『孤独のグルメ』のフィーバーぶりがすごいことになっている。
※作品概要(一部Wikipediaを参考にしました)
94年~96年に連載された、原作:久住昌之、作画:谷口ジローによる漫画。
主人公・井之頭五郎の腹の向くままに、気の向くままに、わがままに、ごはんをひたすら食べる様子が描かれる。
2008年に「SPA!」で読み切りが復活し、以降、不定期で新作が掲載されている。
2012年から始まったドラマは、破竹の勢いでSeason4に突入!現在放送中。
現在、ドラマ本編は毎週水曜(正確には木曜)の深夜0時ごろの放送されている。
しかし先週の土曜には、「真夏の博多 出張スペシャル」と題し、夕方4時という時間帯に特別版を放送。
『孤独のグルメ』が博多に出張 松重豊、故郷でノリノリ収録 ニュース-ORICON STYLE-
オフィシャルな「聖地巡礼本」も発売されたばかりだし、
DVDボックスやサントラはもちろん、主人公・井之頭五郎の可動式フィギュアや名言マグカップほか、数々のファングッズが発売されている。
漫画やDVDだけじゃない!アマゾンで買える「孤独のグルメ」関連グッズまとめ - 己【おれ】
※オフィシャル聖地巡礼本以上に愛たっぷりの実食レポート記事も盛りだくさん!夜の閲覧は決しておすすめいたしません。読みだすと止まらない・・。
■『孤独のグルメ』ファンが集う、孤独じゃない一夜
その勢いはグッズに留まることなく、ファンイベントにまで及んでいる。
お台場にあるイベントスペース「東京カルチャーカルチャー」にて行われた、「孤独のグルメナイト」なる集会である。
今回が2度目の開催とのこと。
ミーハーな自分がちょっと恥ずかしいが、参加してきたのでその思い出を綴ってみたい。
●イベント概要
- 『孤独のグルメ』で出てきた料理を再現&実食
- 『孤独のグルメ』カルトクイズ
- 『孤独のグルメ』オリジナルサウンドトラックLIVE
上記目玉企画に加え、原作者の久住先生のトークを楽しめるという、ファン大喜びの内容だった。
※詳細はこちらから
●イベントスペースの様子
全席自由席!
各席で飲み物・食べ物をオーダーすることができ、飲み食いしながらイベントが楽しめるようになっていた。
(チケットは3000円で、飲食代は別途)
平日ということもあって開演時間の19時半ギリギリに到着したところ、席は8~9割埋まってしまっていた。
ファンの業務調整力、見習わなければなるまい。
おかげで客層を見渡しながら着席することができたのだが、年齢層は30代以上、40代も多いように思われた。
意外にもカップル客が多く、羨ましい限りである。
「孤独のグルメ」ファンの男性との出会いを期待したのに!
その一方で、「孤独に『孤独のグルメナイト』」な方も多く、本やKindleなどで黙々と『孤独のグルメ』を読む姿が印象的だった。
(カルトクイズの予習をしていたものと思われる)
※物販コーナーもありました
■腹もペコちゃんだし、再現料理、ください
着席すると、テーブルには・・・
出たッ!この日のメイン企画と言っても過言ではない「再現メニュー」!
大急ぎで会場に駆け付けたこともあり、すっかり空腹だ。
ドカンと炭水化物に食らいつきたい。
「申し訳ありません!わさび丼とユッケ、売り切れです!」
さあ注文、というタイミングでこのアナウンス。
・・・絶望した。
ちがうちがう!こんなときこそ・・・
「焦るんじゃない。俺は腹が減っているだけなんだ」
の精神で臨もうじゃあないか。
なにせ、「ごはん」がある!
ごはんがあれば、「すべておかずとして立ち上がってくる」ってやつだ。
テーブルピンポンで店員さんを召喚し、いざ、注文。
「ええと、ナポリタンと・・・」
しまった。
ごはんがある、という歓喜だけで店員さんを呼び寄せてしまった。
わさび丼とユッケは選べない。
残る選択肢は「ニンニク焼き」と「ぶり大根」だ。
どうしよう。
とはいえ、店員のお姉さんをお待たせするわけにもいくまい。
とりあえずごはんを頼みつつ、頭だけ動かそう。
「それと・・・ごはん・・・」
店員さんから返ってきた言葉は
「エッ!?ごはん!?これ、普通の白いごはんですよ!?」
・・・唖然としてしまった。
知っている。ごはん。白い。
むしろ、白いからこそすばらしいのである。
「だ、大丈夫ですよ。おかずに、ぶり大根、ください・・・」
というわけで、ぶり大根をいただくことに決定。
親切心で提言してくれたのだろうが、きっと彼女、『孤独のグルメ』なんて全く知らないんだろうな・・・。
わさび丼に群がるいい年した大人たちが、さぞや滑稽に見えているのだろうな・・・。
「お飲み物は、どうしますか」
腹ペコちゃんだったがために、飲み物の注文を忘れていた。
ここはやはり五郎流ということで、ウーロン茶をいただこうか。
ないんかい!!!
