クリスマス、お正月が終わったかと思うと、息つく間もなく「恵方巻」「豆まき」「チョコばらまき」が待ち構えている。
最近は義理チョコ文化のない会社も多いので、バレンタインデーのチョコばらまき機会は減っているかもしれない。
女同士で楽しむ「友チョコ」や、自分への「ご褒美チョコ」などがメイントレンドだと思うのだが、改めてここで「義理チョコ」に立ち返ってみるのはいかがだろうか。
義理だけど、かけがえのない、大事な義理。
「お父さんへのバレンタインデープレゼント」である。
そんなことを思ったのは、2015年2月に上陸した「コーヒー界のアップル社」こと「ブルーボトルコーヒー」がバレンタインギフトを販売すると聞きつけたからだ。
目次
ブルーボトルコーヒーが提案するバレンタインギフト
アメリカで注目を集めているチョコレートブランド「ディック・テイラー」とコラボレーションし、コーヒー豆とチョコレートのセットを発売する。
その名も「Dick Taylor × Blue Bottle Coffee ペアリングギフトセット」。
指輪かと思ったら、”pairing”、すなわち「組み合わせ」のことだった。
グアテマラで育てられたコーヒー豆とカカオ豆が織りなす、コーヒーとチョコレートのハーモニーをプレゼントしようというものだ。
コーヒー豆でできた指輪とかもらっても、困るものねえ。(消臭効果ありそう)
200gのコーヒー豆と57gの板チョコがパッケージされたもので、それぞれの概要は下記の通り。
コーヒー豆:グアテマラ アルタ・ヴェラパズ サンタ・ソフィア (200g)
グアテマラ共和国の山奥アルタヴェラパズ県にあ る深い霧に包まれた雲霧林地帯と呼ばれる地域 に位置するコーヒー農園でつくられました。その 不安定な気象条件から、美しく神秘的で上品なテ イストのコーヒーが育ち、それはまるで生い茂る 木々の天蓋を目指す気高い花や太陽に照らされ た果実のようなテイストです。
チョコレート:グアテマラ アルタ・ヴェラパズ チョコレートバー (1枚/57g)
コーヒー農園から48キロ先に位置するこのカカ オ農園は、豊かな火山土壌の広がるジャングルが 広がっています。ここで育てられたカカオは、ス モーキーでどっしりとした甘みのチョコレートに 変貌を遂げています。
※ブルーボトルコーヒーのプレスリリースより引用
1月8日(金)から、ブルーボトルコーヒー清澄白河店と青山店のみで、限定1,000セットの販売。価格はなななんと4,800円(税別)!
たっか!
ド庶民の私はぶったまげなのだが、この価格の理由は「シングルオリジン」という特徴にあるという。
生産国、生産者、生産地域や精製過程が明確で、一切ブレンドされていないもののことだ。
今回のコーヒー豆、チョコレート(カカオ豆)は、ともに同じ産地からとれた単一種だけを使用しており、原材料が持つ香りや味をダイレクトに味わうことができるという。
そんなぶったまげセットのプレスイベントにお招きいただいたので、イベントの様子とともに、商品の魅力についてご紹介したい。
4,800円の「コーヒー×チョコレート」のペアリングを体感
プレスイベントの会場は、地下鉄表参道駅A4出口からすぐのところにある、ブルーボトルコーヒー青山店。
初訪問だったが、おしゃれすぎてちょっと眩暈。かっこいい!
いちばん奥のスペースに招かれ、まずは「ウェルカムコーヒー」をいただいた。
アフリカ・エチオピアの豆(ギフトセットに入っている豆とは違うもの)で、これもまたシングルオリジンコーヒーだった。
すなわち、他の豆がブレンドされておらず、誰がどこでどうやって作ったかがわかるコーヒー、ということだ。
ブラックでいただいたが、さらっとした飲み心地で、最後に酸味が舌を覆う感じ。
どうでしょう、「わかってる風」に伝えられておりますでしょうか。
(ちなみにプロによると、この豆の味わいは「華やか、フローラル、酸味」といったキーワードで表現されるそう)
このコーヒーをいただきながら、バリスタさんたちによるギフトセットの紹介がスタート。
※これがコーヒー豆!
まずはウェルカムコーヒーの紹介から。楽しみ方を教わった。
「エチオピア、というとアフリカの方の国です。
太陽がさんさんと降り注ぎ、動物たちが闊歩するアフリカのイメージなどを思い起こしながらコーヒーを飲む、というのも、楽しみ方のひとつですよ」
その発想はなかった!
他の産地の豆がブレンドされていない「シングルオリジン」だからこその楽しみ方なのだろう。
続いて、「Dick Taylor × Blue Bottle Coffee ペアリングギフトセット」の試食に。
※実際は板チョコなのですが、試食用に食べやすくしてもらいました
コーヒー豆もチョコレートも、グアテマラ産。
農園のある地域は1日中雨が降っており、日がさす時間は1日に1時間程度だとか。
過酷な環境で育ってきた、貴重な豆たちだ。
そんな「良質なコーヒー」と聞くと、ブラックで飲まなければならないような気がしてしまうが、ミルクや砂糖との相性もいいらしい。
変化を楽しめるのもまた、おいしいコーヒーの魅力。
そしてギフトセットの味わい方を教わったのでご紹介。
いろんなコーヒー×チョコレートで楽しめると思う。
■コーヒーとチョコレートの楽しみ方
- コーヒーの香りを楽しむ
- 1~2口飲む
- 最後にほんの少し(耳かきに乗るくらいでいいらしい)チョコレートを口に含む
- 噛まずに、舌の上で溶かすようにチョコレートを味わう
楽しみ方を覚えたところで、お待ちかねの試食タイム!
