こんばんは、NVC(非暴力コミュニケーション)の時間です。
私がスタッフをしている「コワーキングスペース茅場町 Co-Edo」では、「自分の内と外に平和をつくるプロセス」、その名も「NVC」(Non Violent Communication)に取り組んでいます。
NVCは頭(思考や脳みそとも言いかえられる)で「判断・批判・分析・取引」などをするかわりに、自分自身と相手の「心の声」に耳を傾けることを大切にしています。
心理学者マーシャル・ローゼンバーグによって体系づけられたこの考え方は、Microsoftのサティア・ナデラが、CEO就任時に「人を出し抜く競争文化を変えるため」に経営幹部全員に薦めたことでも注目されました。
2月からスタートした勉強会、3月8日に第2回目を開催しました! コロナウイルス等の状況も踏まえ、ZOOMでのライブ中継も行っています。
モヤモヤした出来事を「評価」なしで分析すると見えてくるもの
第2回は「OFNR分析」のワークを中心に行いました。
- O:observation(事実をありのままに観察する)
- F:feeling(事実によってわき起こった感情を自覚する)
- N:needs(事実によってその感情が引き起こされた理由、すなわち自分が本当に求めていることを知る)
- R:request(O,F,Nを踏まえ、相手に対して具体的な要望を伝える)
参加者それぞれが「モヤモヤ、イライラしたエピソード」を思い出し、そのときのようすを上記の「OFNR」にわけて分析しました。
会場参加、ZOOM参加の全員でGoogleドキュメント上の共通のワークシートを開き、同時入力する形でワークを進めました。
入力時間ののち、全員の分析メモを振り返ります。
「上司に怒られた」「先輩にダメ出しをされた」……
分析の第1ステップ=「観察」の最大のポイントは、「評価を混ぜないこと」。怒られた、ダメ出しをされた、という表現は「評価」であって、「事実」ではないのです。
全員の「observation」メモを見ているだけでも、我々がいかに「自分に都合の悪いフィルタをかけているか」を思い知らされました。
同様に「feeling」「needs」にも、陥りやすい考え方があります。
あるモヤモヤした事象に対し「Aさんは冷たい人だと思った」というのは、一見すると感情のようですが、評価の視点が混ざっていて自分の素直な気持ちを解明できていません。悲しかった、疎外感を抱いた、いらだった、などがfeelingを表す言葉です。
また、needsとして「Aさんに好感を持って欲しい」といったことを挙げているようであれば、考え直す必要があります。
Aさんありきのものではなく、自分が根源的に欲しているものや価値観を探り当ててこそ、この分析に意味が生まれるのです。
NVCの真髄は「リクエスト」
提唱者のマーシャル・ローゼンバーグは、「コミュニケーションには『お願い』と『感謝』しかない」とも言っており、NVCのキモは「心地よいリクエストを出せるか否か」にかかっているといっても過言ではありません。
たとえば「Aさんに『やさしくしてほしい』と伝える」のはあまりよいリクエストではないのです。「やさしい」が抽象的で人によって解釈も異なるため、Aさんがそのリクエストを受け取ったとしても、行動を起こしづらくなってしまいます。
▲ホワイトボード左に書かれているのが、OFNR分析で陥りがちな要素
Googleドキュメント上に入力した「参加者のモヤモヤしたシーン」を全員で読みながら、どんな言葉でリクエストをすればいいか、意見を交わしました。
参加者が体験したリアルなエピソードは想いも馳せやすく、シミュレーションすることでよい勉強ができた気がします。
OFNRで冷静に分析すると、それまでイライラしていた気持ちが落ち着いたり、不安が減ったりするので、ひとりでいるときにも効果抜群。私自身、なにか嫌なことがあったときは分析するようにしています。
あっという間の3時間!
会場ではお菓子をつまみながら、終始リラックスした雰囲気でNVCへの理解を深められたように思います。
次回は4月4日(土)14時~17時に開催予定。ご興味のある方はスケジュールを空けておいていただけますと幸いです! もちろんZOOM参加も歓迎ですよ。