銀座駅C1出口直結。
今年4月、GINZA5内にOPENして以来の人気店「俺のそば」。
こちらの記事を拝読してから、行きたい行きたいと思い続けて早2ヶ月以上。
「混んでいるなかで立っていると疲れる」ことを言い訳に伺えずにいたが、その日の私は24時間戦えそうなほど元気だった。
立ち食いスタイル、無問題。
今が、チャンス!
夏の休日、買い物でも映画鑑賞でもチャンスセンターでもなく、ただ「俺のそば」のために、銀座に繰り出したのだった。
■休日は空いている!?
行列・混雑も、なかなか店に行けずにいた理由のひとつ。
不安ながらも店の前に行くと、正午過ぎにもかかわらずすんなりと店内に入ることができた。
※すぐに入れたといっても、興味を惹かれた人が常におり、店の前は賑わっている
店の入り口にはメニューとともに「週末限定15食 ローストビーフ丼(1,500円)」なる文字が。
なんとその肉の量は150g以上とのことで、心惹かれるものはあるが、今日は口の中がそばモード。
誘惑に惑わされることなく、迷わず行けよ、行けばわかるさの精神で「俺の鶏そば(500円)」を注文しようと決意した。
ただ、店内の順番待ちの列に並んでいる最中、
トッピングという新たな誘惑に遭遇。
「せっかく来たんだから、あなご天でもつけちゃおうかな」という気分になったのだが、この「せっかくだから」の呪いにより、日々着実に体重が増えていることは自覚している。
今日はまだ初回。
ベーシックな「俺のそば」を楽しもうじゃないか。
そう言い聞かせ、鶏そばのみにとどめ・・・たかったのだが、最後の最後で「大根おろし(100円)」と目が合ってしまい、追加注文。
まあ、大根おろしならばダイエットの神も許して下さるだろうて・・・。
1~2分待って出てきたのが、こちら。
噂通りのボリュームそば。
当然お皿も大きく、そのうえ大根おろしまでつけてしまったものだから、すべてをトレーに乗せることに大変苦心した。
テトリスで培った勘が初めて活きたやうに思う。(いくつになっても、正方形ブロックは持て余し気味)
無事に会計まで済んだが、食事する場所を確保するのはこれからだ。
この積載量ギリギリなトレーを持って、混雑している店内をうろつくというのは酷である。
万が一ひっくり返して、銀座マダムの目の敵にされようものなら・・・もうここ銀座に私の居場所はない・・・。
ソワソワしていると、女性店員さんが実にスマートに「お席までご案内しますよ!」と声をかけ、トレーを運んでくれた。惚れそうである。
おかげさまで入り口近くのスペースに陣取り、「俺の鶏そば」との対面に至ったのだった。
■実践!私の「俺のそば」
改めて目の当たりにすると・・・
胡麻と海苔がふんだんにかかった、そば。これで並盛。
そば自体も、太め。
自己主張、激しめ。
つけ汁には大好物の鶏肉!
ごろごろと4~5つくらい入っていたような。
まずはオーソドックスに、そばをつけ汁に浸して、ズズズ。
・・・しょっぱ!
ラー油のような味わいが加わったつけ汁、その味はめんつゆというよりは、醤油ラーメンのスープに近い。
各種レポート記事で理解はしていたものの、薄味好みということもあって、予想以上のパンチ力だった。
気を取り直し、次は鶏肉に着手。
あっさりといただきたかったので、味の濃いつけ汁の海から引き揚げ、大根おろしという名の浜辺へ・・・。
オーイ!鶏肉!鶏肉が漂着したぞ!!
大根おろしをタオルのようにして、鶏肉のスープを少し拭ってやり、口の中へ。
・・・おお、さわやか!
ちょうどいい!おいしい!!
そうかそうか・・・ひらめいたぞ・・・
【俺のそば】そば を つけ汁 に 浸ける
↓
【私のそば】そば に つけ汁 を 付ける
この発想の転換だ!
●楽しみ方、その手順
1)そばを大根おろしの皿へ
2)つけ汁をたっぷりつけた鶏肉を、大根おろしの皿へ
3)【2】の鶏肉をハケ代わりにして、そばにつけ汁をつける、というか塗る!
行儀悪さ、この上なし。
しかし挑戦せずに帰れば後悔する!
ええい、旅の恥はかき捨て!人生、これもまた旅なり!
いくぞゴルァ!
鶏ハケ戦法、実践。
汁気が少ない分、そば同士がくっついてしまい、ズズズという「風情食い」ができないのは心苦しいところだが、味については非常に満足。
鶏肉をハケ代わりにする方法のほか、そばに盛られている海苔をサッとつけ汁にくぐらせ、水分を含ませてから、大根おろしに乗せたそばにON・・・という方法も試みた。
※美しい写真ではないので、小さめに・・・
いずれの方法も、つけ汁を吸った大根おろしと、存在感たっぷりのそば(鶏肉により、つけ汁塗布済)が口の中で手と手を取り合ってくれる。
うん、うまいぞこれは!!
そば自身の食感や味も好ましいため、すべてがつけ汁に支配されてしまうことを避けたかったのだ。
無粋な食べ方ではあるが、瞬時に思いついた食べ方にしては及第点、いや、それ以上。
これだ、これこそが私の「俺のそば」!
※余談であるが、ペヤングなども敢えてソースをあまり混ぜず、「麺だけ」も楽しむ嗜好性がある
■まだだ・・・まだ終わらんよ!
