子育てに欠かせないのが「手遊び」と「絵本の読み聞かせ」です。手遊びというのは、「♪あーたま、かーた、ひーざ、ぽん」とか「♪大きな栗の~、木の下で~」のような、動きがついた歌のこと。(私は子どもを産むまで理解していなかったので、念のため軽くご紹介でした)
かの「おかあさんといっしょ」でも、ときにスタジオに視聴者親子らが招かれ、お兄さんお姉さんとともに手遊び的なことをするコーナーがあるくらいです。
共感性羞恥の民こと私はあのコーナーで親御さんの表情を見ないことに必死。チラと見えてしまった瞬間、照れくさくていたたまれない気持ちで悶えてしまいます。逆に、まったく気が乗らない様子の子どもを見るのはDAISUKI!
さてNHK受信料を真面目に支払い、Eテレ見放題! な我が家ではありますが、それでも家のなかだけで子どもと過ごすには限界が。
そんなわけで、しばしば子ども家庭支援センターという、3歳までの子が対象の児童館のようなところにちょくちょくお世話になっています。
ここでも手遊びの時間が設けられているのですが、保育園のような「預ける」施設ではないため、強制的に親子で参加することになるのです。
「おかいつ(おかあさんといっしょ)」じゃあるまいし、手遊びに励む様子が全国放送されることはありません。そんなことはわかっている。されど私にはハードルが高いんだ!
なにせ劇やらミュージカルやらで手拍子を打つのだって、照れくさくて辛い。
あっ、周りが手を叩いている! 我も続け! と叩き始めたところで、リズム感がないために図らずも裏拍を打ってしまったらどうしようとか、終了のタイミングを見計らえずにひとり「残尿手拍子」状態になる不安とか、なんのために観劇にきたのかわからないことになりかねません。
特定のオーディエンスに語りかけてくるタイプの催し物ももちろん苦手です。前方に座れば指名される可能性があるので、語り部が指を指しにくいポジションを狙わねばなりません。
っていうか指名じゃなくて「じゃあ、あなた」とか言ってくるやないか! 「じゃあ」ってなんなのよ!? 「是が非でもお願いしたい」という姿勢を見せてちょうだいよ(世の家庭内で夫がたやすく妻の地雷を踏むやつですね)! 「ではそこの、眼鏡のきみ」ってなんだよ!? 光源氏か! とんだシャカリキコロンブスだな、おい!!!
話が脱線しましたが、とにかく「手遊び」が照れくさくてたまらなかったという話です。
しかし大事な我が子のため。子どもの情操教育に手遊びが欠かせないというなら、どこかで腹をくくらにゃなるまいよ!
そうして妊娠線が消えぬ腹をくくったのは産後何ヶ月ごろのことだったでしょうか。いまや最前列で手遊びに臨めるくらいには進化しました。
観劇中の手拍子には依然として抵抗感がありますが、赤ちゃんと一緒に手遊びをするぶんには、子どもが「人形化」してくれるため自意識がマイルドになるのだと思います。志村けんにとっての「バカ殿メイク」のような。
しかしこの手遊びには問題点がもうひとつ。「子は楽しいかもしれないが、こっちは単調で飽きてしまう」ことです。
「子どもと私、両方にとっておもしろい時間」でないと、どうにもやる気が出ない……。親としてそんなことではいけないんでしょうが、私の人生は私のもんだ。犠牲にはなりたくない。それで恩着せがましい態度など取りたくない!
ならば工夫で乗り越えればいいのです。
試しているのが、ベタながら「脳内替え歌」。
たとえば、子育て経験をお持ちの方にとって定番と思われる「バスに乗って」という手遊びは、もはや私のお気に入りにまでグレードアップしました。
この曲は子どもを膝という名のバスに乗せて、
「♪バスに乗って揺られてる(ゴーゴー!)」
と言いながら、ところどころで「今度は右に曲がります」「今度はデコボコ道です」などと道路状況を宣言し、それを再現する動作で楽しませるという秀逸なもの。
▼こういうやつです
母、バスには飽きました。
もちろん表面上はみなさんと一緒に「♪バスに乗って揺られてる~」とやっていますが、脳内ではもっとハードな乗り物に乗せることにしたのです。
では聴いてください、「バスに乗って」改め「ハチロクに乗って」。
♪ハチロクに乗って揺られてる(ゴーゴー!)
♪ハチロクに乗って揺られてる(豆腐ー!)
♪今度は溝落とし~です~! 3,2,1,
ギューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン(急激な傾きで再現)
私の脳内ではm.o.v.eのユーロビートが刻まれている!
惜しむらくは、私の「イニシャルD」視聴経験がアニメ1話ぶんくらいということです。技をこれしか知らない。子どもにあらゆる技を披露するためにも、Amazonプライムでの配信を心待ちにしています。