赤ちゃんといえば予防接種。
毎月毎月、1度に何本もの注射を打ちます。
先月予防接種デビューし、今日は2回目。
来月はいよいよBCG接種が控えています。つるつるの両腕とも、あと1か月ちょいでお別れかあ。
いまこのブログを書いている横で、これから病院に行く本人はいつも通りギャーギャー騒いでいます。
いっぽうの私は、数日前から注射のことを想うと苦しくてならない……。
赤ちゃん、はじめての予防接種!の思い出
先月の注射デビュー戦のときは、「泣き声を聴くのが辛いなあ」「暴れないかなあ」といった、典型的な不安を抱いて臨んだものです。
いざ病院に着いてみると、ことは非常にスムーズに進みました。
- 先生が腕を消毒する → 子に変化なし
- 針を刺す → 子に変化なし
- 薬液を注入する → 子が徐々に痛いことに気づき泣き始める
- 針を抜く → 子、真っ赤になって本格的に泣く
その後すぐ抱っこ紐に入れ、ゆさゆさしているうちにすぐ泣き止んでくれました。なんのことはありません。ごくふつうの予防接種風景でしょう。
しかしこの、さながら「天国から地獄」な子の表情変化に、私の心は抉られました……。
ここが病院であることなど知らぬ我が子!
これから注射を打たれるなんて思ってもいない我が子!
注射が痛いことも知らない我が子!
ワアワアと泣いている姿をかわいそうだとは思っているわけではないんです。予防接種、ありがたいですし。
ただ……病院での、まさか腕に針を刺されるとは微塵も思っていない笑顔が切なくてねえ……。
ブスリと針を刺されて、痛みを感じたときの本人の戸惑いを想像すると、胸がキュンと痛むのでした。
子どもの無知、無邪気を「うまく使う」ことはしたくない
話は変わりますが、1度目の予防接種ののち、なぜかAmazonプライムビデオで『ヒトラー 最期の12日間』を観てしまったのです。
いやあ、すごい映画でした。
これの後半でね、ゲッベルス夫人がお子さんたちに対し、さも「いい薬」だという口ぶりで、睡眠薬を飲ませようとするシーンがあるのですよ。
末っ子ちゃんなどは無邪気に「私は勇敢だから」とかいって、率先して飲んだりして。
そうして眠らせた後、夫人はみんなに劇薬を飲ませるのだからたまりません。本当に戦争って恐ろしい。
産前だったら普通に観ていたであろうこのシーン、とうてい観られない身体になってしまいました……(早送りした)。
予防接種(命を守る)と戦争(命を駒にする)なんて真逆のシチュエーションのエピソードを書いておりますが、子どもの無邪気さはいつの時代も、どんなときも、同じです。
「子どもはこの状況を把握できていない」ことを利用して事を進めるというのは、狡猾というか、フェアじゃないというか、とにかく、つらいものです。
子どもが事実を悟った瞬間の気持ちを考えると、もう胸が苦しくて仕方がなくなるのですよ。
予防接種を「さっさと済ませるイベント」にしない
予防接種について調べていたら、富山にある「岡部こども医院」さんが書かれた、「泣かさない予防接種を目指して」というブログ記事を見つけました。
予防接種で泣いてしまうお子さんの様子が、タイプ別に紹介されています。
そのうちの1項目が下記のもの。改行と太字は私の編集です。
●話が違うぞ!
なぜ医院に来たのか知らされていない子が、診察室で注射しに来たことが分って暴れるケース。これは、本人のせいではなく、説明しなかった大人の方が良くない。(略)
医院に連れて来るまでが大変だが、なぜ予防接種をしないといけないか、しっかり話すことが大事。(ならぬことは、ならぬものです。)
この「説明しなかった大人」というのが、私が前述した「子どもの無知を利用して事を進めた大人」にあたる人なのではないかなと思いました。
岡部こども医院さんのブログ記事には「その2」もあって、それがまたいいんです。
長めに引用させてもらいます。改行と太字は私の編集です。
幼児期は、注射は痛いものという固定観念が植えつけられたり、痛かったことで注射がトラウマになったりする時期でもあります。
ワクチンを打つ意義を説明して、本人が頑張ろうと思ってもらうのがベストですが、それでも痛くて暴れたりすることもあるので、「そーっとするよ」「1,2,3で終りだよ」「深呼吸したらいいよ」「少し痛いけど、我慢できるよ」と声掛けをして、本人に頑張ってもらうしかありません。
気休めの言葉、「痛くないよ」「大丈夫だよ」などは、信頼関係が崩れることがあるので良くありません。
最も大切なことは、終わった後の言葉がけです。
泣かずに頑張れた子には、「やればできるね、すごい!」「よく頑張りました」「good job」と大いに褒めてあげましょう。
泣いて大暴れした子にも、「よく頑張りました」「今度、また頑張ろうね」と精いっぱいの努力を称えることが大事です。
皆が自分を応援してくれていると分かると、今度は頑張るぞという気持ちが起こります。
大げさな言い方かもしれませんが、子供たちが将来向かい合う様々な困難に、逃げることなく乗り越えていく力をつける一歩になってくれればと思います。
やっぱり相手が子どもだと侮ったり、ごまかしたりして事を進めるのはよくない。
向き合っていない、誠意のないコミュニケーションです。
とはいえ多くの大人は時間に追われているわけで、こんなのは理想論かもしれないのですが。
我が家にいたっては、相手はまだ赤ちゃん。
予防接種の大切さを説いたところで、ねぎらいの言葉をかけたところで、通じるはずもありません。
でも、通じるはずもないんだけど、ちゃんと説明してから病院に行こうと思います。
そして注射が終わったら、「がんばったね」と抱きしめることにします。
英語がまったくできないのにタイに行き、気持ちだけでコミュニケーションを成立させた経験から、ハートは伝わると信じて……!
無事に2度目の予防接種を終えました
さて、予防接種に行ってきました。
それはそれは顔を真っ赤にしての大泣きでしたが、それなりにすぐ泣き止んでくれました。
看護師さんもお医者さんも非常に協力的で、やさしい言葉をかけてくださるのが心強かったです。
大人だってそういう心持ちになるんだから、子どもはなおさらですよね。
前掲のブログに書かれていた通り、応援している気持ちが伝わるように、我が子には「がんばったね」と話しかけました。
声に出すというのはやはり大事なもので、「がんばったね」はそのまま自分にも返ってくる心地がしました。
子どもはもちろんがんばった。でも、私だっていっしょにがんばったよな!
あの記事のおかげで、キュンと切なく苦しい気持ちはだいぶ楽になったように思います。
余談ですが、YouTubeに赤ちゃんの予防接種動画がたくさんあがっていておどろきました。
私と同じように、不安になった母ちゃんたちが観るんでしょうね。
下記の動画が好きです。短いのでよろしければどうぞ。