コーヒーは高いが働き人に最高の居心地をくれる場所、それが喫茶店「ルノアール」。
特にモーニングタイム(なんと正午まで!)は、飲み物代に60円を足すだけで大きなバタートーストとゆで卵がついてくることでも知られている。
しかし皆が60円の誘惑に目がくらんでいるがゆえに、他のモーニングセットの存在感が極めて薄くなっている。由々しき事態だ。60円プランは所詮「Aセット」でしかなく、「Bセット」「Cセット」「Sセット」が存在するというのに!
心を痛めた私は、飲み物代+190円でいただける「Sセット」を実食。その様子は下記記事をご覧ください。
※Sセットレポートはこちら⇒ルノアールのモーニングSセットのボリューム満点サンドイッチ!お値段は「飲み物代+190円」
今回ご紹介したいのは「NEW!」アイコンがまぶしい「Bセット」
Bセットはハムチーズフォカッチャサンド、ゆで卵、スープという内容。
「NEW」とのことだがいつ頃からのニューカマーなのだろうか。幼いころに観たCMのトラウマは拭い去ることができず、いつも「NEW」に対し疑念を抱いてしまう。
かくいうCMとは、いつまで経っても「新発売ーン(アイーン)」な「ケンちゃんラーメン」と、NEWが商品名に組み込まれてしまっている「タカラのニューせんせい」である。
驚いたのはフォカッチャサンドのフワフワぶり。冷めれば冷めるほどしぼんでいくタイプと思われ、目の前に届いたときには、そこそこクタッとしてしまっていた。
とはいえ持ち上げただけでわかる「フワもち食感」に期待大。かぶりつくと、赤ちゃんのほっぺをかじっているような気持ちに……期待以上じゃないか!
ハムチーズフォカッチャサンドの名の通り、中にはハムとチーズと、味付けにベシャメルソースが用いられている。このシンプルさが大変好ましい。隠し味に何か使っていたらすみません。
私はグルメではないので、隠し味の良さに気付けないのだ。でも隠し味に何を使っているか主張したら、それはもはや隠していないのでは、とも思う。隠し通すか、「味付けに○○を使っている」という表現にしていただくか、どちらかにしていただけないでしょうか(非グルメ民の負け惜しみ)。
朝の喫茶店×ゆで玉子×塩の無敵ぶり
とにもかくにも、この潔いサンドイッチは朝にふさわしいと思う。いろいろな想いを巡らせずとも、うまい。朝は出社前の憂鬱でいっぱいなんだ、それ以上の悩みなんて増やしたくないじゃないか。
さて、Bセットの素敵なところは「ゆで玉子」の存在だろう。「Sセット」には大変満足していたが、一抹の寂しさのようなものも感じていたのだ。玉子との邂逅により、虚無感の正体が彼であることを知った。会えてよかったよ。
板東英二かマリオUSAのキャサリン程度にはゆで玉子が好きであると自負しているが、これまた、喫茶店でいただく塩をかけた玉子がたまらないのだ。レストランの皿盛りライスと同じである。シチュエーションは食材を輝かせる最高のスパイスだと思う。
再会を喜びながら玉子の殻を剥き、ふと視界に入ったのが、わずかに食べ残されたフォカッチャサンドであった。
私はいわゆる「三角食べ」が苦手で、お料理を1品ずつキッチリ食べきっていく「道場破り食い」(?)を好む。マリアージュもペアリングも何もない。最初に手を付けたフォカッチャサンドを少し残した状態で玉子に着手するなんて、大変なレアケースだったのだ。
……これはきっと、運命。
目の前にある限られた食材をじっと見つめ、私は運命の導きの答えを模索した。その結果が、これである。
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玉子・イン・フォカッチャサンド!
フォカッチャの残量の少なさが際立つ証拠写真が悲しい限り。どうしてこの掛け算に早く気づけなかったのか!馬鹿ッ!
この食べ合わせは我ながら素晴らしい出来栄えで、ベシャメルソースのしっかりした味付けが玉子によってマイルドに。Bセットを召し上がる方にはもれなく、こうやって食べてみてほしいと思うほど。
……なんて感動に震えていたら、少し離れた席についたマダムがBセットを注文。至極当然のことながら、フォカッチャとゆで玉子のフュージョンの妙には気付かれていない様子だった。念は送っておいたのですけれどね。
飲み物代+120円!ルノアールのモーニングBセットも素晴らしかった
いやはや、おNEWなBセット、ものすごく気に入った。パンでもたい焼きでもぬいぐるみでも、日本人がなにかと「もちもち食感」を求めるようになって久しいが、このフォカッチャサンドも「もっちり中毒者」を虜にすること間違いなしです。
残るはCセットなのだが、「ハムキュウリサンド」というのがなんとも興味をそそられず……悩ましい……。
※Sセットのレポートはこちらです⇒ルノアールのモーニングSセットのボリューム満点サンドイッチ!お値段は「飲み物代+190円」