「失敗は成功のもと」などと言いますが、自分ひとりでの取り組みならまだしも、チームやお客さんがいての失敗はそうも言っていられません。
多くの場合「悪しきこと」扱いとなり、叱られるもの。失敗当事者の多くは罪悪感にさいなまれることに……。
でも「失敗ってそんなに悪いもんじゃない! というかめちゃくちゃ大事!」と気付かされる事件がありました。
駅員さんのミスをきっかけに、元国会議員の詐欺が発覚!
その事件を知ったのは2022年のGW開け、5月9日の朝のニュースを見ていたとき。
元国会議員が、現国会議員の名前を使って新幹線のグリーン車券を無料でゲットしてしまったというのです。
▼このニュース!
元参院議員を逮捕 新幹線の特急券だましとった詐欺などの疑い | NHK
小泉進次郎の名でも語られたら「あんたそりゃウソでしょ」とダウト判定できますが、よく知らんオッサンが、よく知らんオッサンの名を使ったところで、誰が見破れるでしょう。
ではなぜこの事件が発覚してしまったか?
この嘘つきおじさんは、駅で「往復グリーン券」の発券をお願いしていました。
しかし駅員さんは誤って「片道グリーン券2枚」を発券してしまったのですね。
相手は国会議員(ということになっている人)なので、駅員さんも、その上司も、大慌てだったのではないでしょうか。
片道2枚を発券してしまったことに気づいた当人、罪の告白に勇気が要ったことと思いますし、上司におおいに叱られたのではないだろうか……。
そんなこんなで駅員さんたちは申請されていた国会議員の名を調べ、そちらの事務所に謝罪連絡。そこで事件が判明したのでした。
たぶん窓口の駅員さんがミスっていなかったら、このことに気づかぬまま!
失敗した人にはむしろ感謝を!改善のチャンスがそこに詰まっている
失敗やミスを単に「悪いこと」と割り切るのはもったいない。
ミスの当事者が罪悪感を抱いて終わるだけじゃ、意味がない。
そこにはいろんなヒントが含まれているんです。
そんなの当たり前でしょ、なにをいまさら、という話かもしれませんが、「本当はこうやるべきところ、違うことをした/された」シーンにいざ遭遇すると、脊髄反射で波平よろしく「コラーッ!」と反応してしまいませんか?
平時のダブルチェック、トリプルチェックも大事ですが、どうしたって「平時の余裕」が出てしまいます。
有事だからこそ「本気のチェック」ができる。
やらかしてしまった人を「『すみません』じゃないの! どうしてこういうことになったのか、理由を聞いてるの!!」などと詰めて、ひとりだけ吊るしものにするほうがよっぽど簡単ですが、ぐっと踏みとどまりたいところ。
むしろ「その人のおかげ」で、該当業務に携わる人みんなで「どうしてこういうことが起こるのか? 再発を防ぐためにどんな工夫ができるか?」を考える機会ができた! くらいに思いたいものです。
……なんて書くことは本当にたやすいのですよね。やるのは大変。
私は会社員ではありませんが、家事や子育ても同様です。
夫や子どもについガミガミ言ってしまうので、カッとなったとき、イラッとしたときは、この元国会議員のおっさんを思い出したいです。
失敗はよりよく、ラクに生きるためのターニングポイント。