言いたいことやまやまです

2022年2月に出産した1985年生まれの主婦です。資料作成が好き。

育児日誌ブログ「母になっても言いたいことやまやまです」を毎週月曜日に更新中!

宣伝はぐいぐいストロングスタイルで!

 2022年6月22日、参院選が公示されました。このクソ暑い夏も、元気いっぱいの選挙カーが走り回るのでしょう。道でぼーっと立っていたら選挙カーを見つめる形になってしまい、その候補者のことなどほぼなにも知らないのに、「応援ありがとうございます」と、出馬する本人以上にどこの誰だか知らない、ウグイス色した美声の主に礼を言われたこともあります。そんなわけですから、物心ついたころから選挙カーはうるさく迷惑なものだと思って生きてきました。もう一度遭遇したいと思ったのはドクター中松カーだけです。

 一方的に、望んでもいない情報をぐいぐい押し付けてくる厚かましさを感じるので、選挙活動は苦手です。有権者の多くは会社員で、彼らは「いかにして自分の話を聞いてもらえるよう工夫するか」を求められてきた戦士です。そんなソルジャーに「ただデカい声で話す」って、あまりにも、あまりにも、あまりにも! 静か、かつおもしろい方法でアピールする候補者がいたら、それだけでちょっと心掴まれてしまうよな……と思っているうちに、気づけば後藤輝樹氏の「目の下のクマを美容皮膚科で手術しましたレポート動画」を観てしまっているのでした。

 日本人は奥ゆかしい民族だと聞いています。「あ~~~この客の相手するの嫌だな、帰ってほしいな」と思ったら濃い茶を出すのだと教わりました。直接帰れとは言わず、ほんのりと嫌がらせ(?)をする。その「察し、察させる文化」が日本らしさであり、世界の方々に「どうもわかりにくい、あとあいつらニヤニヤしがち」とご指摘されてしまうチャームポイントであるはずです。

 それなのに「宣伝活動」となると、選挙のみならず、日本人は奥ゆかしさを忘れるもののようです。

 妊娠~出産~現在、ラジオを聴きながら過ごすことが増え、比例して「ラジオショッピング」コーナーを聴く……否、聴かされる時間も増えました。このコーナーには選挙カーに似た熱いぐいぐい感を覚えていて、ジングルが聴こえてきたら局を変えたり、ラジオ自体を消したりしてしまうほど苦手です。「もっと普通に話してくれれば、いちおう商品情報くらいは聴くのにな」と思ってしまうくらい、聴いているだけで疲れてしまうのです。

 そんなラジオショッピング、いっそハリウッドザコシショウに一目置かれるくらい誇張してくれたら、聴きたくなるかもしれません。それをやってのけたのが髙田明氏ということなのかしら。逆に声が小さすぎて、細心の注意を払って耳を傾けないと、宣伝している商品がなんなのかわからない、というのはどうでしょう。何の宣伝をしているのか当てたら賞金もあげちゃおうかな!

 それはそうと、7月といえば夏のセールの時期ですね。紳士服事情は存じ上げませんが、女性服、とくに10~20代くらいの女性をターゲットにしているアパレルショップといったらもう、「ぐいぐい感」を通り越して「宣伝文句の雄叫び」が飛び交う混沌の地になってしまいます。タイムセールなんて始まろうものならこの世の地獄です。帰りたくなる。

 あのうるさすぎる空間で静寂を提供できたら、それだけでそのお店は売上を伸ばすのではないでしょうか。平成の柳原可奈子、令和のコットンきょんが演じるような「おしとやかで癖のある発声術」が無に帰る感じがすごいなと思います。採用試験では大声選手権のようなこともやるんでしょうか。コロナ禍で革命が起きていることを祈るばかりです。

 実店舗のみならず、インターネット上のショップの宣伝にも閉口してしまうことが多々あります。いわゆるLP(ランディングページ)です。ブログやSNS投稿に貼り付けられている商品リンクをクリックすると、それはそれは縦に長いサイトにたどり着いたことはありませんか? 多くの場合そのサイトの文字はきらびやかで、妙に明るい表情の女性の写真が貼られていたり、セット購入をやたらと薦めていたり、途中で「あなたはこんなことで悩んでいませんか?」と人の心に探りを入れてきたり、やっとサイトの中腹まで来たと思いきや、冒頭で述べられていた文言が再登場してきたりと、ぐいぐい宣伝スタイルのなかでも「クドぐいぐい」という手法が取られているので鬱陶しいのです。これだけクドいエッセイを書いている私に言われちゃおしまいです。

 そんな私も、かつては広告制作会社で企画書を書きまくる日々を送っていました。キャンペーン商品を提案する企画書で、やたらと前置きが長いのは嫌われました。「御託はいいから早く商品案を見せてよ」ということです。「クドぐいぐい」な長~~~いLPを見ていると、あのときのクライアントの気持ちがわかる。めちゃくちゃ端的に商品紹介をしているサイトがあったら、それだけで少し心が動いてしまいそうです。

 派生して「ステップメール」というやつも「クドぐいぐい」の一派であると感じます。カウンセラーやコンサルタントなど、個人で事業をなさっている方に多い気がします。いわゆるメールマガジンのようなものですが、何日間か連続して、その方の「教え」が届くのです。最近はLINEでこれを行う傾向にありますね。

 私のことなんてなにも知らないくせに、ステップメールというやつは文中で「やまま さん」などと呼びかけてくる。「やままさん」ではなく「やまま(半角スペース)さん」です。こちらは目をそらしているのに無理矢理に視線を合わせてくる感じが、ひねくれ婆(=私)には少々不快。そっと情報だけをおいていってくれる「実用型ステップメール」、もしくは毎日読まずにいられないほどおもしろい「ネタ型ステップメール」が配信されたら、お試しコンサルやお試しセミナーを申し込んでしまうやもしれません。

 偉そうに、「こういう宣伝が嫌だ」という話を書いてきてしまいました。しかしどの現場でも「ぐいぐい宣伝」が効果を発揮しているから長年続いているわけです。「選挙カーがないと候補者に魅力を感じない」「声が大きな店員さんを応援したくなる」「長いLPに丁寧さを感じる」「ステップメールでファンになった」という方の気持ちをいつか聞いてみたいなと、純粋に思います。

 そして他人の宣伝手法にケチをつけるのはかくも簡単ですが、いざ自分のこととなると大変です。自分を売り込む場といえば「就職活動」でしょう。採用試験から何年経っても、某社長殿から「あなたの話し方はわざとらしい」とご指摘いただき落選したことは忘れられません。

 

▼令和のアパレル店員ものまねといえば!

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