こんばんは、浪曲の時間です。
下記のイベントに行ってきました。96歳で現役バリバリの曲師・玉川祐子師匠のエネルギーをいただいてまいりました。
10/4(木)19:30より、玉川太福の浪曲入門その17「玉川裕子・太福の浪曲コント」を開催します。
— ミュージック・テイト西新宿店 (@music_teito) 2018年9月27日
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ちなみに曲師とは、浪曲師さんと対になって三味線をひく方です。
歴史への関心が薄く、講談や浪曲はなかなか縁遠いものと思っていたのですが、玉川太福さんの「地べたの二人」という新作浪曲を聴いて以来、すっかりファンになってしまいました。さくらももこ的な「日常あるある」を節と啖呵で語るとこういう化学変化が起こるのか!という衝撃を受けます。
念願の「祐子師匠」
太福さんが最近唸ってくれるシリーズで、「浪曲界のレジェンド・御年96歳の玉川祐子師匠とのやりとり」があります。
年に一度の浪曲の大イベント、その名も「豪華浪曲大会」(本当にこの名称)が来る10月11日に開催されるのですが、そこで太福さんと祐子師匠が「浪曲コント」なるものを行うのです。
祐子師匠はとにかく太福さんが大好き。事あるごとに「ダイちゃぁん!」と勇ましい声(太福さんが真似する祐子師匠の声は、おばあちゃんぽさゼロなのです)で声をかけ、浪曲コントの練習からラブコールまで、とにかくダイちゃんダイちゃんと接してくださるのだと、太福さんは浪曲の中でおもしろおかしく語ってくれました。
それが毎回あまりにおもしろいものだから、いつか御本人のお姿を見てみたいと思っていたのです。念願かなってのイベント開催でした。
一生ワクワクしていたい
会場である西新宿のミュージック・テイトさん。存在は知っていましたが訪問したのははじめてのことでした。この近くにはビジュアル系バンドのCDショップが複数あり、高校生くらいのときはよく来ていたものです。そのころから伝統芸能を嗜んでいたら、私の人生はかわっていたろうか。
満員でした。前売り券が売り切れるほどの人気ぶりだったそうです。
レジェンド・祐子師匠は港家小そめさんの曲師をつとめ、その後トークコーナーを挟んでからの浪曲コントという流れで登壇してくださいました。
まずは三味線をひく姿が圧巻です。おばあちゃんとは思えないほどにパワフル。勢いそのままにトークコーナーに入れば、いま欲しいものは「スマホ」だとおっしゃるではないですか。
そこからおしゃべりはほぼノンストップです。
私は学校に行っていないから、テレビを観て漢字を覚えているんだ!
山手線の駅名は全部言えるんだ!
英語も読めるんだ!
読める英語の例が「Ito Yokado」というのがまた最高です。
そして太福さんのことが大好きすぎて、「この人は本当にすばらしい」「ダイちゃんがいるから毎日楽しい」と褒めちぎり、果ては「愛してます」!
師匠の表情は終始きらきらしていて、力があるのです。浪曲コントのお披露目がとにかく楽しみだったようで、トークもそこそこに「コントいこうよ!」と息巻く姿も印象的でした。
最近の中でいちばんの(プラスの意味での)ショックだったかもしれません。年齢を重ねた身体という「容れ物」に年季が入っているだけで、その中身、魂はフレッシュそのもの。その証拠に、目元がきらきらしているのです。常になにかにワクワクしているように見えました。
「TVを観て、漢字を勉強している」には、シビレた!どんなことだって、取り組む姿勢ひとつでワクワクもできるし、シラケることもできるのだと教わりました。
生きる力を年齢だけで計ってはならないのです。やっつけ仕事ばかりの日々を送る身に、生きる力は宿っているのだろうか。
浪曲コント、人生で初めて観るものでした。コントというか漫才というか漫談というか浪曲というか……唯一無二の空気に心をすべて持っていかれました。太福さんのパートもすべて覚えていらっしゃるものだから、「はい、あんたの番!」などとつい言ってしまうのがすごい。
そんな祐子師匠と対峙する太福さんの姿にも癒やされました。ちょこちょこイジりつつも尊敬や愛情が滲み出ていて、祐子師匠がダイちゃんファンになる気持ちがよくわかります。人生の諸先輩方と、こうやって接することができたら!
(でも相性もありますよね、祐子師匠のような「内面が若々しい方」だからこそできるのだとも思うのです)
一生現役であり続ける祐子師匠の姿に、生きる希望をいただきました。三味線姿も、浪曲コントで流れを間違えてしまう姿も、全部魅力的でした。もし長生きさせてもらえるのなら、祐子師匠のようにパワフルでありたいです。
関連リンク
【月刊太福マガジン10月号】
— 渋谷らくご 10/12~16@ユーロライブ (@shiburaku) 2018年10月6日
浪曲師 玉川太福さん@tamagawadaifukuによる、天気予報、時事問題、身辺雑記、古典、新作、すべてを浪曲でお届けする速報性の高いライブ「聴いて楽しい月刊誌」
10月13日(土)20時開演
当日券 1000円
開演前「サンキュータツオ公開質問会」あり#シブラク pic.twitter.com/Z7yubUxYxp