こんばんは、合羽橋の時間です。
アニメ『さらざんまい』に登場する「かっぱコロッケ」のお店や、魔性の味のコーヒーがいただける「喫茶オンリー」が並ぶ通りにある定食屋さん、ときわ食堂のご紹介です。
▼かっぱコロッケや喫茶オンリーについてはこちらをどうぞ
営業時間は朝10時~13時30分と短時間。昔は8時から開いていた気がするのですが。
このショーウィンドウがすべてを物語っています。とくに、下段手前のアルミホイルあたり。鮭のホイル焼きはメニューにはありません。
店内は狭くもなく、広くもなく。スポーツ紙は読み放題です(一般紙はない)。
壁に無造作に貼られた世界地図。3M社の特殊な糊などを使うことなく、日本古来より伝わる安心と信頼のベージュ色、その名も「ガムテープ」でベタベタと固定されているのがよい。隣に大衆演劇のポスター、というのが浅草らしさでしょうか。
BGMはありません。ホールに1~2名、厨房に1~2名(見えないのでわからない)のオバチャンがいらっしゃり、お店に入った瞬間「女性部の豚汁ふるまいコーナー」に来た錯覚に陥りますが、まごうことなき定食屋さんです。
メニューはすべてが「単品」。一品料理にめいめい味噌汁やごはん、小鉢などを組み合わせて定食化する方式です。選べる糖質としてはごはんのほか、ビールや冷酒のご用意もございます。
ありがちな話ですがごはんの小盛りが大容量ですので、テーブルに持ってきてくださったタイミングですばやく目視し、多すぎるようならその場で申し出てください。
ガリッと系の衣がいい!
静かな店内でアジフライをお願いしましたら、「2枚なんだけど、1枚をイカフライにすることもできますよ」とのご提案。ぜひにとカスタマイズをお願いしました。
ホールのオバチャンが「アジフライとイカフライ1つずつ~」などと厨房に向かってオーダーを通すと、なかからすかさず「ハイ~!」という甲高い声が聞こえてくるのが微笑ましい。文字だとなんとも伝えづらいですが、非常にリズミカルで伝統芸能のようでもあります。さながら浪曲師と曲師のような。
アジフライの下に敷かれていたイカフライ。
衣はざくざく系で、とても好きなタイプです。サクッ、フワッ、という上品な揚げ物ももちろんおいしいと思いますが、こういうガツンとくる揚げ物をいただくと元気がでる。
マグロのあら煮が280円くらいの安さだったのでお願いしてみると、大変おいしく立派なものが出てきました。ここにごはんを入れてかき込みたい。
いつだって通常運行
もてなし大国ニッポンにおける観光地、浅草。
雷門や浅草寺界隈は観光向けのおもてなし店も多いのではないかと思いますが、ときわ食堂さんは「いつでも、誰が来ても、同じ」なのがひしひしと伝わってきます。
オバチャンたちは決して無愛想ではないけれど、いつもニコニコというタイプではありません。むしろそっけないという印象のほうが強い。
海外からのお客様もいらっしゃいますが、英語一切なしのメニュー(しかも壁に書かれているのみ)で、オバチャンが英語対応しているのを見たことがない。カタコトのルー語すら喋っているのを見たことがない。でも取り分け用に取り皿やお椀を持ってきてあげたり、やさしさ満点ではあるのです。
おいしくて安いからというのはもちろんだけど、こういうところがときわ食堂さんの大好きなところなんだ。
「いつもどおりを貫く」というおもてなしもあるのだということを感じます。
お店情報
- 店舗名:ときわ食堂
- 住所:東京都台東区西浅草2-23-8
- 営業時間:10:00~13:30(日曜定休)
- 食べログページ:https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131102/13077960/