私はしょっちゅう、落ち込んでいます。勝手に不安のタネを拾って無駄に増やして首を絞める系です。
数えきれないほどの「こうあるべき」「こうせねば」を思い浮かべては、達成できていない自分、努力できていない自分が情けなくて消えたくなっていく。「なんで私はこんなに駄目なんだろう」と(勝手に)へこむ。
若いときは憂鬱な気持ちにしばらく浸っていたものですが、それでも明日はやってきます。仕事に行かなければ。
三十路にもなって毎日辛気臭い顔で出社されたら、目も当てられません(美人の憂い顔ならいいかもしれないけどさ!)。
こういうときは解決の糸口ほしさに誰かに相談したり、WEB検索してみたり、自己啓発本を読んだり、いろいろやってしまうものですが、それらがトンネル脱出に役立つケースは稀です。
私の場合は、高確率で「役に立ちませんでした」!
気持ちがどん底まで沈んでいる人間には、提示される解決方法がどれも眩しすぎるんです。
落ち込んでいるときに効くのは、落ち込みがちでめんどうくさい女(私のことね)の言葉なのかもしれないなと思い、この記事を書くことにしました。
落ち込んでいるときにご覧いただいて、「こんなカスみたいな奴もいるから、私はぜんぜん、大丈夫だ」とホッとしてもらえたらいいなと思います。
「仕事をがんばれない自分」は甘えたダメ人間だという罪悪感
本業では広報職を務めていますが、白状すると、広報マンとしてステップアップしていきたいという意欲に欠けています。
とはいえ、興味のある業界に身を置かせてもらいながらお金をいただいていることや、あたたかな職場環境には恩義を感じているのです。
「お金をもらって働いているのだから、プロとして、高みを目指さなければならない」という考えと、それに応えられない感情とのギャップが嫌になります。
本来であれば会社の歴史や扱う商品を熟知していなければならないけれど、自信を持って「熟知している」とは言えないし、知ろうという努力の姿勢に欠けていると思う。
業界事情、他社動向も不勉強。もっと語れるようにならなきゃいけないのに。
広報職であるからには新聞各紙のクリッピングくらいするべきだが、会社で購読してくれていないからというのを言い訳にして、やっていない。
テレビだって、いまどこのチャンネルがどういうタレントさんを起用してどんな番組を放送しているのかを把握するべきだが、あまりテレビを観ていない。
雑誌やWEBサイトもターゲット像をイメージしながらチェックしておくべきなのに、できていない。
これらのことができていない自分がメディアの方にお時間をいただくなんて失礼すぎて、ネタを売り込めない。
まだまだあるのですが、一旦このあたりで……。
情けなさにため息をついた方、言い訳がましくて辟易してしまった方、いろいろおられると思いますがもうちょっとお付き合いのほど(笑)。
とにかく、理想と現実のギャップがすごくて、理想に近づけようと努力できない自分が情けなくて、頭のなかで己を罵ります。
バカ! 怠け者! 生ける屍! カス! 給料どろぼう!
そうするとますます「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ、なんでできていないんだ、なんてダメなんだ」という想いが湧いてきて、余計に動けなくなってしまうのです。
もともと「やりたいこと」であるはずのブログ更新ですら「書かなきゃ」となるし、果ては「いつもコメントをくださる方たちのブログを読まなければ」となるのです。
「べき」と「ねば」があふれかえって、「やりたい」「知りたい」が覆われていく感覚です。
「甘えた人間」はQ&Aサイトに叱られる
さすがにいい大人なので、この気持ちを毎回誰かに相談するわけにもいきません。それにこの状態になった自分は聞く耳を持たないので、相談したところで意味がないのです。
せっかく「1日くらいそんな日もあるよ」と励ましてもらっても、「1日で済んだらいいが、しょっちゅうだ。やはり私はカスだ。本当にやりたい、書く仕事に向けた努力もしていないし、お金をいただいている会社にも申し訳ない」という想いに至って、さらに落ち込む始末。
私が相談を受ける側なら、そんなことを言われたらグーパンチです。「会社に申し訳ないなら馬車馬のごとく働いてから言えよ!」と罵ってしまいそう。
……というわけで、人間関係の悪化を避けるためにも「誰かに相談」は回避するのが正解でしょう。
そこで出てくるのが「発言小町」「OK Wave」「Yahoo!知恵袋」といったQ&Aサービスです。そのキーワード検索欄に、
- 仕事をがんばれない自分を変えたい
- 気持ちにムラがある、どうすればいい?
