言いたいことやまやまです

仕事をやめ、誇りを持って主婦として生きることにした1985年生まれ。金儲け臭ゼロのブログで生きざまを書き綴っています。お金はいつでもほしい。

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「初めて買ったCDの話」ごときで自分を演出できると思っていた

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※この記事はnoteに投稿したコラムと同内容です※

生まれてはじめて買ってもらったCDは、とんねるずの「ガラガラヘビがやってくる」です。リリースは1992年、当時私は7歳でした。

最近の小学1年生はどういう楽曲を聴いているのでしょうか。NiziU? 日向坂46? LiSA? 

いつの時代でも、小学生にもなれば女の子はみんなおませです。私と同世代の方々はSMAPのような男性アイドルだったり、お兄ちゃんお姉ちゃんの影響でXのようなバンドだったり、はたまた洋楽などのCDを買ってもらっていたかもしれません。

そんななかで、とんねるず。

母は「おかげです」や「生ダラ」をよく観ていましたし、父もとんねるずの初期アルバムを持っていたくらいなので、私が「ガラガラヘビ」を手に取るのは自然な流れでした。

おっさんになった今なお、とんねるずは私にとってクールな存在です。「Little Kiss」「ジョージ山本 & 憲三郎」「関東裸会」「ANDY'S」などの番組企画ユニットの楽曲はいまもスマホで聴いています。「野猿」にいたってはファンクラブにも入っていました。

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「……という話はいかがでしょうか」(ドヤ顔)

この話は、各種の懇親会(主にお見合いパーティーや合コン)でしばしば「お題」として出されていた「最初に買ったCDは?」への定型回答です。

27~8歳当時、この「ガラガラヘビ」という回答は抜群に優れているとうぬぼれていました。誰もが知っている楽曲でありながら、男女の距離を詰めるシーンではその名が挙がりにくいからです。これで私の存在が記憶に残るに違いない!

とんねるずの芸風は人を選ぶこともあり、相手の趣味や価値観を測る面でも機能しました。彼らに嫌悪感を示す殿方とは、とてもではありませんがステディな関係にはなれません。

どうせ長く過ごすのであれば、イケメンかどうかなんて関係ありませんでした。清潔感があり、ともに「細かすぎて伝わらないものまね」を観て笑える人と出会いたい!

そんな目論見で各種の懇親会に臨んでいたため、(大ファンであるなら別ですが)無難に「ジュディマリ」などと答えるライバルたちの気がしれませんでした。

その回答でどんな自分を演出しようとしているのか? 相手の何を引き出したいのか? 無目的な回答で勝てると思ったら大間違いだぞ!

……懇親会後、ジュディマリ女のカップリングは成立し、私は不成立に終わった悔しさは一生忘れません。

「つまらない私」が嫌だった

35歳になったいま、少し若かったあの日の私は「"あざとさ"が裏目に出たのではないか」と思います。

田中みな実さんの「あざとい」が「直球」であるならば、「ガラガラヘビ」を声高らかに答えていた私のそれは「変化球」だと言えましょう。

どちらも「記憶に残る女」になればストライク。前者はかわいらしさで、後者はアクの強さで目的を達成しようとしています。かわいくないぶん、変化球はここぞというときに使わないと、ただの「めんどうくさいやつ」で終わりです。

では私はどう答えればよかったのか。嘘をつかず、正直に「最初に買ったCD」の名前を言ってみればよかったのではないかと思います。

そうです、「ガラガラヘビ」は嘘なのです。正しくは「初めて」ではなく「2枚目」でした。

記念すべき人生1枚目のCDは、本当は、アニメ『南国少年パプワくん』のシングルです。OPテーマの「んばば・ラブソング」、EDテーマの「気分はパプワ晴れ」が収録されていました。

山吹色の単調な背景色に、真顔のシンタロー、パプワ、チャッピーが横並びに配置されたジャケット、忘れもしません。CDを買ってもらうほど好きだったくせに、もはや内容は全然覚えていないというところも含め、実に「カッコつかない」回答なのです。

ほころびも「味」にする年の功

ああ、こういうところが私なんだよな……。

エピソードが中途半端であることは自分でもわかる。だから嘘にならない程度に話を盛るのです。でもベースの素材も、盛り付けテクニックも、どっちも半端。かけ合わせたところで「ごちそう」にはなりません。むしろ変に手を加えたぶん素直さが失われ、かわいげのひとつも残らない事態に。モテないのがよくわかります。

物心ついたころから「アラサー」あたりまで、うんと背伸びをしていた気がします。ちょっとでもお姉さんだと思われたくて、おとなたちの仲間に入りたくて、ちょっとした演出を加えながら自己アピールをしつづけていました。一種の「武装」です。

でももう35歳、そんなことをせずとも立派におとなです。輝かしい中身は詰まっていないかもしれないけれど、だてに長く生きていません。残念ながらもう、年季の入り方はごまかせないのです。

それはつまり、背伸びやカッコつけから自分を解放してもよいということではないでしょうか。

つまらないこと、ダサいこと、バカなことを言っても、それが「味」になる歳を迎えているのではないかと思えてきました。安価なスギの木だって、マホガニーには遠く及ばないにしても、樹齢次第では魅力的ではありませんか。

そういえば、「気分はパプワ晴れ」のサビの歌詞はこんな内容です。

♪気分はパプワ晴れ あるがまま進もう
自然はおしえてる まっすぐに生きること

……「はじめて買ったCD」程度の話題でこの調子ですから、私の「ありのまま改革」にはだいぶテコ入れが必要そうです。

味わい深いおばさんになるために、武装解除がんばるぞ!