驚いたのは、今回セットになっているディック・テイラーのチョコレート。
かなり濃厚で、上記のとおりほんの少ししか食べていないのに、口の中でものすごい個性を発揮してくる。
バリスタさんたちは「スパイシー」と表現していたけれど、ド庶民の私の感想は「しょっぱい」だった。
いや、それだと語弊があるかもしれない。塩のしょっぱいとは異なるのだ。
最初はいわゆるカカオ量多めのチョコレートの味わいなのだけれど、溶けていくほどに舌先がしょっぱくなるというか。不思議だ。
あまりに稚拙な感想になってしまったので、ツウの方向けに、プロがテイスティングした際のこのチョコレートの感想もメモしておく。
- プルメリア(花)のような香り
- ブルーベリーとピーチコブラ アメリカの家庭的なお菓子を思わせるフレーバー
- エスプレッソのような苦味を覚えるアフターフレーバー
ということで、味の変化も魅力のようだ。
今回のチョコレートはカカオ分72%、ケーンシュガー28%という、潔すぎるシンプルな原材料でできており、いろいろなものが混ざっていない分、カカオ豆の味わいがダイレクトに楽しめる。
一般的なチョコレートには砂糖、乳化剤をはじめとするいろいろなものが入っていることを思うと、かなりの手間をかけて作られていることが想像できる。
しかも豪雨地帯で作られた豆なのでしょ、なんてことを思うと、4,800円で高いなどと軽々しく考えてしまった自分がちょっと恥ずかしい・・・。
このギフトセットのために作られたチョコレートなので、本当に貴重!(ブログやっててよかったと思う瞬間)
コーヒーは、さきほどいただいたエチオピアのものに比べて酸味が少ない印象。
「メープルシロップ、プラム、キャラメルのような感じの、フルーティーなコーヒー」と表現されていた。
「お父さん用」におすすめしたい
すごくおいしかったし、4,800円という価格になってしまうことも理解できたけれど、それでも、やはり「贈る相手を選ぶ」ギフトだと思う。
とてもじゃないが、私(今年31歳)は、よほどのツウでもないかぎり、同世代の方々にはあげたくない!(逆に、私がもらっても、身の丈に合っていなくて持て余しそう)
上司への義理チョコにするにも、高すぎるだろう。
そもそもの話になるが、このギフトセットのコーヒー豆はあくまでも「豆」。
自宅にコーヒーミルがある方にプレゼントするか、コーヒー関連グッズフルセットとともに贈る必要がある。
大事な偉い人にギフトセットをプレゼントした結果、それが「一流の人はコーヒーミルくらい自宅にありますよね?」という皮肉めいた印象を残すことになったら大変である。
そこで、「お父さんへのバレンタインギフト」としてご提案したい。
社会人以上の年齢の方の「お父さん」は、人生経験豊富な世代のはず。
コーヒー通であろうとなかろうと、「いいもの」が似合う方たちだろうと思う。
シングルオリジンのおいしいコーヒーとチョコレートを、その人生経験のひとつに加えてもらおう。
それに「お父さん」という親密な関係だったら、コーヒーミルを所持していなくても、「それくらい自分で買ってよ~」くらいの軽口がたたけるのではなかろうか(一緒にプレゼントすべきかもしれないけどさ・・・)。
話題の「ブルーボトルコーヒー」というのも話のタネになりそうだ。
お父さん、覚えて嬉しくなっちゃうかも?
気になった方は、ぜひブルーボトルコーヒー(清澄白河店、青山店)に!
余談
実はお土産に1セットいただいたのだが・・・いざ実家の父にプレゼント、と思うとなんだか惜しくなってきてしまった。自分で飲みたい・・・。
「鮮度・命」ゆえにコーヒー豆は2月2日が賞味期限!
早めにいただいたほうがいいもんなあ。
チョコレートもめちゃくちゃおいしかったし・・・。
とはいえ、我が家には当然ながらコーヒーミルなどない。
じゃあどうしようか、ということで
そのままボリボリ食べてみました。
いや、だってコーヒービートとか、あるし、いいかなって・・・。
コーヒーの味をまさにダイレクトに感じることができた、貴重な体験であった。
苦いし酸っぱいのだけれど、ものすごく良い香りで、不思議とどんどんいただくことができてしまった。
(胸やけすると思うので、数粒で留めたけれど)
さも未開封のような見た目になるよう、丁重に袋をとじて戻し、箱を閉じた。
やはりこのおいしさ、父に伝えなくては。
違いのわかる親父になってもらわなくては。
※「何もなかったよ!」
父よ、この開封済のコーヒーギフトを贈りますので、コーヒーミルを買っておいてください。
よろしくお願いいたします。ホワイトデー、期待しておきます。