こんばんは、「そんなことないです」の時間です。
褒められ下手です。公私問わず「さすがだね」とか「おもしろいね」とか、そうした温かい言葉をかけていただくことが稀にあるのですが、こういうときはどうしたらいいのでしょう。
表情につきましては、かの『新世紀エヴァンゲリオン』にて「笑えばいいと思うよ」というアドバイスをいただいていますから、なるべく微笑むようにしていますが、お返事のことばについてはどのようにしたらよいのでしょうか。
シンプルに「ありがとうございます!」がスマートである気がしますが、どうにも、その言葉だけではおさまりが悪い気がしてしまうのです。
「ええ!?そうでしょうか……でも、ありがとうございます」
「ありがとうございます、でも、私なんてまだまだで」
といった具合です。「ありがとうございます」だけだと、言葉足らずな気がしてしまいます。
いや、「ありがとうございます」が言えた時点で及第点かもしれません。その言葉すら出てこず、冷静と情熱のあいだ、謙虚と喜びのあいだでやっと出てくるのが「いやいや、そんなことないです」であることが、しばしば。
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「ありがとうございます」と言ってしまうと、相手に「社交辞令で言っているだけなのに!苦笑!」と思われるんじゃないかとか、「小物のくせに調子に乗りやがって」と思われるはずだとか、そういう恐怖があるのです。
しかし、自分が誰かを褒めるときのことを思い浮かべると、あまりおべっかは使っていないなあということに気づきました。似合ってもいない服のことをわざわざ褒めたり、おもしろくもないもののことを面白がったりするのは、単純にしんどいのです。
褒めたら最後、その話題でひとしきり盛り上がるかもしれないわけです。自分がいいと思ってもいないものを褒め、その話題がしばらく続くなんて地獄です。
世の中には忖度マンというのも存在しますから一概にそうだとは言えませんが、他人を褒めるときって、程度の差こそあれ、なにかしらのポジティブな想いがあるからこそ褒めるのです。
となれば、褒められたときにすべきことは、やっぱりふつうに「ありがとう」でいいんじゃないかと思えてきました。謙遜は逆に嫌味でもありましょう。「いやいやそんなことないですよ」「いやいやそんなことあるよ」みたいなやりとりも面倒くさい。元気いっぱい「ありがとう!」が最適解であると思いました。
褒めてくれた相手が「お世辞で言っただけなのに調子に乗りやがって、バーカ」と思うような奴だったら、それはそれでよし。バカで結構、でもそんなバカに媚びへつらわなきゃ会話ができないなんて実に気の毒です。
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そこで、自分の中で「そんなことないです罰金」を始めてみようかと思っています。志村けんさんと笑福亭鶴瓶さんの「英語禁止ボウリング」と同じ要領で、褒められて「そんなことないです」と言ったら、罰金です。言ったら100円。
貯金箱に貯めるのもいいのですが、このご時世、そうしたこともデジタルで完結できないものでしょうか。
いまのところ、このアプリがいいなあと思っていますが、バーチャル貯金箱なので実際には貯まらないというのが残念。おすすめアプリがあったら教えてください。