- すぐ「やらなければ」と思ってしまって辛い
なんてことにつながるキーワードを入力すると、いろんな過去質問が出てきます。
質問主に「わかるよ……」とうなずきながら質問を読み、回答欄に目を移すと、
- 「お辛かったでしょう、心療内科、精神科に相談してみるのはいかがですか」パターン
- 「馬鹿言ってるんじゃないよ! 子どもじゃないんだから、お金もらってるんだから、そんなん社会人失格!」パターン
- 「考え方を変えてみませんか。働く場所があるだなんて、幸せなことではありませんか」パターン
これらのいずれかが待っていました。
自分が望む、共感できる意見にヒットするまで検索してしまいがちでしたが、費やすのは時間ばかりで「そんな都合のいい回答はない」というのが結論です。
自分を忘れる方法
こういうときは「こうでなければならないのに、実現できていない自分はなんてだめなんだ」という自意識を捨てるに限る! と思うようになりました。
とりあえず、仕事に携わっている間は自意識を捨て去れないので、まずは思い切って「会社から帰る」が吉です。
なんらか理由をこじつけてでも、定時帰り、もしくは早退しましょう。
帰りづらいかもしれませんが、辛気臭いオーラを出しながら生産性の低い仕事をしても、誰も幸せにはなりません。賢明な判断だと自分を励ましてあげましょう。
今日中にやらなきゃいけない仕事があるなら、〆切を伸ばす交渉をしてでも、翌朝4時に来てでも、ひとまずその日は姿を消した方がいいんじゃないかと思うようになりました。
そして、とにかく「自分」を忘れる環境をつくる。
私の経験則では、初対面の人がいる場や、深い愚痴を話せるような関係ではない浅い付き合いの人がいる場はおすすめです。
おひとりさまのお客さん同士がおしゃべりする居酒屋、美容院、ネイルサロンなどもいいかもしれません。私は肩こりを治してもらいにマッサージに行きました。
▼アカスリも超おすすめ
「誰かに会う気分になんてなれないよ」と思いがちですが、公私ともに深い話には及びませんし、ほどよく気を遣うので笑顔がつくれる。ここがポイントだと思うんです。
ほどよく気を遣った結果、いつのまにか、気持ちが前向きとはいかないまでも、悲劇のヒロイン気分から、町人A気分くらいには戻れていたりします。
それでもどうしても人に会いたくないというときは、マンガを大量購入したり、映画やアニメを一気観したり、ゲームをしたりするのはどうでしょう。
現実を忘れられて、のめり込めるタイプのものがいいと思います。
間違っても、録りだめしている「情熱大陸」「プロフェッショナル」あたりを消化するのはだめ!
「この人はこんなにがんばっているのに、私ときたら……」と罪悪感を膨らませて枕を涙で濡らしてジ・エンドです。(経験者は語る)
もう、こういうときはアホになりきる。眠くなったら寝る。目が覚めたとき、前日抱えていた絶望感が100なら、0とは言わないまでも30~80くらいになっているんじゃないでしょうか。
目覚めてもなお「私なんて、いる意味ない……」という気持ちが拭えていないかもしれません。そしたら極論、休んだっていいんじゃないかと思います(私はまだここまで度胸がないけど)。
勇気を出して定時あがりしたり、早退したり、代休を取ったりすると、「1日くらいいよね」という想いとともに「今日だけ。こんなことが許されるのは今日だけだ……」「また明日もこの調子だったらどうしよう……」と不安が湧いてきませんか。
でもその不安自体が無駄じゃないかな、と思うようになりました。己をカス人間だと思うなら、そのとおり、カスになっちゃえばいい。「遅れをとりもどさなきゃ」という気負いも不要だと思います。
とにかく自分という存在を忘れる!
落ち込んでいるときは、とにもかくにもこれに徹しましょう。
元気なときって、いろんなことが捗るものです。あとのことは、こちらが頼まずとも、元気な自分が勝手にどうにかしてくれます。自分を忘れることに全力投球です。
「仕事をがんばれない自分」とうまく付き合うしかない
どうやったらよりよい自分になれるんだろう、どうしたらもっと大人になれるんだろう、と悩みますが、
「残念!あきらめましょう!」が、ここ最近の持論になりました。
コンタクトレンズを入れて「ホントのワタシデビュー」できたらラクですが、違う人間になんてなれっこない。
カスな自分がホントの自分。受け入れ、うまく付き合っていった方が生産的だな~と。
私がみんなが帰っていないなかで定時退社する勇気を持てたのは、ごく最近のこと。職場環境に恵まれていることもありますが、やってみたら、意外とできたんです。
バリバリとお仕事に邁進されている方が万が一にもこの記事をお読みになっていたら、てめえ仕事ナメてんのかと殴りたくなるのかもしれません。
でもそれは強者の言い分です。弱っちい、ダメなやつだっているんです。ダメなりに考えた、ちょっとでも生産性をあげようとした対策がこれなんです。
この記事をお読みいただいて、元気のかけらを拾ってくれる方がいたら、私の存在意義もあろうというもの。
罪悪感をやたらと膨らませて、辛気臭い顔をして、ため息ついて、ものすごくできるわけでもない仕事をするくらいなら、堂々と、ちょっと自分を忘れる時間をつくってみませんか。