食事もほぼ終盤。
最初はトレーに目いっぱい広がっていた品々も、残りわずかとなっている。
少量になってしまった、そば。
鶏肉経由のつけ汁を吸った、おろし。
大量に余っている、つけ汁。
しかし私はこのときのために、エキストラアイテム「生たまご」&「天かす」を温存していたのだ・・・!
※注:いずれも使いたい放題なので、温存する必要はない
わずかに残された、そば・おろし・(大量の)つけ汁。
そこに新たにメンバー入りした、たまごと天かす。
顔ぶれを一瞥して、やることはたったひとつ。
全部混ぜ。
大根おろしの小鉢にたまごを割り入れ、天かすを少々。
味付けはもちろん、つけ汁!(こればかりは少量加えるにとどめる)
あとは混ぜる!混ぜる!ひたすら混ぜる!
うぉりゃァァァ!!
ハイパー大根おろし、完成(とてもじゃないが見せられない)。
ここに、少量残ってしまっていたそばを乗せて、
※美しくないので小さめに
ハイパー大根おろしをそばに絡め、ズズっとすする。
・・・いやあ・・・
ため息が出ちゃうおいしさ・・・。
大根おろしのあっさりクールっぷりにつけ汁の強力な個性が加わり、両者をまったり温厚な生たまごが包み込む。
そこに押しかけてきた、そば。
ところどころで「私はここにいるよ」とテルマばりのアピールをする天かす。
すべてが混然一体となり、気づけば一気に完食してしまっていた。
びっくりした。おいしすぎた。
思い返せば、最初から最後までMVPであり続けたのは大根おろしだった。
あのとき、咄嗟の判断でおろしを追加注文した奇跡に感謝。
※このとき
『孤独のグルメ』風に表現するなれば
「ウン、おろし、正解。」だろうか。
惜しむらくは、最初から最後まで行儀の悪い食べ方を貫いてしまったこと、それだけだ。
おいしさは文句なし。
女らしさは、カケラもなし・・・。
この食べ方で楽しむ際は、必ず1人で訪問し、人目につかない隅っこの席を陣取ろうと決意する次第である。
■違う角度からも攻めたくなる「俺のそば」
結局この日は
- 俺の鶏そば(500円)
- 大根おろし(100円)
計600円!
おなかもいっぱい、味はもちろん満足、言うことなしだ。
これはぜひ、1番人気の「俺の肉そば」や、夜限定メニューの「よもぎそば」などもいただいてみたいところ。
夜といえば、
日本酒がいろいろ飲めるようで、
酒菜盛りやレバーパテなど、酒の肴も。
「生湯葉山葵生雲丹乗せ」だなんて・・・ときめいてしまう・・・
さすがローストビーフ丼を推していただけあり、お肉のメニューも様々。
フォアグラやスペアリブ、和牛ステーキなどでビール・・・いいなあ。
とにかく、夜の顔が気になって仕方ない!
立ち飲みになるものの、その分、ある程度リーズナブルに楽しめそうだ。
なにより1人で立ち寄りやすいのがうれしい。
必ずや、夜の部にもお邪魔することにしよう。
■おわりに ― 「俺のそば」店内環境
狭い店内、立ち食い、といったキーワードで、訪問を躊躇われている方もおられるかもしれない。
しかし、限られたスペースを有効活用すべく工夫している様子が伺える。
カギを握るのはテーブルだ。
テーブル下はこんな感じで2段構造になっている。
ありがちなのは、上記写真内でいうところの上段のみで、そこが荷物置き場になっているケース。
ここに乗りきらない、大きな荷物を持ち歩いているときは困ってしまうもの。
しかし「俺のそば」のテーブルは下段のラックがあるから安心だ。
さらに、「こういうところに荷物を置くのはチョット・・・」という方もご安心を!
テーブル裏には、なんと、フックが!
しかも2つ。
日傘を持ち歩いていたこの日、フックは大活躍してくれた。
よく考えられているなあ。
●客層について
休日の昼、すんなり入ることができたとはいえ、人気店であることは間違いなく、店内はそれなりに混んでいた。
多くは20~40代くらいの男女だが、なかにはご高齢であると思しき方や、小さなお子さんを連れたファミリーも少なからずおり、大変驚かされた。
立ち食いというスタイルといい、そばの量といい、シニアやキッズには手ごわい店だと思うのだが、彼らは食べきれているのだろうか。
どんな感想を持っただろうか。気になるところだ。
●イス席について
店内には22席のイス席が用意されている。
いずれも2人席か4人席なので、それほど多くスペースが設けられているわけではない。
それでいてシニア、キッズも多いのだから、まさにイス取りゲームである。
店のサイトを確認してみると、
立席テーブル、及び15:00までの座席テーブルへは当日ご来店いただいた方を順にご案内致しますので、どうぞお気軽にお越しくださいませ。
とのこと。
ここはいっそ電車の優先席と同じ仕様で、シニアおよびキッズ優先というルールを採用するとよいのかもしれないな、と感じた。
ちなみに16時以降が「夜の部」であり、そちらはイス席の予約が可能だそうだ。
ご予約は16:00以降の座席テーブルのみ承ります。16:00以降の座席テーブルをご利用の場合、ワンドリンク制、テーブルチャージをお1人様300円とさせていただきます。
ということらしい。
なにはともあれ、夜の部、必ずや近日中に訪れたいものである。
シェフのみなさん、ごちそうさまでした。
※店舗情報