7月半ば、日経流通新聞に興味深い記事が。
フィリピンでは、ファストフード店で「ハンバーガー」でなく「米」が提供されることが一般的なのだそうだ。
マクドナルドや「ケンタッキーフライドチキン(KFC)」など世界的なチェーンも、比国内ではご飯を扱っている。
店内を見渡しても、ハンバーガーを食べている人の方がまれだ。
(中略)
老若男女がフライドチキンやハンバーグと一緒にご飯を食べる。
とのこと。
ファストフードで、米。
チキンやハンバーグと、米。
・・・おいしそうである。
モスライスバーガーでは表現できない「ジャンクフード感」がそこにある。
米なのに、ジャンクフード。
おもしろい。ここ日本で、やってやろうじゃないか。
■200円で材料調達
早速、材料調達。
お世話になるのは、(いま色々大変そうな)マクドナルドさん。
「100円マック」ブランドは心の支え。
「チキンクリスプ」と「ハンバーガー」をテイクアウトで注文した。
マヨネーズが不得手なので
「チキンクリスプ、マヨ抜きでお願いできますか」
と相談してみたところ、快く引き受けてくれてうれしかった。
「で、でも、チキンとレタスだけになっちゃうんですよ・・・大丈夫ですか・・・」
心配そうにしてくれた妙齢の女性店員さん。
ありがとう、大丈夫である。
満面の笑みでゆっくりと、首をタテに振った。
(マヨ抜きであること自体は大丈夫だが、このあと取り組もうとしていることは、アラサーの女性としてはあまり大丈夫な行為ではないな、と今さら思う)
■HOW TO COOK
マクドナルドさんのおかげで、たった200円で材料が手に入った。
「マヨ抜き」もきちんと反映されている様子が伺える。
※「マヨ抜き」は業界用語で「イエローマスタードソース」らしい。そんなん入っていなかったけどなあ・・・
●下ごしらえ
いざ、開封!
いつ見ても、少々残念な外見である。
テイクアウトゆえ、移動中に湯気を吸ってふにゃけてしまい、余計に悲壮感が漂っている。
ハンバーガーのぺしゃんこっぷり、見事である。
こうして見比べると、チキンクリスプは非常にがんばっている。
とはいえ、外見などどうでもいいのだ。
今回用事があるのはこの子たちの中身のみ。
そんな!おやめください!
そう言われて誰が耳など貸すものか!
ええい、よいではないか、よいではないか!
あーーーーーーれーーーーー・・・・
※身ぐるみ剥がした結果
興奮して帯まわしをしたのに、脱がせてみたら実は男だった、そんな悪代官の気持ちってこんなだろうか。
そしてその女装男は敵方の刺客で、悪代官はジ・エンドとなるわけだが、私はここで終わるわけにいかない。
否、むしろ始まったばかりだ。ポジティブに進めたい。
ポジティブ・アイで見てみれば、ハンバーグにしっかりとコショウがまぶされているのがわかる。
ごはんとの相性、期待できそうではないか。
うん、前向きにいこう。
カラ元気ならぬカラ期待感を胸に、ごはんの準備に移りたい。
先ほどの記事によれば、
(フィリピンの米は)日本米と違ってパサパサしており、いため物や揚げ物など油分の多い料理との相性が良い。
おお、これは大朗報!
我が家で標準利用しているのはタイ米であるし、そのタイ米を使って作った「おからごはん」なる大物が冷凍庫に鎮座している。
この「おからごはん」、パサパサっぷり、モソモソっぷりにおいては右に出るものがいない。
いまかいまかと出番を待ちわびていた大将・・・今こそ戦のとき!
※「おからごはん」の真実はこちらからどうぞ
このごはんレンジで温めたら、準備完了だ。
※【そういえば、の1コマ】剥がされた身ぐるみ(バンズ)
●セッティング
役者は揃った。あとはひたすら盛っていくのみ。
<盛り順>
- カフェっぽいお皿にごはんを右の方に盛る
- チキンクリスプのレタスを左の方に敷く
- チキンクリスプのチキンと、ハンバーガーのハンバーグをレタスに乗せる
- アクセントにピクルスをあしらって・・・
・・・完成!
