言いたいことやまやまです

有名人になりたかったけれどなれなかった30代半ばの凡人女による愉快な生存報告

やままあき

Author:やまま (id:yamama48)

1985年生まれのインディーズエッセイスト(子なし専業主婦)。
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「ちゃんとしなきゃ病」の心に棲まう妖怪のこと

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※noteに投稿した記事と同内容です※

『妖怪べきねば ~「ちゃんとしなきゃ」が追ってくる~』という電子書籍をAmazonで発売しました。3万字ほどの、さくっと読めるエッセイです。

 「妖怪べきねば」は私の造語で、「こうある”べき”」「こうせ”ねば”」という、見えざる存在からのささやき声を「妖怪」に見立てました。

この妖怪は私の「こうしたい!」という欲求を察知するやいなや出現し、私に「我慢」を強いてくるのです。

せっかくですので、具体的な戦闘事例をご覧にいれましょう。

どら焼きの乱

先日、私は浅草の名店「亀十」さんに伺いました。

こちらのどら焼きはひとつ350円もするビッグな逸品で、入手するには1か月以上前から予約しておくか、行列に並ばなければなりません。それがコロナさんのおかげで比較的スムーズに購入できるようになったのです。


浅草のどら焼き食べ比べ! ~亀十と西むら~

小豆と白あんの2種類を、それぞれ1つずつ購入して帰宅しました。ちなみに私は白あんが好きです。

お三時に夫と食べようと思い、お茶を淹れながら私は彼にこう尋ねました。

「小豆と白あん、どっちがいい?」

どっちがいいもなにも、私は白あんが食べたいのです。自分から質問しておきながら、心のなかでは大学合格発表の祈りに匹敵する強さで「夫よ、どうか小豆とお答えください」と念じているのです。

「うーん、たまには白あんにしようかな」

夫の返事を聞いた途端、私の心のなかのちゃぶ台は盛大にひっくり返されました。

おい!! 「白あんにしようかな」くらいの思いつきで選択されちゃ困るんだよ! こっちはわざわざ! 店まで! 行って! 買ってきたんだよ!! 白あん愛は私のほうが深い! 貴様にはふさわしくない!

この憤怒っぷりを体内に押し止めることができましょうか、いいえ、できるはずもありません。さながらドラゴンボールのサイヤ人が超サイヤ人になるときの「ブォン!」というオーラのようなもの(あれはなんなのですか?)が発出されます。

「あ、白あんがよかった? おれ小豆にしようか?」

夫は当然ながら私の異変に気づき、気を遣って上記のような言葉をかけてくれるのです。やさしいでしょう。本当に立派で尊敬する夫なのです。しかしこの気遣いに私がどう返すかといえば

「いやいや! ううん! いいの! 食べて、白あん! ぜひとも!!」

……何のメリットもない強がりです。

傍から見ているとあきれるよりほかありませんが、当人の心のなかでは妖怪べきねばと丁々発止でやりあっているのです。

私「白あん食べたい!」
妖「おまえはバカか! 妻たるもの夫を立てるべき!」
私「いやだ、白あん食べたい!」
妖「どのツラさげて言ってんだ! 夫の稼ぎで生かしてもらっているくせに!」
私(白あん食べたい……けど、言い返せない……!)

私の心に棲まう妖怪は、親世代から授かった「古き良きジャポン」における「正論」を武器として使っているようです。つまり奴さんの主張はいつだって「正しいこと」!。

「正しさ」を疑う

拙著の文中でもおおいに取り扱っていますが、このカギカッコつきの「正しさ」というのが非常に厄介です。「妖怪べきねば」を構成する細胞そのものといえます。

「◯◯警察」という言葉が流通してから久しい今日このごろ。この概念はまさに「妖怪べきねば」と同じものだと思うのです。

「正しい」から、容疑者には暴力をふるってもいい。冤罪だったとしても謝らなくていい。むしろ「火のないところに煙は立たぬと言うからねェ……」なんて、それらしい言葉で追い打ちをかけたっていい。

「◯◯警察」はそうやって我が物顔で闊歩し、他人を容赦なく傷つけています。それが最近になって問題視されているのは、みなさんもご存じの通りです。

同じことが、自分によって、自分に向けて、行われています。

「◯◯警察、許すまじ!」という感覚で、自分のなかに寄生している「妖怪べきねば」を見つめてみませんか。

上のどら焼き事件で言うならば、「私は夫の稼ぎによって暮らしているのだから、彼を立てて、先にご意見をお伺いするべき」というのが「正しさ」というやつです。

本当にそれが正解なんでしょうか。冷静になって考えてみると、どうにも疑わしい。「いっしょにおいしく楽しくどら焼きを食べる」が正解で、それさえ達成できていれば、小豆か白あんかなんてどうでもよいことのような気がします。ほかにも正解がありそうです。

『妖怪べきねば』なにとぞよろしくお願いします!

……と、そんなような話を、私のしょうもない35年の人生を振り返りながら愉快に書いたつもりです。

「ちゃんとしなきゃ」という概念に追い立てられている、そんな心地で生きている方に読んでいただけたらうれしいかぎりです!

KindleUnlimited対応なので、アンリミ無料キャンペーンのときにでもついでに読んでもらえたら御の字でございます。

……なんてひねくれたことを書いてしまいましたが、本音は、

買って読んで感想もらえたらめっっっっっちゃうれしいです!!!