紅茶・ジャスミン茶があってウーロン茶がない!
どんなあるなしクイズだよ!マジカル頭脳パワー!
(ウーロンハイはあるので、頼めばウーロン茶もいただけたと思う)
お安かったので、なんとなく梅酒ソーダを注文。
ナポリタン、白米、ぶり大根、梅酒ソーダ、か・・・。
食べ合わせもなにも、あったもんじゃない。
●ごはん登場
イベントも始まり、久住さんの小気味よいトークを楽しみながら、オーダーしたメニューの到来を待つ。
イベント会場ということもあり、デリバリーが遅いのは仕方ないことだ。
「お待たせしました!」
やっと来た!と思って店員さんの方を見てみれば
only GOHAN.
そりゃ、ごはんは最強だと思う。
ごはんがあれば大概のものはおいしい。
でも、ごはんだけだと・・・ちょっとサミシイ・・・。
しかも、お祭りでふるまわれる豚汁でお馴染みの「発泡スチロールお椀」で哀愁倍増。
続きまして、
「お待たせしました!」
梅酒ソーダ、襲来。
ふてくされているときの五郎さんであれば、
「あるんだよな、こういうことする店」
とか思いながらため息をつくんだろうなあ・・・
いや、ここは飲食店ではないのだ。イレギュラーケース!
五郎さんぶるのはやめて、ポジティブにナポリタン&ぶり大根を待ちたい。
●「吉祥寺 喫茶店のナポリタン」登場
ごはんと梅酒ソーダからやや遅れ、ついにやって来たナポリタン!
・・・具は・・・?
いや、ここはあくまでイベント会場。
再現力の高さを問うのは無粋というものだろう。
わー!あのナポリタンだ!わー!とテンション高く食べて楽しんだモン勝ちだ!
※実物については、こちらの記事をご覧いただくのが一番です。やっぱり本物はすごい!
【孤独のグルメ】ランチは18時まで!吉祥寺の老舗喫茶「カヤシマ」のお得なワクワクセット(王道ナポリタン&ハンバーグとドリンク) - 己【おれ】
再現されたナポリタン、その味は「ああ、ナポリタン食べてる」以上でも、以下でもなかった。
(でも、麺が固めでうれしかった)
せっかくなので、未着手状態だったごはんを活用することに。
「孤独のグルメナイト」ならばこれをやらないわけにはいくまい。
ナポリタン×ごはん!
果たしてナポリタンはごはんの友になり得るのか。
自らの口で試してみようじゃないか。
ごはんと、ナポリタンの両方を掴んで、口の中へ。
・・・おい・・・ごはんが・・・
ベッチャベチャだ!!!!
うおお、これはいかん、こればかりは、いかん!
正直言って、
炊き立てかどうか、などというのは問題ではないのだ。
冷めたごはん、それはそれで好物だ。
炊き立てでなくていい、だから、どうか、ベチャベチャだけはご勘弁を・・・!
味については、ケチャップライスがこの世に存在するくらいなので、アリといえばアリ。
ただ、炭水化物×炭水化物というカロリーの魔物を吸収してまでありつきたい代物ではなかった。
(ナポリタンを食べるか、ケチャップライスを食べるかのいずれかの選択でよいと思う)
●「三鷹市 ぶり大根」&「福岡のおきうと」登場
ごはんのベチャベチャぶりに放心していたところで、ぶり大根が到着。
これはなんだか、とてもいい感じがする。
※実物
見た目もさることながら、味もおいしかった。
そして当初予定通り、
※ナポリタンの跡地を使ったため、取り皿が汚く申し訳ありません
ごはんと一緒に!
