王室に料理を献上していた方が始めたというお店「クルアアプソーン」。とはいえ高級店ではなく、気楽に入れる大衆食堂だ。人気があり支店も複数あるようだが、我々が向かったのは本店。でも結局、道に迷って支店のどこかに入店することになった。(そのエピソードはまた後日)
庶民派大衆食堂から高級店まで、あらゆるお店に伺った今回のタイ旅のなかでTOP3に確実に入る満足度だった。バンコクに滞在するなら絶対に行くべき!
王室のこだわり!緑で統一された「グリーンカレー」
グルメの師匠から名物として紹介されたのがグリーンカレー(Green Curry with Clown Featherback Fish Balls …120B…って、約360円!安すぎる)。
具がとにかく緑一色!
役満!これこそ本当のグリーンカレーだ。この統一感は王室のこだわりらしい。
グリーンカレーというと、数あるタイカレーのなかでも「唐辛子マーク数最多」のイメージがある。いなばのタイカレー缶も緑がいちばん辛い気がするが、こちらのカレーの辛さはそれほどでもなく、ごはんで辛味を中和せずとも楽しめた。
ガイヤーンがおいしい大衆食堂「サバイジャイ」でいただいたグリーンカレー同様、青いナスがごろごろ。日本のカレーには必ずと言っていいほどニンジン・ジャガイモ・タマネギが入っているのと同じように、ナスはタイのカレーに欠かせない材料なのだろうか。
チキンではなく魚のつみれが入っていて、それがまたカマボコ感のある弾力強めなタイプで、うまい。タイやインドでよく獲れる「スポテッド・ナイフ・フィッシュ」というナマズ科の魚が使われているようだ(”Clown Featherback Fish”をGoogle翻訳)。
ところで、クルアアプソーンのメニューは写真たっぷりで指差し注文が簡単にできたのだが、写真の見た目だけで適当にオーダーしたところ、
「汁なしグリーンカレー(Stir Fried Clown Featherback Fish Balls Green Curry…120B)」も登場してしまった。なんという既視感。テーブルに提供されたこの皿を見て、一同の心が「さっき食べたやつ……!」とひとつになったのを感じた。本当に汁がないだけだ。
でもこの、吉野家における牛皿的発想のメニューには好感しか持てない。カレーをおかずとして食べる。最高だ。おいしかったから結局ぺろりと平らげてしまった。日本のカレー屋さんでもこういうメニューがあったらいいなあ。
カレーと言えば、忘れちゃいけないプーパッポンカリー(このお店での正式名称と価格を失念)。私のタイの旅は別名「プーパッポンカリーを飲む旅」なのだ。
写真のピントが合っていないのは興奮の証。旅の道中で様々なプーパッポンカリーをいただいたが、こちらでいただいたものが、マイ・ベスト・プーパッポン!
仰々しい見た目のソフトシェルクラブでお馴染みのこちらの料理、クルアアプソーンのものは上記写真のとおり、慎ましやかな外観。それもこれも、「殻が予め剥かれている」というお心遣いゆえなのだ。王室の方の手を汚させるわけにはいかないものね。見た目は主張しないのに、中身は超豪華(具だくさん!)。できる人間は中身で勝負、できるプーパッポンもまた然り!
私にもしものことがあったら、通夜振る舞いでプーパッポンカリーを提供してほしい。みんな黒い服だから、カレーソースがはねてもきっと大丈夫でしょう。男性はシャツだけ気を付けていただいて。
この日いただいたカレーはもうひとつ。レンコンのイエローカレー(Yellow Curry with Young Lotus Roots…130B)だ。
辛さに弱いグルメの師匠が「これは本当に辛いんです、私はひとくちで十分です。でもレンコンの断面がかわいいのでぜひ見てみてください」と、静かに薦めてくれた。
私も辛さには弱い方だ。そんなに辛いなら、別に食べなくてもいいな……とこっそり敬遠していたのだが、師匠は見逃さずに「ぜひ」とリコメンド。割と渋々、口をつけた(師匠すみません)。
………辛い。
でも……辛いが、旨い!さすが師匠がリコメンドする一皿なだけある!うれしさを込めて師匠のほうへ顔を向けると、
「レンコンの断面がかわいいんですよ」
……レンコン推しだった。師匠にそんな一面があったなんて……。
こんなにプッシュしてもらったのに、肝心のレンコン断面を撮影していない私をお許しください。
手巻き寿司ならぬ手巻きつまみ「ミヤンカム」がウマイ
最初のビールとともに「とりあえず」とオーダーした「ミヤンカム(Chinese Broccoli Leave Savory Wraps…130B)」。
ミヤンカム(ミエンカム・ミアンカム)เมี่ยงคำはハーブの香りが爽やかなおつまみスナック。甘辛いソースとハーブやピーナッツなどを葉っぱに包んで食べます。
※引用元:ミヤンカムเมี่ยงคำ…バイチャプルーで包むかわいい前菜 – きょうのタイ料理
包むものはお店によって異なるようだが、クルアアプソーンはフライドガーリックやアミ、チョップドジンジャーにレモン(ライムかな?)など。
焼肉ソース風味のタレと生姜の相性に目を見張った。すりおろし生姜ではなく、刻み生姜なのがまたいいんだ。追いかけてくる柑橘系の爽やかさもいい。そしてお店オリジナルだと思われるソースが本当においしい。白いごはんにもかけてしまった。
「タイ料理をいろいろ楽しみたい」という希望に応えてくれる
大衆食堂ということもあって、お手頃価格でメニューの種類も豊富。タイ旅行一発目の食事にも適していると思う。「押さえておきたい定番のタイ料理」「日本では見慣れないタイ料理」……とにかくなんでもある。
ころんとした見た目がかわいい、カニの卵焼き(Fluffy Crab Meat Omelet 100B)。
ご覧の通り、カニの身がぎっしり!タイに行っていつも思わされたことだけれど、とにかく食材使いがケチケチしていないのがすごい。毎度感動させられる。噛み締めるとカニの出汁がじわーっと口の中に広がっていって、幸せ。
キバナノクリンザクラ(たぶん)と豚ミンチの炒め物(Stir Fried Cowslip Flower with Minced Pork 100B)は、見た目に反してとても辛かった……
ラーメンどんぶり級の器にたっぷり注がれたトムヤムクン(Prawns Tom Yum 180B)。これで600円弱と思うと本当にすごい。
締めにいただいたパッタイ(価格失念)も、おいしかった!これは、赤いけれど辛くない。赤けりゃ辛いというのは誤解なのだということを知るタイの旅。
あまりのおいしさに、師匠2名(グルメの師匠3人との旅行だったのだ!)は日曜日に「もう一度行ってくる」と出かけて行ったがあいにく日曜定休だったらしい。お店の前でさぞやガッカリしたことだろう。そのくらい、おいしかった。
バンコク訪問の際はぜひ、ぜひ、ぜひ。
Krua Apsorn
住所:503-505 Samsen Rd.
電話番号:02-241-8528, 02-668-8788
営業時間:10:30-20:00 (L.O.19:30) ※日曜定休
※上記店舗情報は「クルアアプソーン | バンコクのレストラン情報ならバンめし!」より引用させていただきました