その見た目は、
すっかりお洒落な、
「カフェ風ごはん」そのもので・・・
これだァァァァ!
100円マック de カフェ風ごはん
※用済みとなったバンズがかわいそう
■感じろ、フィリピンの風!
では、いただきます。
まずは、ハンバーグとごはんのハーモニーを。
おおお・・・すんごく、モッソモソ・・・
肉ってこんなにパサパサになれるのか、というくらいモソモソ。
普段「ハンバーガー」として食べているときは、バンズやたっぷりのケチャップで気付かなかった。
さらに、パサパサが活きるはずだった「おからごはん」が、容赦なく口の中の水分を奪っていく。
ううむ、水分、必須。
一方で、味付けはちょうどよい。
甘みたっぷりのマクドナルドケチャップ、そしてコショウがまぶされたハンバーグが混ざり合い、ごはんとの相性は悪くない。
続いて、チキン。
おおお・・・味がない・・・
「マヨなし」の功罪がこのように露呈するとは・・・。
チキンそのものに若干の塩気はあるものの、おからごはんが相殺してしまうのだ。
なにかとおからごはんが邪魔をしてくる。
となれば、こちらも丸腰のままではいられない。
ケチャップ(いいやつ)、投入。
高級トマトレストラン「セレブ・デ・トマト」の特製ケチャップ!!
「選ばれしトマトたちが奏でるシンフォニー」とのことで、お店のキャッチフレーズ・センスにそこはかとない二次元の香りを感じるが、それと味は別!
以前プレゼントにいただき、使うのが惜しくてなかなか手を出せずにいた大切な品ゆえ、こんな阿呆な場面で使うことを少々躊躇ったが、「今だからこそ」使うべきだと判断。
そして、投下!
・・・おいしさ、UP・・・!
ハンバーグにこびりついているマクドナルドケチャップとは、違う。
ものすごく、トマトの味のケチャップ。
味のなかったチキンごはんがググンとグレードアップした。
とてもおいしかったので、ごはんにも。
何事も見た目で判断するべからず。
高級ケチャップがおからごはんの水分を補ってくれて、実によい感じのケチャップライスだった。
最善の判断ができた自分を褒めたい。
よかった、いいケチャップを使って。
(プレゼントありがとうございました!本当に)
というわけで、もう二度とわざわざこんなことをする機会はないと思われるが、なんだかんだでおいしく完食。
しかし、「絶対にフィリピンのファストフードに負けている」という敗北感と無念は拭えなかった。
■「メシマズコンテスト」で本メニューが受賞いたしました
せっかくなので、完成後の写真を画像共有サービスに投稿することにした。
イマイチなごはん、残念なごはんの画像を投稿・共有するサイト「メシマズ.net」である。
コンテスト開催中とのことだったので、そちらにもエントリーしてみた。
「オエーッ!」は、Facebook業界でいうところの「いいね!」なので、450人以上の方が、何らかの形で共感してくださっていることになる。
さらに、思いがけずうれしいコメントが集まった。
元ネタの「フィリピンのファストフード」について察して下さった方もおり、うれしいやら恥ずかしいやら。
そして、なんと、
受賞。
ピクルスについてお褒めの言葉をいただき、何よりである。
(メシマズさん、ありがとうございました!)
本気で作ったのに残念な見た目になってしまったお料理の写真は、「メシマズ.net」に投稿すると少し慰められるかもしれない。
※「メシマズ.net」関連記事はこちらから
■おまけ:あいつはどこへ
用済み扱いだったバンズ。
もちろん捨てるはずなどなく、このとおり。
現在、冷凍庫内で出番待機中。
次なる料理の食材として、活用する所存。