪のトリプルパンチを(勝手に自発的に)食らうアラサー女性の会合。
ううう、辛いばっかりだ!
■お店で「いま」を楽しむ
話は冒頭に戻る。
先日「餃子専科LEE」に行って、おいしく楽しい時間を過ごして、思ったのだ。
「こういう味のあるお店は、“アラサー女性の会合”に適している!」
「LEE」では、数多ある餃子のなかからどれを選ぶかとか、店員さんのクールな対応とか、店内の雰囲気とか、共有している「まさに今」という時間がそのまま話題になった。
もちろんお互いの過去、現在の話は従来通り繰り広げられるのだが、「いま、この店で」の話題が、良いアクセントになった気がするのだ。
「女子会」なんていうとお洒落なお店を選びがちだが、もう雰囲気だけでキャッキャする年齢でもない。
というか洒落ていておいしいお店なんて、見つめ合っているだけで幸せな時間が過ごせるような人と行った方が楽しかろうよ!
ムーディーな雰囲気が粗塩と化し、傷つき気味の心にガシガシ擦り込まれるのだぞ!!!痛いんだぞ!!!
※粗塩例
■こんなお店はいかがでしょう
久々に会うアラサー女性の会合、東京都内の会場案をいくつか挙げてみたい。
1)ザクロ(日暮里)
店主・アリさんが暴れる中東料理店。罵られたい女性がいるときは、ぜひ。
2)かがや(新橋)
いまだに伺えていない憧れのお店。超行きたい。
店主さんの狂気を感じたい女性がいるときは、ぜひ。
3)シルクロード・タリム(初台)
インパクト店主さん系はちょっと・・・という方は異国料理店がおすすめ。
珍しい「ウイグル料理」などいかがでしょう。
お料理自体に「へえ」とか「ほお」とか言いながら楽しめるし、お店のアットホームな雰囲気、メニューのかわいらしい日本語にキュンとする。
4)もうやんカレー(新宿・渋谷・池袋・新橋・京橋)
みんな大好きもうやんカレー。お昼の1000円バイキングに心奪われがちだが、夜はタパスやお酒も大充実。
あと、何がいいってマンガがいっぱいあるところ。
みんなで懐かしのマンガを読みながら、「あのキャラが好きだった」なんて話をするのはいかがでしょう。
5)いっそのこと、食べ放題のお店に行く
たとえば、「タモリ倶楽部」ファンがいる会合ならば、東京モノレール「新整備場駅」にある「ブルーコーナー」。
タモリさんご一行が訪れた名店で、飛行機を見ながら食べ放題飲み放題、焼きそばがうまい。スタンプカード制度もあり。
マツコさんファンがいるなら、「怒り新党」で絶賛していた「シズラー」(新宿・お台場・横浜など)もいいでしょう。
6)いっそ遠出する
箱根あたりだったら、行けなくもないのではないか・・・ということでご提案したいのが、駅近くにある「山そば」。(19時までの営業なので要注意)
切羽詰った、鬼気迫るマダムたちの接客に、アラサー女性はいろいろと学びを得られることでしょう。
ちなみに、蕎麦はとてもおいしかったし、天丼はもっとおいしそうだった。
改めて振り返ってみると、夜に訪問できる味わい深いお店の情報が乏しいことを実感。
ここぞというお店情報がございましたら、ぜひ教えてください。
せっかくの会合、ふてくされて終わるのはもったいない。
おいしく楽しいひとときにするべく、「お店選び」で工夫してみるのはどうか・・・「劣等感と被害妄想と自己嫌悪のトリプルパンチ」を勝手に食らう自分への提言であります。
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