12月1日に発表された流行語大賞は「神ってる」。様々なニュース番組で報じられたこの話題、最近たまに観ている「羽鳥慎一モーニングショー」でももちろん紹介していたのだけれど、今日話したいのはそのことではなく、11月29日の同番組内コーナー「聞きトリ」のこと。羽鳥さん自身がいろんなところに取材に行くコーナーで、この日はバルーンを使った舞台演出の第一人者・(株)エアロテックさんが取材されていた。
卓越したバルーン技術を視聴者に伝えるべく、コーナー冒頭で流れたのはエアロテックさんのバルーンを使った演出事例。16:9の画面に映し出された、昔なつかし4:3の映像はJリーグ全盛期の開幕セレモニーだった。
大きなバルーンがバーンとはじけ、中から現れたのはキング・カズ!
右手を高らかにあげ、ツンと立てた人差し指は天を指し、俯き気味に不敵な笑みを浮かべるキング・カズ!
……だ、だめだ、観ていられない!!!
今でこそ威厳と貫録と大人の魅力に満ちた三浦和良氏だが、当時の映像から伝わってくるのはただひたすらに、「俺様」の2文字のみ。当時20代半ば?絵に描いたような「ドヤ顔」が強烈。バルーンが割れた瞬間に天上天下唯我独尊チックな人差し指ポーズをとっていたから、割れる前に絶対に「このポーズでいくゼ!」と決めていたはず。それを格好いいと信じていたのでしょう。みなぎりすぎている自信を押さえきれない、あの表情!ああっ、観ていられない!
知人でもなければ長年の追っかけでもないのに、画面の前の私が妙に恥を感じ、親戚でも友人でもないのに「これをいまの本人に見せるようなことがあってはだめ、気の毒すぎる」などと心配する始末。
でもカズさん自身は映像を観てもダメージないんだろうなあ。アハハとかっこよく笑って終わりな気がする。いまの姿とあまりにも違うから、違和感を覚えて照れくさくなるのかしら。
そして同様の気持ちにさせられたのが、JR線車内のトレインチャンネル。流れたCMは、綾瀬はるかの熱演が光る「プライベート・ビエラ」のものだった。ご存じの方も多いことでしょう。小さいカエルがぴょんぴょん飛び跳ねる様子を見下し、「アナタ、それしか飛べないの?」と言って彼女自身は大ジャンプする、というあの映像。
テレビCMとして流れているときも「な、なんでこんな演技させるんだろう」と心がざわついたものだけれど、いやはや、トレインチャンネルもまた格別。音声は聴こえないというのに、あまりにも苦手すぎて脳内5.1chドルビーサウンドで綾瀬はるかボイスが。
ああ、照れる!恥ずかしい!やめて!!こんな演技をさせられる綾瀬はるかの気持ちにもなってみて!(仕事です)
妙に照れる1日を過ごしながら思い出したのが、「共感性羞恥」の話。
他の人のミスや、テレビ番組・ドラマなどで恥ずかしい場面を見た時、まるで自分がその体験をしているかのように恥ずかしさを感じてしまうものをいいます。
※引用元:10人に1人は経験アリ!「共感性羞恥」の苦手なシーン8選 Doctors Me(ドクターズミー)
今年の夏、有吉・マツコの「怒り新党」で話題に。私はWEBニュースで初めて知った言葉だった。
…ああ、これだよ、共感性羞恥。キング・カズも綾瀬はるかも悪くない。勝手に彼らの言動を「私にとっては恥ずかしいから、あの人たちも恥ずかしいに違いない、いたたまれなかろう、ああ辛い」と思い込んでしまう自分に、問題ありだったのだ。
実は映画を観るという行為が不得手なのだけれど、その理由も「共感性羞恥」なのかも?映画館って、テレビと違って自由に映像を止めたり、席を立ったりできないので、主人公のあからさまなピンチから目を背けることができない。案の定大変なことになる彼らの姿に「ほら言わんこっちゃない…」と、私の心はヘトヘトよ。「来るぞ来るぞ」系のソワソワBGMがかかろうものなら、その時点で既になんとなくイヤな気分になるもんなあ。
同じ映画を2回観る、というのも割と苦手。これはたぶん主人公のピンチがどのタイミングで来るか、わかってしまっているからだ。「そろそろドラえもん壊れるよォォォ…!」とか。
夏に知った言葉が、いまさら腑に落ちた。年末。師走。あっという間に新年になっていく。流行語大賞が何であれ、今年のマイ・なるほど語大賞は「共感性羞恥」に決まりです。
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