産後の親子1ヶ月健診が終わると、赤ちゃんもいよいよ外界デビューを果たすことが多いようです。我が家も1か月くらいから、スーパーへの買い出しを兼ねた散歩をはじめた気がします。
どこに出かけるでもなく、日中は子どもとふたりきり。夜間授乳もあるから昼夜問わずなんだけど。我が子はかわいいけれど、気持ちはどんどんしんどくなっていきました。
- 子どもが自ら動いて遊ぶことは、まだ難しい
- テレビを見せ過ぎるのは良くないと言われがち
- スキンシップ遊びや絵本の読み聞かせを長時間行うのは無理
- 1日中散歩をするわけにもいかない
- でも構わないと子に泣かれる
- 声量も地味に大きくなってきている
- 頻繁にベビーシッターに依頼できるほどの経済的余裕はない
どうすりゃいいんだよ……!
それで利用するようになったのが「子ども家庭支援センター」と「児童館」です。
もう少し大きい子が遊ぶ場所だと思っていましたが、0歳児でも参加できるイベントが多々開催されていたり、おもちゃが用意された広場を自由に使えたり。
さらに「同じくらいに出産した、近所に住んでいるお母さんと会える場」でもありました。
「母同士が集まるコミュニティ」というと、本音と建前とマウンティングが渦巻くベッタリマッタリした場所のイメージを持っていました。
お会いするお母さん方にはそう簡単に心を開いてはならぬ! と、さながらハリネズミ状態で施設の門を叩いたものです。
しかし想像していた「ママコミュニティ」は、少なくとも私が住まうエリアでは架空の存在でした。
みんな育児で手いっぱいで、よその母ちゃんとイチャイチャする余裕なんてないのです。
いつもであればマウンティング用に使っているかもしれない脳みそも総動員して、目の前の育児に全力投球している。
じゃあ会って何を話すのかといえば、社交辞令的に互いの子どもの月齢を紹介し、ほんのりと日々の育児生活を愚痴ったり、離乳食その他、育児における悩みごとを尋ねあうくらいです。
愚痴といっても、相手ははじめましての方。深刻な話題が出るはずもなく、聞き流してもいいし、興味があれば乗っかればいいし、非常に気楽です。
餅つきの合いの手のごとく、会話の合間合間で子どもたちに「かわいいねー」「すごいねー」とポジティブな言葉をかけあうのもお約束の流れ。
タイマンだと喋れなくても、緩和剤としての「子」のおかげで、場はなんとなく成立してしまう!
その場で盛り上がったとしても「このあとお茶でも」なんて流れになることはありません。お互い忙しいから。
子どもの名前はその場で紹介しあっても、親同士の名前や名字は不明のままであることも。むしろそのほうが多い。
この一期一会感がまた、気楽でよいのです。
一期一会のはずが何度かイベントで顔を合わせ、「名前は知らないけれど顔見知り」という関係になるのも、拘束力のない感じがとてもいい。
たった一度だけ「LINEを交換してください!」と言われたことがあり、話が盛り上がったわけでもないのになぜ……と戸惑った記憶があります。
そしてこういうとき、どうやって断ったらいいものだろうかと悩みました。
「Instagramのアカウントを教えて」のようなアプローチであれば「インスタやってないんです」でかわせますが、我々の親世代だってLINEを使う時代に「やってないんです」はキツイ。
素直に「もう少し仲良くなってからでもいいですか……」というのも、心象が悪い。
結局その日は断り方が思い浮かばず、連絡先を交換したのでした。
その後、往年の名作コント「グローバルTPS物語」さながらの「勾玉を売りつけるメッセージ」でも届いたらどうしようかとソワソワしていましたが、なんのことはない、そこからお互いにメッセージを送るでもなく自然消滅です。
あの交換の手間は一体?
話が逸れましたが、子なし時代に想像して辟易していた「ママコミュニティのイメージ」は、むしろマイナー事例だったことがわかりました。
このあと幼稚園、小学校と進化していくにつれて変わっていくのかな~~~~。