汁をかけることによって、ごはんのベチャベチャを紛らわす作戦である。
食感問題は(やや)解決したものの、残念ながら薄目の味付けだったので、味に力強さがなくなってしまった。
ぶり大根はぶり大根のまま、いただくことに。
ぶり大根に満足していると、
「おきうと」が登場。
9日放送の「福岡編」で現れた、福岡の皆様にはお馴染みの一品である。
来場者全員に振る舞われたスペシャルメニューだ。
東京砂漠で生まれ育った私には見慣れぬ存在だったが、酸っぱく、そして磯っぽい香りに心太を思い出す。
ズズっと食べてみれば、うん、心太の類である。
鰹節も乗っていてよい香り。おいしい。
福岡を訪れる機会があれば、ぜひ現地でもいただいてみたいものだ。
■久住さんのトークコーナー
ドラマ撮影時の裏話(特に日間賀島の話が多かったように思う)をいろいろと。
※日間賀島の皆さんは、とんかつラーメンやらハンバーグやらをよく召し上がっていたそう。
この日の「再現メニュー」に関する話題も。
インタビューで「1番おいしかったものは?」と問われることが多い、という話題は特におもしろかった。
「自分はグルメなわけではないし、料理の味だけではなく、お店の佇まいや、お店の人たちとの会話や、お客さんの様子、全部ひっくるめた状態でそれぞれに魅力を感じているので、”1番おいしかったもの”と問われても、答えるのは難しい」
という旨のことを話されており、なるほど納得。
『野武士のグルメ』の作画を担当されている土山しげるさんは
「覚えているのは、おいしいものよりも、マズかったもの」
というご意見をお持ちとのこと。
うーん、確かにそうかもしれない。
(だって、この日の再現メニューで1番忘れられないのは「ベチャベチャごはん」だもの・・)
いわゆる「おいしいメインディッシュ」とは違うジャンルに所属する「わさび丼」は、久住さんにとっても大変印象深い料理だったそうだ。
「かどや」、いつか行ってみたいなァ・・・。
■答えられるか!カルトクイズ
イベントは2部構成になっており、1時間弱の久住さんトークコーナーののち、休憩を挟んで「孤独のグルメ カルトクイズ」が行われた。
優秀者には、DVDボックスや「孤独のグルメ」関連グッズ、噂の「かどやのわさび(鮫肌のおろし器付き)」など、豪華賞品が贈呈されるとのことで、みんな気合十分だった。
そりゃ、私もグッズが欲しかった。
しかし・・・こんなブログを書いておきながら恥ずかしいのだが、本当はとてもライトなファンである。
五郎さんの超名言レベルであればわかるが、細かなことについては無知だ。
0点を取ってしまうかもしれない、という不安でいっぱいだった。
休憩時間中に答案用紙が(裏返した状態で)配られ、第2部開始とともに、約15分間で答えを書き込んでいく。
※問題の一部
・・・すみません・・・わかりません・・・。
この場にいてすみません・・・。
ごはんベチャベチャとか文句言ってすみません・・・。
生まれてこのかた、これほどまでに筆が進まないテストは初めてだった。
テスト終了後は、久住さんとともに答え合わせ。
フェリーニさん、はじめまして・・・。
五郎さん、そんなこと言ってたんだ・・・。
それでも1~2問は(まぐれで)当たり、0点はなんとか免れることができた。
とはいえ10点。惨憺たる結果である。
ファンの皆様と一夜を過ごしていることが恥ずかしい。
最高点は85点だったと記憶している。
いやはや、すごい。
かなりの数の商品が用意されていたが、さすがに10点野郎にまで落ちて来る品はない、
と思いきや!
「実はまだ賞品があって・・・これは、点数の低い人に差し上げたいと思います!」
まさかの展開である。
ドスンと用意されたのは2つの大きな紙袋だった。
0点か5点だった方が会場内におひとりいらっしゃり、袋がひとつ、贈呈された。
中身は、かどやのわさびに対抗して
チューブのわさび。
10個か20個、入っていたらしい。
これで「わさび丼」をつくり、辛さに悶絶したツワモノがいると久住さんが話していた。真似はするまい。
さて、続いて呼ばれたのは「10点だった人」。
ここは自分に正直に、手を挙げよう。
この罪を白状しなければ。
緊張しながら挙手したものの、周りを見渡せば、自分を含めて10名ほどの手が会場内にニョキニョキと伸びていたのであった。
おお、仲間たちよ!
残っている賞品は1袋。
じゃんけん大会かな、とソワソワしていると、なんと全員に賞品が渡せるとおっしゃるではないか。
おそるおそる前方に出ていくと、手渡されたのは
チューブのしょうが。
これまでの流れがなければ、「孤独のグルメナイトで手に入れた」と自慢しても、ご理解いただくことは困難だろう。
名実ともに「残念賞」である。
■おわりに
その後はThe Screen Tonesによる生演奏!
会場に集った一同が 「♪ゴローォ」という気分になり、心地よく閉幕したのだった。
よい気分ついでに、りんかい線で大井町にて途中下車。
会場で食べられなかった「いわしのユッケ」を求めて「だるまや」へと向かった。
金曜日の22時、満員。
無念である。
こちらは間違いなく入れたが、妙に疲れてしまい立ち食いの元気がなかったので、入店を見送った。
いわしのユッケ、食べたかったなあ・・・。
以上が孤独のグルメナイトの思い出のすべてです。
お付き合いいただき、ありがとうございました。