言いたいことやまやまです

2022年2月に出産した1985年生まれの主婦です。資料作成が好き。

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Tak.さん『書くための名前のない技術』で佐々木正悟さんの頭の中を垣間見る

書くための名前のない技術 case 1  佐々木正悟さん

こんばんは、「文章の書き方」の時間です。

Tak.さんの『書くための名前のない技術』、とてもおもしろかったです。ビジネス書作家として年3~4冊、並行して各所で連載を持たれている佐々木正悟さんの執筆術がインタビュー形式で綴られています。

「書き方」ではなく「足掻き方」が知りたくて

書籍冒頭のTak.さんの導入文、ブログなり各種原稿なりの執筆でお悩みの方はぐっと心を掴まれることでしょう。

文章を書く上でそれらと同じくらい重要な役割を果たしているのは、一般化できない属人的な技術なのです。

(略)

それらは「取るに足らないこと」と思われているからです。でも現実の執筆では、こうした名前のない小さな技術が煮詰まった状況をブレイクスルーさせてくれることが多々あるのです。

そう、それが知りたいんだ!

文章術のような「整理されたテクニック」ではなく、「足掻き方」のようなものが知りたい。

結論から言うと佐々木さんは「どんなときでも書ける方」で、書けないことはないのだそう。そんな人もいるんだ!と知ることができるのもまた、この本の試みのおもしろさです。

(そしてこの部分の佐々木さんとTak.さんのやりとりが愉快です。我々「書けない組」の気持ちをTak.さんが代弁してくれています)

やり直しは、やり直しではない

佐々木さんは原稿をかなり書き進めた状態で「ふと思いつき」、ふりだしから書き直すということもあるそうです。

多くの場合「思いつき」を「書き進めたもの」にどうにかして取り込もうとするものだと思いますが、佐々木さんはきっぱりイチからやり直してしまいます。そしてそれは予め「そういうもの」だと思っているので、がっかりすることも、焦ることもない。

ゲームで、そんな内容のものがありませんでしたっけ。

ある程度のところまでストーリーを進めたのに、選択をトチって振り出しに戻されてしまう。でも実はどの選択肢を選んでも振り出しに戻されるようになっている。

そして「完全にまっさらなころの振り出し」に戻されているのではなく、2周目だからこそ遭遇できる仲間とか、手に入る武器とか、戦えるボスキャラなどが出てくる。1周目では決してエンカウントしないように設定されていて、一見「振り出しに戻った」ように感じさせられるけれど、ゲームは着実に前に進んでいる。

拝読していてそんなイメージと重ねてしまいました。

苦しみを生んでいるのは自分自身

佐々木さんは「いつでも書ける」理由として、「自分には理想がないから」ということをおっしゃっています。

書けない人は、きっと「いいものを書きたい」「よい読後感を与えたい」「バカにされたくない」などの「理想」がある。

私がブログを毎日書けるようになったときのことを思い出しました。3行日記だろうがなんだろうが、書いてしまえ!と体裁を気にしなくなったら、毎日更新ができるようになったのです。

外部メディアへの寄稿記事を書くとき、私は非常にしんどいのですが、それはまさに「理想」を抱えているからだと気付かされました。

そうすると編集さんに何か言われるかな、バカなライターだと思われるんだろうな……なんて不安が心に広がりますが、何か言われても、何か思われても、別に良いのです。ブログを毎日更新する感覚のまま、書いてしまえばよかったんだ!

考えついたことが面白ければ、読めるようにするのは極端にいえば編集さんのお仕事なんで。

自分一人で仕上げようとは思っていらっしゃらない。編集さんとキャッチボールをしながら仕上げている様子がうかがえました。

本書の魅力まとめ

ご本人にとっては至極当然な考え方や習慣、まさに「とるに足らないこと」ですから、上記のことは本書がなければ表に出てくることはなかったでしょう。すごくおもしろい試みです。

  • (遅読家の私でも)一気に読み切れるコンパクトサイズ
  • KindleUnlimited対応 (お申込みはこちらから!)
  • 購入してもたった320円
  • 巻末に要点まとめがあるので振り返りやすい

……と、いいところづくめ。ブロガーさんライターさんをはじめ、なんらか「書く」ということをしている方全員におすすめしたい書籍です。

case1とのことですから、これからもいろんな方の「書くための名前のない技術」が拝読できるということですね。楽しみ!

書くための名前のない技術 case 1  佐々木正悟さん

書くための名前のない技術 case 1  佐々木正悟さん

 

 

その他、私が参考にしている「書くための技術」本

本書を書かれているTak.さんの書籍、私は多大な影響を受けています。繰り返し開きやすいということで、紙バージョンの『アウトライナー実践入門』をピックアップです。

「アウトライナー」で考えを整理するということ、そしてWordのアウトラインモードと通常モードを切り替えながら書いていくということ、これまた目からウロコの要素満載だと思いますので、ご興味のある方はぜひ。

考えが1箇所に没入しがちで全体像を見失いがち、という方には特にイチオシしたいです。

 

エッセイを書く際、参考書として愛読し続けているのが岸本葉子さんの『エッセイの書き方』。「起承転結」ではなく「うん、うん、エーッ、そうなんだ」で書く、という教えに出会ったときは感動しました。 

エッセイの書き方-読んでもらえる文章のコツ (中公文庫)

エッセイの書き方-読んでもらえる文章のコツ (中公文庫)

 


エッセイといえば、Tak.さんのアウトライナー「以外」本である『Piece shake Love』も個人的にはとてもおすすめです。女性、とくに魚喃キリコ作品などがお好きな方はぜひ、ぜひ。

Piece shake Love

Piece shake Love

 

 
▼Kindleって専用端末がなくてもいいの?と不安な方はこちらの記事をどうぞ 

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